「初めての出産で不安を感じている」「妊娠中に知っておくべきことはあるだろうか」と心配していませんか。
初めての出産では、わからないことばかりで不安になりますよね。
そこでこの記事では、以下のような出産前に知っておきたい基礎知識を紹介していきます。
・出産時期の目安
・出産の種類
・出産の流れ
・出産にかかる費用の目安
この記事を読むと、出産前に知っておきたいことがわかり、安心して出産を迎えられるようになりますよ。
出産時期の目安は妊娠40週
妊娠してから出産するまでにかかる妊娠週数の目安は「約40週」です(※1)。
妊娠週数は、最終月経(直近の生理日)の初日を「妊娠0週0日」として数えます。
つまり妊娠前から、妊娠週数を数え始めるのです。
「妊娠週数を数えるのが面倒」という人は、厚生労働省が提供している下記の自動計算ツールを活用しましょう。
簡単に妊娠週数が把握できるため便利ですよ。
厚生労働省委託 働く女性の心とからだの応援サイト「いつ、何に気をつければいい?妊娠週数・月数の自動計算」
出典:(※1)国立研究開発法人国立成育医療研究センター「予定日を過ぎているのに生まれない!」
出産方法は大きく分けて2種類
出産方法は大きく分けて「経腟分娩」「帝王切開」の2種類に分けられます。
さら経腟分娩は、医療処置が必要な分娩と不要な分娩(自然分娩)の2種類に分けられるのです。
下記にそれぞれの出産方法と特徴を記載しているため、参考にしてくださいね。
出産方法 | 詳細 | ||
帝王切開 | 予定帝王切開 | 経腟分娩が適していないと判断された場合に適用される | |
緊急帝王切開 | 母子の状態を診て、妊娠中や分娩中に急遽帝王切開に切り替えた出産方法 | ||
経腟分娩 | 医療処置が必要 | 無痛分娩 | 麻酔を使って、陣痛の痛みをやわらげながら出産する方法 |
計画分娩 | 出産日をあらかじめ決めて、当日に人工的に陣痛を誘発させて出産する方法 | ||
吸引・鉗子分娩 | ・難産になった場合に適用 ・吸引カップや鉗子(トングのようなもの)を使って胎児を取り出す |
||
医療処置が不要 | フリースタイル分娩 | 自身が痛みや負担が少ないと感じる姿勢で産む方法 | |
ソフロロジー法 | ・呼吸法、イメトレ、エクササイズを取り入れた出産方法 ・陣痛をやわらげる効果がある |
||
ラマーズ法 | 呼吸法を取り入れ、痛みや不安をやわらげる | ||
リーブ法 | ・リラックス、イメージ、呼吸、身体を動かすことを取り入れた出産方法 ・痛みの軽減やリラックス効果がある |
||
水中分娩 | ・約37度の温水の中で出産する方法 ・緊張をほぐし、陣痛をやわらげる効果がある |
||
座位分娩 | ・座った状態で出産する方法 ・自然に力が入りやすく、胎児が産道を通りやすい |
出典:国立研究開発法人国立成育医療研究センター「吸引分娩・鉗子分娩について」、日本赤十字医療センター「自分らしく満足する出産のために」
なかでも帝王切開や吸引・鉗子分娩は、自身で選択できる出産方法ではありません。
ソフロロジー法やラマーズ法といった出産方法は、医療機関によって実施状況が異なるため事前に確認しておきましょう。
また無痛分娩は年々増加傾向にある出産方法で、痛みに抵抗のある人や出産に対する不安を抱える人に向いているといえるでしょう。
無痛分娩について、さらにくわしく知りたいという人は、下記も参考にしてみてくださいね。
出産の流れ
経腟分娩が始まる予兆として、以下3つのサインがあります。
サインの名称 | 特徴 |
おしるし | 子宮口が開き始めると出てくる、出血が混じったおりもののこと |
破水 | 胎児を包んでいた卵膜が破れて、羊水が外に流れ出る現象 |
陣痛 | 規則的な腹部周辺の痛み |
3つのサインが現れる順番には個人差があります。
いずれかのサインがみられた場合は、出産が近いと判断できるでしょう。
経腟分娩の流れをくわしく知りたいという人は、下記を参考にしてくださいね。
