妊婦さんがとるべき寝方を症状や妊娠周期別で解説|注意点も

妊婦生活に入り、なかなか今までのような寝方で眠れなくなったと悩んでいませんか。

妊娠初期や中期はつわり、後期は大きくなったおなかの重さや腰痛などが原因で、眠りにくい状態です。

しかし、妊娠中でも楽になる寝方はあるのです。

この記事では、おもに以下のような内容を解説していきます。

  • 妊婦さんにおすすめの寝方「シムス位」
  • 【症状別】【妊婦期間別】妊婦さんにおすすめする寝方
  • 寝方に関する注意点

この記事を読むと、妊娠中の寝方で迷うことがなくなり、安心して妊娠生活を送れるようになりますよ。

【安心安全】妊婦さんにおすすめの寝方「シムス位」

妊婦さんが楽になる寝方として「シムス位」があげられます。シムス位は以下のような手順で、寝る姿勢をつくります。

  1. 左側を下にして体を横向きにする
  2. 上側になる右脚を前に出す
  3. 右膝を床につける

シムス位を妊婦さんにおすすめする理由は、大きく以下の3点です。

  • リラックスできる
  • 「仰臥位低血圧症候群」を予防できる
  • 腰痛をやわらげる

理由1:リラックスできる

横向きになることで、大きくなったおなかの重みによる寝苦しさや、赤ちゃんの胎動やお腹の張りによる違和感が軽減されます。シムス位は自然とおなかを守るような体勢となるため、安心して休息がとれ、リラックス効果を得られるのです。

理由2:仰臥位低血圧症候群の予防

シムス位をとることで下大静脈への圧迫が軽減され、仰臥位低血圧症候群(子宮が下大静脈を圧迫して心拍数が減少し低血圧となること)の予防につながります。

低血圧による、めまいやふらつきなどの症状を起きにくくすることができます。

理由3:腰痛をやわらげる

おなかが大きくなると、骨盤がひらいてくるため腰痛に悩む方も多いと思います。横になる姿勢になり、右脚を前に出すことで、腰痛が軽減されたり、緩和されます。

【症状別】妊婦さんにおすすめする寝方

妊娠すると、つわり、腰痛、背痛、胃もたれなどさまざまな体調の変化が現れ、今までのように質の良い睡眠をとるのが難しくなったと感じることもあるかと思います。そこで、症状によって寝方を変えて、ぐっすり楽に眠れるようになる方法を解説していきます。

症状1:つわり

妊娠初期で、つわりの症状が重い人は、仰向けで寝るのがつらいのではないでしょうか。

つわりによる吐き気で困っている人は「横向き」の寝方がおすすめです。

横向きに寝ると消化が良くなり、胃酸の逆流を防ぐ効果があります。

医学的には体の右側を下にして寝ると、より効果的だといわれています。しかし右向き、左向きどちらにするかは、妊婦さん自身で楽なほうを選んで問題ありません。

また食後すぐに寝てしまうと胃酸が逆流しやすいため、しばらくは大きなソファなどにもたれかかったり、クッションを利用して頭を高くして過ごしたりするとよいでしょう。

私は、妊婦時代はつわりが重いタイプでした・・・

食事、水を摂ること、寝る時は天井を見るだけで気分が悪かったので、いつでも吐けるように横をむいて、ビニール袋を片手に握って、寝ていました(妊娠生活最初の山場でした)。

症状2:腰痛

妊娠中期になってくると、少しずつおなかも大きくなってきますよね。また妊娠後期になると、さらにお腹が大きくなり、骨盤が開いてくるため、腰痛に悩む人も多いと思います。

腰痛に悩んでいる人は横向きになり、足の間にクッションを挟みこむ寝方がおすすめです。さらに腰を丸めるような姿勢をとると、腰痛が緩和されて楽に寝られますよ。

手持ちのクッションや枕、妊婦さん用の抱き枕などの商品も販売されています(バナナのような形の枕)。

また産後も使える授乳枕などを買って利用すると、無駄がなくておすすめですよ。

症状3:背痛

大きくなったお腹の影響で、おなかを支える背中の骨に負担がかかり、痛みが生じます。左側を下にして体を横向きに寝るシムス位をとることでリラックスすることができ、背中への負担を軽減することができます。

症状4:胃もたれ

妊娠することで、つわりが起きたり、大きくなった子宮により胃腸に負担がかかりやすくなります。そこで、胃酸が食道に逆流しにくくするよう、身体の左側を下にして体を横向きにする寝方がおすすめです。

