「妊娠は病気ではない」なんてよく言われますが、突然陣痛がきたら、無事に病院までたどりつけるのか不安ですよね。
中には近隣に産婦人科がなく、病院まで1時間以上かかる!というママもいるのではないでしょうか。出産は始まってみないと分からないものですが、
「お産の進みが早かったら?」
「万が一、車の中で産むことになってしまったら?」
と考えると、とても心配になりますね。
そこで今回はいざ陣痛が来た時、
■救急車を呼んだら非常識なの?
■病院に行くためのおすすめ移動手段
■妊婦さんが救急車を呼ぶべきケース
について考えてみたいと思います。
もうすぐ出産で、「いざ陣痛が始まったときにどう動いたら良いのか不安…」という人は、ぜひ参考にしてください。
陣痛で救急車を呼んだらダメなの?
一般的に、陣痛や破水だけでは、すぐに救急車を呼ぶ必要はありません。
個人差はありますが、陣痛が来たり、破水をしても、ほとんどの場合、すぐに赤ちゃんが生まれるわけではありません。産婦人科でも陣痛が来たら、まずは産婦人科に電話をして、家族に運転してもらって、車で来院するか、タクシーを呼んでくださいと言われることが多いのではないでしょうか。
妊婦さんが絶対救急車を呼んではいけないという決まりはありませんが、救急車はあくまで緊急性の高い人のためのものだと考えましょう。
陣痛がきたら、どうやって病院に行く?おすすめ移動手段
いざ陣痛がきたとき、病院まではどのような移動手段が良いのでしょうか?
1.家族に運転してもらう
自家用車がある場合は、家族に運転してもらって病院に行くのが安心です。また陣痛はいつ来るかわかりません。スムーズに移動ができるよう、平日・休日・昼間・夜間などシチュエーションに合わせて、どのように移動するか事前に話し合いをしておきましょう。
2.タクシー(陣痛タクシー)を利用する
タクシーはいつでも手配できて、自家用車がない場合や、家族が仕事などですぐに対応できない場合も安心です。
特に「陣痛タクシー」は、出産を控えたママを病院へ送ることを目的としていて、妊婦さんの強い味方です。
ただし陣痛タクシーは、陣痛が来たら、すぐに誰でも利用できる!というわけではありません。事前に出産予定日や分娩予定施設などを登録しておく必要があります。陣痛タクシーを利用するためには、遅くとも臨月までには事前登録をしておきましょう。
また陣痛が来たら、すぐに陣痛タクシーを呼ぶのではなく、まずはかかりつけの産婦人科に電話してから、陣痛タクシーを呼ぶようにしましょう。タクシーが到着するまでに家族に連絡したり、入院のための荷物を用意しておくことも大切です。
陣痛のとき避けるべき&NG移動手段
陣痛が始まったときに、避けた方が良い&絶対NGの移動手段もあります。
1.バスや電車などの公共交通機関
電車やバスなどの公共交通機関は、妊婦さんの体調によって柔軟な対応ができないため、避ける方が良いです。
2.自分で車を運転する
絶対にやってはいけないのが、陣痛がやってきた時に自分で車を運転して移動することです。痛みが強くなって運転ができなくなることもありますし、何より危険です。
万が一事故を起こしてしまったら、ママもおなかの赤ちゃんも危険ですし、周りの人を巻き込んでしまうことにもなります。くれぐれも陣痛中の運転はしないようにしましょう。
3.徒歩
歩くと陣痛を促進する効果があるので、絶対に避ける方が良いとは言い切れません。しかし、途中で破水したり、陣痛が強くなって動けなくなってしまうこともあるため、病院が遠い場合には徒歩は避けた方が安全です。
妊婦さんがすぐに救急車を呼ぶべきケース
基本的に陣痛・破水で救急車を呼ぶ必要はありませんが、症状によってはただちに救急車を呼ぶべきケースもあります。
1.下腹部に激痛を感じる・大量出血している場合
下腹部に激痛や大量出血がある場合、常位胎盤早期剥離の可能性があるため、すぐに救急車を呼びましょう。胎盤は通常、お産が終わると自然に体外に出てくるものです。
しかし常位胎盤早期剥離はお産前に胎盤が剥がれてしまい、激痛や大量出血を伴ううえ、ママも赤ちゃんも危険な状態に陥ってしまいます。
常位胎盤早期剝離は、妊娠高血圧症候群などの妊婦さんがなりやすいと言われています。しかし、今までの健診で何の異常もなかった妊婦さんがなることもあります。
2.動けないほどの頭痛がある場合
妊娠後期になると、妊娠高血圧症候群のリスクも高まります。妊婦さんの血圧が異常に高くなってしまう症状で、母子ともに危険が高くなります。異常な頭痛に襲われた場合は、血圧が急激に上がっている可能性もあり、救急車を呼ぶ必要があります。
これは私の知人の話ですが、予定日も近づき、いよいよ出産という日の朝。今まで経験したことのない頭痛に襲われ目を覚まし、何かおかしいと思い、慌てて産婦人科に電話したそうです。
家族に付き添ってもらい、やっとのことでかかりつけの産婦人科に到着。先生に診てもらったところ、血圧がかなり高くなっており、ママも赤ちゃんもとても危険な状態だったということが分かりました。
助産師さんが救急車を呼び、先生も一緒に救急車に乗ってNICUのある大きな病院に搬送されました。幸い血圧は下がり、予定日間近ということもありタイミング良く陣痛も来たそうで、無事お産をすることができたそうです。今まで妊婦健診で血圧が高い数値だったということもなかったため、とても驚いたと話していました。
3.その他緊急性がある場合
・台風や大雪で、タクシーや自家用車が使えない
・陣痛の進み方が非常に早い(特に経産婦さん)
・陣痛がどんどん強まっているのに、渋滞で車が動かない
などケースバイケースですが、緊急性が高いと判断される場合は救急車を呼びましょう。しかし救急車を呼ぶべきなのか、ママ自身で判断がつかないこともあるでしょう。救急車を呼ぶべきか迷ったときは、まずはかかりつけの産婦人科や、24時間体制の救急電話相談ダイヤル(#7119)に連絡をして状況を説明し、指示を仰ぎましょう。
陣痛で救急車を呼んだら、費用はどのくらいかかる?