出産開始前から赤ちゃんの誕生までの流れを理解できるようになりますよ。
帝王切開の流れについて知りたい人は、こちらを参考にしてください。
また無痛分の流れについて知りたい人は、こちらを参考にしてくださいね。
出産にかかる費用の目安
出産にはどれくらいの費用がかかるのか、金銭面も気になるところですよね。
ここでは「経腟分娩」「帝王切開」「無痛分娩」にかかる費用を紹介します。
それぞれの出産にかかる費用の目安は、以下のとおりです。
出産方法 | 費用の目安 |
経腟分娩 | 約48~75万円 |
帝王切開 | 約50万円 |
無痛分娩 | 経腟分娩の費用+約20万円 |
出典:国立研究開発法人国立成育医療研究センター「分娩・無痛分娩・帝王切開などの出産費用」、厚生労働省「出産費用の見える化等について」(令和5年9月7日公表)、「出産費用の実態把握に関する調査研究(令和3年度)の結果等について」
ただし上記の金額はあくまでも目安であるため、出産する医療機関や地域によっても異なります。
それぞれの出産費用について、さらにくわしく知りたい人は下記も参考にしてみてくださいね。
出産方法によって保険の適用範囲は異なる
結論からいうと経腟分娩や無痛分娩など「正常分娩」では、保険が適用されません。
分娩自体は、怪我や病気に該当しないためです。
一方、帝王切開や吸引・鉗子分娩など「異常分娩」は、医学的な処置が必要と判断された処置であるため、保険が適用されます。
正常分娩は保険適用外ではありますが、以下のような公的制度が利用可能です。
項目 | 内容 |
出産育児一時金 | ・健康保険や国民健康保険の被保険者などが出産したときに一時金を受け取れる ・金額=50万円(産科医療補償制度に加入していない医療機関などで出産した場合は48.8万円) |
医療費控除の還付金 | 自己負担額が10万円以上の場合(所得が200万未満の場合はその5%を超えた場合)、還付金が受け取れる |
医療保険の給付金 | 個人で加入している医療保険の補償内容による |
そのほか保険制度、給付金など | ・育児休業給付金(育休手当) ・傷病手当金 ・出産手当金 |
出典:厚生労働省「出産育児一時金の支給額・支払方法について」、国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
いずれも自身で請求をしなければ受けられない制度であるため、忘れずに手続きを行いましょう。
産科医療補償制度とは?創設者の思いをインタビュー
産科医不足の改善や産科医療提供体制の確保を背景に、安心して産科医療を受けられる環境を目指して創設された制度です。
おもな目的として、分娩に際して発症した「重度脳性まひ」のお子さまとご家族を対象に、
・経済的負担を速やかに補償
・原因分析
・再発防止に関する情報提供
などによって、紛争の防止・早期解決および産科医療の質の向上をかかげています。
そのような産科医療補償制度の創設に携わった石渡勇先生に、ステムセル研究所が行ったインタビューを抜粋して掲載しました。
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”磯村:現在、分娩機関の99.9%が産科医療補償制度に加入しているそうですね。
石渡先生:ええ。この制度の成果は、補償対象者数分娩による脳性麻痺の発生が減少したことです。
2009年に年間419例だったものが2014年には326と22%も減少しました。その後も減っています。磯村:それもすばらしい成果ですね。
医療への貢献という点では、さい帯血保管サービスを行っている弊社も、さい帯血を通じて再生医療を応援させていただいています。石渡先生:さい帯血は、脳性麻痺の症例に対しても一部効果があることがわかってきましたね。
私も個人的に期待しています。”引用:ベビーカレンダー「産科医療の未来を開いた医療現場の思いと制度 - ステムセル研究所設立25周年記念 特別インタビュー」から抜粋して作成”