【妊娠期間別】妊婦さんがとるべき寝方

妊娠している期間によって、体調や体型は変化していきます。体調や体型の変化に合わせて、寝方も変えると、楽に眠れるようになります。

妊娠している期間別で寝方を紹介していきます。

妊娠初期

妊娠初期は、つわりの症状が最もつらい時期です。つわりによる吐き気で困っている人は、仰向けの姿勢よりも「横向きの姿勢」が楽な寝方といえます。横向けに寝ることで消化が良くなり、胃酸の逆流を防ぐ効果もありますので効果的です。

妊娠中期

妊娠が進むにつれて、おなかが大きくなり体の前の方に体重がかかってきます。仰向けにねると、違和感や苦しいという場合も多くなってきます。寝苦しさが楽になるように、横向きになる姿勢がおすすめです。さらに、クッションやまくらを両足に挟んだりすると、圧迫感が薄れて、より快適な感じがするかと思います。

妊娠後期

妊娠後期になると、大きく反り出たお腹により、寝がえりを打つことも大変ですし、胃や腸も圧迫されて寝苦しい日も増えることかと思います。無理なく、シムス位(左側を下にして体を横向きにする、上側になる右脚を前に出す、右膝を床につける)を試してください。この姿勢が快適でないと感じた場合は、無理せずに、他の姿勢も試しながら体に負担がかからないようにして下さい。

逆子の場合は「横向き」で寝ることをすすめられるケースも

妊婦健診で逆子だと判明すると、横向きの寝方をすすめられることがあります。

逆子の場合に横向きの寝方をすすめられるのは、胎児の背中側を上にした状態で寝ると、逆子が治るといわれているからです。ただし、方針は産院によって違います。逆子である場合の寝方は、産院で指導してもらいましょう。

妊娠中~後期は「仰向け」で寝ると死産のリスクが高まる?

お腹が大きくなってくる妊娠中期以降では、「仰向け」になると、子宮の重みで背骨の右側を通る「下大静脈」と呼ばれる血管を圧迫します。下大生脈の圧迫によって静脈の血流が妨げられると、「仰臥位低血圧症候群」を引き起こしてしまう可能性があります。

また、母親の就寝時の姿勢と死産のリスクについて研究がされており、「仰向け」が死産のリスクを高めるという結果も報告されています(注1)

画像出典:〇〇〇
上記は28週以降における妊婦の寝方と死産の関係を表した図です。
3108人の妊婦に対して調査したところ、仰向けに寝た場合は、左向きに寝た場合と比べて、死産の確率が「2.63倍」になったことがわかりました。

また左向きと右向きでは、死産の確率は変わらないこともわかっています。

上図の調査結果から、妊娠28週以降の妊婦さんは仰向きではなく、横向きで眠るようにすれば、死産の確率を「5.8%」下げられるといえます。

【医師監修】妊婦さんの寝方Q&A

Q1:妊婦が仰向けやうつ伏せで寝ると、なぜ良くないの?

A1:赤ちゃんはおなかの中で、子宮や羊水などたくさんのクッションに守られているため、うつ伏せ寝は赤ちゃんに危険はありません。
しかしお腹が大きくなるにつれて、仰向けやうつ伏せは自然とできなくなる寝方です。妊娠中~後期に仰向けで寝ると死産のリスクが高まるというデータもあるため、できれば妊娠中は避けて過ごすとよいでしょう。

Q2:妊娠中に横向きで寝る時、左下・右下どちらの向きが良いの?

A2:できれば左向きがおすすめです。理由としては、子宮の後ろにある下大静脈が、背骨の右側に位置しているため、理論的には右向きよりも左向きに寝るほうが、血管が圧迫されにくい姿勢になる為です。

まとめ

妊娠中は、妊娠週数ごとに著しい体の変化を経験します。特に、妊娠中期以降におなかが大きくなると、腰痛や胃もたれなどの症状を強く感じ、不眠気味になる方も多いです。今日ご紹介しました、寝方を是非お試しいただき、快適な睡眠がとれましたら何よりです。お腹の中の赤ちゃんも、スクスク大きくなっていますよ!どうぞ、素敵な妊娠生活になりますように。

出典:

注1 http://EClinicalMedicine|An Individual Participant Data Meta-analysis of Maternal Going-to-Sleep Position, Interactions with Fetal Vulnerability, and the Risk of Late Stillbirth

 

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▼さい帯血保管について、もっと詳しく

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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