妊娠後期の頭痛!その原因は?

とてもつらい症状のひとつ、頭痛。

妊娠中、頭痛が続くと心配になりますよね。

頭痛薬を飲むのも、赤ちゃんへの影響が気になるし、どう対処すればいいか悩まれているママもいるのではないでしょうか。

妊娠後期における頭痛には、運動不足や、ホルモンバランスの変化、ストレスなど、いくつかの要因が考えられます。あらかじめその要因を知っておけば、予防や対策も取りやすくなるはずです。

今回は、3つのタイプに分けて解説します。

自分の頭痛はどのタイプにあてはまるかを考え、気になるようであれば、産婦人科医に相談してみるとよいでしょう。

1、貧血

頭痛にはさまざまな原因がありますが、貧血を原因とする頭痛は女性に多くみられます。

特に妊娠中は、赤ちゃんに栄養を送り込むために、母体をめぐる血液の量を増やそうと一時的に血液が薄まったような状態になります。妊娠中に起こる貧血のほとんどが、この鉄欠乏性貧血と言われていて、鉄が不足することによって赤血球の流れが悪くなり、体に十分な酸素が行き渡りにくくなります。

たくさんの酸素が必要となる脳で酸素不足になると、頭痛やめまいなどが症状として現れてきます。妊娠後期になると貧血が進行しやすく、その分、頭痛も起きやすくなってしまうのです。

また、貧血状態であることは、母体はもちろん、おなかの赤ちゃんにも影響が出てしまう恐れもあり、注意が必要です。

赤ちゃんは羊水の中にいるため、子宮中に流れている血液の中の酸素を胎盤やへその緒を通して取り込みながら呼吸しています。つまり、母体が貧血状態に陥り、酸素が不足すると、赤ちゃんも十分な酸素を取り込むことができなくなってしまいます。そのため、重度な貧血の場合は、産婦人科医の適切な判断のもと、鉄剤による治療が必要になる場合もあります。

2、ホルモンバランス

妊娠初期から中期にかけての頭痛や肩こりの症状の場合は、ホルモンバランスが関係していることもあります。

女性は妊娠すると女性ホルモンの1つである、黄体ホルモンが大量に分泌され続けるなど、ホルモンのバランスが妊娠前と比べて大きく変化します。

この変化は、自律神経にとても大きな影響を及ぼします。自律神経がうまく機能せず、血管の拡張や収縮が乱れてしまうと、生理前の頭痛と同じような痛みを感じたり、また肩こりや首のこりを生じ、頭痛につながる場合もあります。

3、緊張性頭痛

頭痛の中には「緊張性頭痛」と呼ばれるものもあります。

感じ方は人それぞれですが、後頭部にギューッと締め付けられるような痛みを感じる人が多いようです。

主に、運動不足や睡眠不足、また長時間の悪い姿勢、または精神的なストレスが起因となるといわれています。また、頭痛のほかに、肩や首のこり、めまい、全身の倦怠感などを感じることもあるようです。

妊娠後期になると、外出に慎重になることで運動不足になってしまったり、大きくなった子宮に膀胱が圧迫されることで、排尿回数が増え、夜しっかり眠ることができないということもあります。

また、初めての妊娠であれば、特に出産や育児に対しての不安、それがストレスとなることもあるかもしれません。

緊張型頭痛での痛みの原因は、血管の収縮によって生じる血行不良です。血液の流れを促してあげるために、お風呂に入ったり、適度な運動やマッサージなどをすると、凝りがほぐされ痛みが和らぐことも多いでしょう。

また、緊張型頭痛の誘因となる精神的ストレスを解消していくことも大切です。

不安や悩みがあれば、周囲の人や産婦人科医に相談することも1つの方法です。ただし、片頭痛を併発している場合は、体を動かしたり入浴をすることで、逆に痛みが増してしまうこともあります。症状がつらい場合は、早めに受診すると良いでしょう。

まとめ

妊娠後期になると、鉄分の需要はとても重要になり、その分貧血状態に陥ってしまう妊婦さんも多くいます。

妊婦さんの貧血の多くが「鉄欠乏性貧血」であることを踏まえると、鉄分の積極的な摂取が有効な予防法となります。

鉄分の多い食品をなるべく多く摂ることで、貧血になることを防いだり、また貧血になったとしても軽度にとどめることができるようになります。

具体的には鉄分の多いレバー、豚・牛もも肉など、肉類全般は、血色素の産生に欠かせない良質なタンパク質も多く含んでいるので、特に妊娠後期には上手に取り入れると良いでしょう。

また、ビタミンCは鉄の吸収をよくすると言われています。ビタミンCがたっぷり含まれる果物や、緑色野菜を合わせたメニューにすると効率的です。

また、重度な鉄欠乏性貧血と診断された場合は、鉄剤による治療が行われることもありますので、いずれにしても自己判断ではなく、受診するようにしましょう。

運動不足だと思ったら、適度なストレッチやエクササイズを取り入れたり、ストレスを感じたら、リラックスしてお茶を飲んだり、身近な人とお話してみるなど、ちょっとした工夫をするのも良いですね。

症状が起きたら無理をせずに休み、少しでも早く治まるよう、ストレスを減らす工夫をして、大事にお過ごしくださいね。

参考文献

・「産褥期の概要 」(MSDマニュアル家庭版)

・「病気がみえる vol.10 産科」

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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