救急車の利用料は基本的には無料ですが、
・緊急性が低いと判断された場合
・搬送先が200床以上の病院の場合
は「特定療養費」(医療機関によって異なるが800円前後)が発生する場合があります。
自治体によっては救急車を呼ぶ妊婦さんへの支援も
自治体によっては、妊婦さんに母子手帳を交付する際、消防署に妊婦さんの住所や出産予定施設などを登録する仕組みをとっている場合もあります。
万が一救急車を手配する必要があった場合も、あらかじめ消防署に妊婦である情報が登録されているので、適切な対応をとってもらえる可能性が高まります。
まとめ:いざ陣痛が来ても焦らないために
大切なのは、いざという時にパニックにならないため、いざ陣痛が起きたら、どのように病院へ向かうか考えておくことです。陣痛が起こる時に、必ずしもご主人や家族が一緒にいてくれるとも限りません。自宅に一人でいる時、夜中眠っている時かもしれません。陣痛や破水がどのような時に起こっても良いように、前もって移動手段を考えておきましょう。
産婦人科が遠方にしかない!という方は、かかりつけの産婦人科で、陣痛が起こったらどのように病院まで来たら良いのかも相談してみてください。陣痛が来た時どうするのか、他にも注意すべき点など、個別に相談にのってもらえると思います。
また陣痛が起きたり、破水すると妊婦さん本人は冷静でいられないこともあります。家族にも陣痛が来たら、破水してしまったらどうするのかを一緒に確認しておくと心強いですね。
チャンスは出産時の一度きり。赤ちゃんの将来の安心に備えるさい帯血保管とは
うまれてくる赤ちゃんのために、赤ちゃんがおなかにいる今しか準備できないことがあるのをご存知ですか?
それが「さい帯血保管」です。
さい帯血とは、お母さんと赤ちゃんをつないでいるへその緒を流れる赤ちゃん自身の血液のことです。この血液には体のさまざまな種類の組織の元になる「幹細胞」と呼ばれる貴重な細胞が多く含まれており、これが神経や骨、筋肉などの細胞になったり、障害が起きている場所の炎症を鎮めるはたらきがあることが分かっています。
現在十分な治療方法のない脳性麻痺等の中枢神経系疾患や、自己免疫疾患、自閉症スペクトラム障害等に対する再生医療・細胞治療での利用の可能性が注目されています。
このさい帯血は、赤ちゃんやご家族の万が一の備えとして長期にわたって保管することができます。さい帯血を採取できるのは、出産時のわずか数分間です。血液の採取というと、痛いイメージがありますが、さい帯血の採取はママや赤ちゃんに痛みはなく安全に行うことができます。
民間さい帯血バンクなら、赤ちゃん・家族のために保管できる
さい帯血バンクには、「公的バンク」と「民間バンク」の2種類があり、公的バンクでは、さい帯血を第三者の治療のために寄付・保管されます。
一方民間バンクでは、赤ちゃん自身やそのご家族の将来のために保管します。治療法が確立されていない病気に備える保険として利用できるのが、この民間さい帯血バンクです。
ステムセル研究所にさい帯血を保管する方の多くは、高品質で安全に保管できるという点に注目してくださっています。
<ステムセル研究所の強み>
・民間さい帯血バンクとして国内マーケットシェア約99%
・世界基準の品質と安全性の指標とされるAABB認証を取得
・ISO9001認証とプライバシーマークを取得
・国内最大級の細胞保管施設
・厚生労働省(関東信越厚生局)より特定細胞加工物製造許可を取得
・2021年6月東京証券取引所に株式を上場
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さい帯血を保管した人の声
■出産の時だけのチャンスだから(愛知県 美祐ちゃん)
「さい帯血を保管しようと決めたのは、妊娠8ケ月の時でした。最初の病院では、民間バンクは確証がないということで断られました。でも、そんな考えであきらめていいのかと思い、他院への転院を決意。3軒目の病院で婦長さんが話を聴いてくださり、先生と相談した結果、無事採取保管となりました。
採取できるチャンスはたった1回だけ。将来、医療技術が進歩した時に後悔しないためにも、採取保管できて本当に良かったと思います。今後、さい帯血が多くの人に理解され、官民問わず必要とする人々が有効に利用できるようなシステムになっていくことを望みます。」
■さい帯血が本当の希望になりました(東京都 M・Y様)
「私の子どもはウィルス性の病気から脳の一部が機能障害となりました。万が一に備えて保管しておいたさい帯血。
治療に効果があると知り、現在は移植治療に向けて準備をしているところです。まさか使うことになるとは思わなかったし、使わない方が良かったのですが、一生に一度きりのさい帯血を保管しておいて良かったと心から思います。」
※ほかの保管者のから声はこちら
さい帯血保管は、赤ちゃんへの「愛」のプレゼント。
心も体も出産に向けた準備をしながら、赤ちゃんに会えるまでのもう少しの期間、ぜひ幸せな気持ちで過ごしてくださいね。
▼さい帯血保管について、もっと詳しく
この記事の監修者

坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー