あの痛みがトラウマに?2人目以降のお母さんに是非考えてほしい無痛分娩

経産婦の皆さん、初産はどのような出産でしたか?

妊娠中に思い描いていた出産よりも過酷なものではありませんでしたか?

よく「出産の痛みなんてもう忘れちゃった」とおっしゃるお母さんもたくさんいると思うのですが、私は長男を産んだ後「この強烈な痛みは絶対に忘れられない!もう絶対に次はない!」と固く決意したほどでした。

それまでは漠然と子供は2人くらい欲しいなと思っていたのですが、出産後はあの痛みがトラウマとなり、なかなかもう1人産みたいという気持ちにはなれませんでした。

そんな私ですが、今は4学年差の兄妹を育てています。

2人目に踏み切れたのは無痛分娩という出産方法を選択したからです。

もちろん初産から無痛分娩で出産されている方は、そのメリットはご存知と思いますが、私はあえて自然分娩を経験された方で出産後にトラウマを持ってしまった方にこそ、無痛分娩という選択肢があることを声を大にして伝えたいと思います。

自然分娩の思い出

何がそんなに痛かったか、なぜ、もう二度と産みたくないとまで思ってしまったのでしょうか。

まず陣痛がきておなかが痛い、さらに陣痛がピークになると腰が痛い、割れそうに痛い。さらに、元気すぎる男の子で産まれるその瞬間まで胎動がすごかったのです。陣痛が過ぎたと思ったらドンドコ蹴られる。思わず「お願いだから動かないで」と話しかけましたが効果はありませんでした。

その陣痛の下腹部の痛み、腰の痛み、ドンドコ胎動の痛みが丸2日でした。

そして極め付けは会陰の痛み。なんと医師がちょうどいないタイミングだったので切開してもらえませんでした。会陰がこれ以上広がらない感覚はなんとなくわかっていて、いざ赤ちゃんを出すその瞬間は会陰が切れてしまう痛みで「いたーい!」と叫びながらの出産でした。

産まれた息子を見て、先生も助産師さんも「この大きさよく頑張ったねー」というほど身長も体重も立派なビッグベビーだったからか産後の身体はボロボロ。

陣痛中はずっと全身に力を入れていたため、出産翌日は頭から足まで筋肉痛、グリップを握りしめ過ぎていた手は力が入らず、骨盤はグラグラ、骨盤ベルトでサポートをしないと歩けないという始末。

出産の痛みは壮絶と聞いてはいたものの、これほどまでとは、そして産後も痛みが続くとは想像以上に過酷なものでした。

結局、出産の間は始終「痛い」という言葉で頭がいっぱい。早く終わってくれと願うばかりで、赤ちゃんを思いやってあげる余裕もありませんでした。

計画無痛分娩の過程

朝、息子は幼稚園へ、夫と私は病院へ。

9時に入院開始で促進剤を使い始める。

10時半頃からバルーンで子宮口を広げる、特にひどい痛みはなし。

痛みがピークになったら硬膜外麻酔をしようとのこと。

陣痛は来ているけど特につらい痛みなし。

痛そうじゃないけど、もう入れようかと麻酔を入れてもらう。

バルーンも外し、順調に子宮口も広がる。

しかし、そこからなかなか子宮口が広がらない。

息子が幼稚園から帰り、自宅で実父と待機。

17時やっと子宮口が全開に近くなる。おしりの下の方にものすごい圧迫感があるけど痛くない。

赤ちゃんがすぐそこまで来てるなという感覚をしっかり味わう。

分娩台に上がっても、とても冷静で助産師さんと会話しながら、いきみ方を指示してもらう。

正直こんなものでいいのというくらいの力の入れ方のいきみ数回で無事産まれる!

産まれた後に息子を呼び新生児室で対面。

これはあくまでも私の入院した病院、私個人のお産の進み方になりますので、ひとつの参考程度に捉えていただければと思います。しかしこれだけは言えます、こんなに穏やかにおなかの中の赤ちゃんを感じながら、お産ができたことは本当に幸せでした。

無痛分娩で目から鱗

無痛分娩を2人目以降出産のお母さんにこそ考えてもらいたいのには、いくつかの理由があります。

<計画無痛分娩なら上の子の対応をあらかじめ準備しておけること>

病院により24時間いつでも無痛分娩に対応しているところ、あらかじめ予定を決めて入院し促進剤などを使って無痛分娩を行うところがあります。

私は24時間対応の病院でしたが、結局、計画無痛分娩で出産しました。入院する日が決まると上の子をどこで誰に預けるのかを考えておけるので、とても助かります。陣痛が来たのが夜だったら、上の子が幼稚園などに行っている時間だったらなど、様々なケースを考えなくて良いのです。

上の子を突然不安にさせることなく「この日に入院して赤ちゃんが産まれるからね」と言っておけるのも、良い点だと思いました。

<産後の回復が早いこと>

身体に力が入ったのは分娩台でいきんだ20分程度のみでしたので、身体の疲労も本当に少なかったですし、翌日の筋肉痛ももちろんありませんでした。やはり陣痛に耐えて消費するパワーは凄まじかったのだと痛感しました。

また経産婦ということもあったのか、落ち着いていきむことができたからか、会陰が切れることもなく、骨盤のぐらつきも今回はありませんでした。

産後は休まなければならないですが、上の子がいるとどうしても家で動かなければならないですよね。その点で産後の回復が早いかどうかは2人の子供を里帰りせずに育児をする母としては死活問題です。

<いきみ方を身体が覚えていること>

麻酔が効いて痛みがなくなった時、ちゃんと良いいきみ方ができるかな?と不安になりました。

しかし、そこは経産婦。助産師さんの指導の元、どのタイミングで身体のどこに力を入れたら良いかがなんとなく分かるのです。初産での無痛分娩よりも、スムーズに出産できるかもしれません。 2人目に踏み切るには、色々な壁がありますが、もし私のように痛みのトラウマから2人目をためらっているお母さんがいるなら無痛分娩に頼ってもいいんだよと言いたいです。出産方法を選ぶことができるのはお母さんの権利だと思っています。色々調べて自分に合ったお産ができますように。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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