辛い!!妊娠後期の胸やけ(後期つわり)の対処方法

<妊娠後期にまたつわり!?>

妊娠後期(妊娠8カ月〜)の胸やけは、子宮が胃を圧迫することが原因で起こります。

妊娠後期になるとおなかがかなり大きくなっているので、子宮の上の部分がみぞおちのあたりまで上がってきています。胃が持ち上げられたことにより、胃液が食道に流れやすくなり、気持ち悪さや吐き気などの症状を起こすことがあります。また、赤ちゃんの成長にあわせて大きくなった子宮が胃を圧迫し、食べ物の消化に時間がかかってしまうことも原因と考えられています。

さらに、慣れない妊婦生活による睡眠不足や体の不調によりストレスが溜まることで、神経性胃炎になる場合もあります。この妊娠後期の胸やけは「後期つわり」と呼ばれ、胸やけや胃もたれ以外にも腰痛、頭痛、肩こり、便秘、眠気など様々な症状が現れることがあります。「ようやく初期のつわりが終わったと思ったら今度は後期つわりで胃痛が…」と辛い気持ちになる人もいるかもしれません。

しかし、妊娠後期の胸やけは臨月(妊娠10カ月)に入り赤ちゃんが子宮口の方へ下がっていくと、落ち着いてくる場合があります。また、妊娠後期の胸やけには、胃薬を処方してもらえることもあります。

もし、胃痛が辛い場合には、合併症を起こしている可能性もあるため、無理せず主治医の先生に相談してみましょう。「妊娠中は薬には頼りたくない…」という方も様々な対策を取ることで胸やけを軽減することができます。今回はその方法をご紹介いたします。

<胸やけを和らげる生活習慣とは>

まず、胸やけや胃もたれを少しでも和らげるためには、食事を少量ずつ分けよく噛んで食べることが大切です。一度に沢山の食事をとると大量の胃酸が分泌され、胃を刺激することになります。また、消化するまでに時間がかかってしまい、胃に負担をかけることになります。満腹も良くないですが、空腹も胃酸による胃痛を起こしやすいため、食事はこまめにとるように心がけましょう。3食の食事は控えめに、腹持ちの良いおやつを食べると良いでしょう。軽食を1日5~6回とるイメージです。

水分もこまめにとった方が良いのですが、消化を妨げないようになるべく食事の時間は少なめにし、時間をずらしてとると良いでしょう。食前30分、食後3時間は大量に水を飲まないようにしましょう。また冷たい水を一気に飲むと胃に負担がかかり胃痛を引き起こす原因になります。できるだけ常温の水や白湯などを飲みましょう。

次に、胃に負担がかかりにくい食事をとることが大切です。胃に負担がかかりにくい食べ物には、うどん、鶏ささみなど脂身の少ない肉、白身魚、豆腐、卵、バナナ、りんご、ヨーグルトなどがあります。香辛料(カレー粉、唐辛子など)、繊維の多い野菜や果物(きのこ類、ごぼう、たけのこ、梨、海藻類など)、油脂分の多い食材(バター、バラ肉、ベーコンやソーセージなどの加工品、ナッツ類など)、消化に時間のかかる食材(タコ、イカ、貝類など)は胃を刺激するので控えるようにしましょう。柑橘類は爽やかな香りで食欲を刺激し、つわりの時には食べやすいように思われがちですが、胃酸の分泌を刺激するので注意が必要です。

また、寝る姿勢によっても胃痛が軽減できると言われています。仰向けになると重力によって胃が圧迫されやすく胃酸も逆流しやすくなります。上半身を少し起こして半座位の姿勢で寝ると胃痛になりにくいようです。なお、寝ている間は消化が進まないため、就寝前3時間はものを食べないように心がけましょう。食後すぐに横になるのもやめましょう。

<私の後期つわり体験>

私も第3子の長女を妊娠中、妊娠後期の胃痛に苦しみました。長男と次男の時にはつわりも妊娠後期の胃痛もほとんどなかったので、初めての本格的なつわりに苦しみました。

妊娠初期のつわりをやっと乗り越えたと思ったら妊娠7カ月で突然やってきた謎の胃痛!満腹でも空腹でも気持ちが悪く、いつも酸っぱいものが喉に上がってきている感じでした。「後期つわり」という言葉もこの時初めて知りました。横になるとさらに胃が圧迫され夜も眠れない状態に…。

産婦人科で相談し、胃薬を処方してもらいました。常に胃薬が手放せない状態で胃痛がない時にも習慣的に薬を服用し吐き気や痛みを防ぐようにしていました。

そして前述のような対処法を実践しながらなんとか日々やり過ごしていました。

その時病院で言われたのは「出産が近づいて赤ちゃんが下りてきたら胃の圧迫もなくなる」ということと「出産すれば必ずなくなる一時的な胃痛だ」ということでした。「この胃痛は赤ちゃんが元気に育っている証拠で、もうすぐ赤ちゃんに会えるというサインだ。あと少しの辛抱だ!」と毎日自分に言い聞かせていました。

9カ月に入ると本当に胃の圧迫がなくなり胃薬なしでも胃痛が起こらなくなりました。

こうして長かった1カ月半の妊娠後期の胃痛は無事になくなり無事出産を迎えることができました。

<まとめ>

 妊娠後期の胸やけは妊婦さんにとって身体的にも精神的にも辛いことと思います。

しかし、この胸やけはおなかの中の赤ちゃんの成長によって起こるものです。赤ちゃんが順調に育っている証拠だと前向きにとらえ、食生活などの対策をしながら出産を迎えるその日までお身体を大切に無理せず過ごしましょう。

皆様の出産が素晴らしいものになりますように、心からお祈りしています。

<胃にやさしいとっておきレシピ>

最後に、管理栄養士による胃にやさしいとっておきのレシピをご紹介いたします。

豆腐と豚肉のすりおろしレンコン雑炊

材料(1人前)

 ごはん    100g

 豚肉薄切り  30g

 木綿豆腐   50g

 レンコン   50g

 ほうれん草  20g

 卵      1/2個

 だし汁    300ml  醤油     お好みで

作り方

 レンコンはすりおろしておきます。

 ほうれん草はやわらかく茹でておきます。(そのまま使える冷凍野菜でもOK)

 お鍋にだし汁、豚肉、木綿豆腐、すりおろしたレンコンを入れ火にかけます。

 豚肉に火が通ったらごはんを入れ3分程煮ます。

 ごはんが柔らかくなったら茹でたほうれん草と溶き卵を入れます。

 醤油で味を整えたらできあがりです。

ポイント

豚肉は脂身の少ないもも肉を選ぶと良いでしょう。鶏ささみもおすすめです。

繊維質の多いレンコンですが、すりおろすと消化が良くなります。レンコンに含まれるムチンという成分は消化を助け、胃の粘膜を保護してくれます。また抗ウイルス作用もあり免疫力を高めます。大根おろしのような特有の香りもないのでにおいに敏感な妊婦さんにも食べやすいと思います。

体も心もぽかぽかになる胃に優しいレシピぜひお試しください!

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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