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入院準備で必要なものとは?リストで紹介
「入院する際にはどのようなものが必要なのだろうか」と悩んでしまいますよね。
入院準備では、必要なものを「2種類のバッグ」に分けて準備しましょう。
ひとつは陣痛や破水したときなど、ひとりで持って行ける必要最低限の荷物を入れた「陣痛バッグ」
2つめは、出産後から退院までの入院生活で必要なものを入れた「入院バッグ」です。
それぞれに入れておきたいものは、以下のとおりです。
陣痛バッグ | 入院バッグ |
・財布(小銭を入れる) ・保険証 ・スマホの充電器 ・母子手帳 ・必要書類、印鑑 ・筆記用具 ・飲み物 ・ストロー ・飴やお菓子 ・夜用生理パッド ・パジャマ(前開きタイプ) ・フェイスタオル ・院内用スリッパ ・スキンケアセット ・髪の毛のゴム ・ウエットシート ・産褥ショーツ(股の部分が面ファスナーのもの) |
・パジャマ ・フェイスタオル ・授乳ブラ ・母乳パッド ・産褥ショーツ ・エコバッグ ・靴下 ・骨盤サポーター ・洗面用具 ・退院時の自分の服 ・化粧品 ・赤ちゃんの退院着(肌着、おくるみなど) |
入院バッグは出産後に持ってきてもらえるよう、家族に置き場所を共有しておきましょう。
陣痛バッグと入院バッグの詳細については、こちらの記事も参考にしてくださいね。
出産のQ&A
出産について、よくある3つの質問をまとめました。
順番に見ていきましょう。
Q1:出産するときは痛い?
「気絶するほどの痛み」「激しい生理痛」のような痛みといわれることがあります。
またほかにも、
・手の指を切断されるような痛み(※2)
・ひどい下痢を何時間も我慢する痛み
・鼻の穴からスイカが出てくるような痛み
・ハンマーで腰を殴られて砕けるような痛み
と表現されることも。
「痛みが苦手」「怖い」「耐えられそうにもない」という人は、無痛分娩も選択肢として検討してみてください。
出典(※2)J-STAGE|昭和大学医学部麻酔科学講座 加藤 里絵「無痛分娩」昭和学士会誌 第78巻 第 5 号〔 467-473 頁,2018 〕
Q2:どこの病院がよいかわからない
病院選びで悩んでいる人は、厚生労働省が開設しているWebサイト「出産なび」を活用しましょう。
このサイトは個々にあった出産施設を探せるWebサイトで、2024年5月30日時点において、全国の2,043施設の情報が掲載されています(※3)。
出産なびでは、おもに以下のようなことができます。
・都道府県や市区町村別に施設の検索が可能
・各施設のサービス内容、費用などがわかる
上記のような病院選びで知りたい情報が把握できるのです。
簡単に使えて便利であるため、ぜひ活用しましょう。
出典(※3)厚生労働省「あなたにあった出産施設を探せるサイト『出産なび』を新設」
まとめ
妊娠してから出産するまでにかかる妊娠週数の目安は「約40週」です。
自身が妊娠何週なのか把握して出産に備えましょう。
また出産には、以下のような方法があげられます。
出産方法 | 詳細 | ||
帝王切開 | 予定帝王切開 | 経腟分娩が適していないと判断された場合に適用される | |
緊急帝王切開 | 母子の状態を診て、妊娠中や分娩中に急遽帝王切開に切り替えた出産方法 | ||
経腟分娩 | 医療処置が必要 | 無痛分娩 | 麻酔を使って、陣痛の痛みをやわらげながら出産する方法 |
計画分娩 | 出産日をあらかじめ決めて、当日に人工的に陣痛を誘発させて出産する方法 | ||
吸引・鉗子分娩 | ・難産になった場合に適用 ・吸引カップや鉗子(トングのようなもの)を使って胎児を取り出す |
||
医療処置が不要 | フリースタイル分娩 | 自身が痛みや負担が少ないと感じる姿勢で産む方法 | |
ソフロロジー法 | ・呼吸法、イメトレ、エクササイズを取り入れた出産方法 ・陣痛をやわらげる効果がある |
||
ラマーズ法 | 呼吸法を取り入れ、痛みや不安をやわらげる | ||
リーブ法 | ・リラックス、イメージ、呼吸、身体を動かすことを取り入れた出産方法 ・痛みの軽減やリラックス効果がある |
||
水中分娩 | ・約37度の温水の中で出産する方法 ・緊張をほぐし、陣痛をやわらげる効果がある |
||
座位分娩 | ・座った状態で出産する方法 ・自然に力が入りやすく、胎児が産道を通りやすい |
帝王切開は、自身で選んで行えない出産方法である点は覚えておきましょう。
出産が始まる予兆としては、
・おしるし
・破水
・陣痛
があります。
いずれかの予兆が起きても、焦らずに病院へ連絡してくださいね。
急な事態に焦らないためにも、事前に陣痛バッグや入院バッグを準備しておくことが大切です。
また一般的に、出産には以下の費用がかかります。
出産方法 | 費用の目安 |
経腟分娩 | 約48~75万円 |
帝王切開 | 約50万円 |
無痛分娩 | 経腟分娩の費用+約20万円 |
出産費用については、以下のような公的制度が利用可能なため、忘れずに申請しましょう。
項目 | 内容 |
出産育児一時金 | ・健康保険や国民健康保険の被保険者などが出産したときに一時金を受け取れる ・金額=50万円(産科医療補償制度に加入していない医療機関などで出産した場合は48.8万円) |
医療費控除の還付金 | 自己負担額が10万円以上の場合(所得が200万未満の場合はその5%を超えた場合)、還付金が受け取れる |
医療保険の給付金 | 個人で加入している医療保険の補償内容による |
そのほか保険制度、給付金など | ・育児休業給付金(育休手当) ・傷病手当金 ・出産手当金 |
今回紹介した内容を踏まえて準備を整え、出産を乗り越えてくださいね。
チャンスは出産時の一度きり。赤ちゃんの将来の安心に備えるさい帯血保管とは
うまれてくる赤ちゃんやその家族のために、おなかに赤ちゃんがいる時しか準備できないことがあるのをご存知ですか?
それが「さい帯血保管」です。
さい帯血とは、赤ちゃんとお母さんを繋いでいるへその緒を流れている血液のことです。
この血液には、「幹細胞」と呼ばれる貴重な細胞が多く含まれており、再生医療の分野で注目されています。
このさい帯血は、長期にわたって保管することができ、現在は治療法が確立していない病気の治療に役立つ可能性を秘めています。
保管したさい帯血が、赤ちゃんやご家族の未来を変えるかもしれません。
しかし採取できるのは、出産直後のわずか数分間に限られています。
採血と聞くと痛みを伴うイメージがあるかと思いますが、さい帯血の採取は赤ちゃんにもお母さんにも痛みはなく安全に行うことができます。
民間さい帯血バンクなら、赤ちゃん・家族のために保管できる
さい帯血バンクには、「公的バンク」と「民間バンク」の2種類があり、公的バンクでは、さい帯血を第三者の白血病などの治療のために寄付することができます。
一方民間バンクでは、赤ちゃん自身やそのご家族の将来のために保管できます。
現在治療法が確立されていない病気に備える保険として利用できるのが、この民間さい帯血バンクです。
ステムセル研究所は、国内シェア約99%を誇る国内最大の民間さい帯血バンクです。
ステムセル研究所が選ばれる理由
・1999年の設立以来20年以上の保管・運営実績あり
・民間バンクのパイオニアで累計保管者数は7万名以上
・全国各地の産科施設とのネットワークがある
・高水準の災害対策がされた国内最大級の細胞保管施設を保有
・厚生労働省(関東信越厚生局)より特定細胞加工物製造許可を取得
・2021年6月東京証券取引所に株式を上場
詳しい資料やご契約書類のお取り寄せは資料請求フォームをご利用ください。
さい帯血を保管した人の声
■出産の時だけのチャンスだから(愛知県 美祐ちゃん)
■さい帯血が本当の希望になりました(東京都 M・Y様)
※ほかの保管者の声はこちらから
▼さい帯血保管について、もっと詳しく
この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー