出産への恐怖を和らげてくれた無痛分娩という選択

私が無痛分娩にしようと思ったきっかけ

学生時代に授業で自然分娩の映像を見てから、出産に対して「怖い」や「痛い」というイメージが先行するようになってしまい、出産自体に対してもあまり良いイメージを持てなくなっていましたが、無痛分娩という分娩方法があると知ってから、もし出産する機会があれば絶対に無痛分娩を希望しようと決めていました。

妊娠が分かり出産をする産婦人科を探す時に、無痛分娩を行っていることを第一条件として探したところ、自宅から通える範囲で数件見つかったのでそれらのホームページを熟読し、医師がいるタイミングでは可能という産婦人科ではなく、計画無痛分娩ができる産婦人科を選びました。

無痛分娩での出産の流れ

妊娠3カ月に入り分娩の予約を取る段階で先生に無痛分娩を希望する旨を伝え、8カ月頃には麻酔科の先生と個人面談で無痛分娩の流れやリスクを説明してもらいました。普段、健診の時に麻酔科の先生と会うことがなかったので、この個人面談で事前に先生と顔を合わせることができたことは安心に繋がりました。

おなかの中の赤ちゃんの成長度合いから、予定日数日前に分娩日を決めました。普段仕事で忙しい主人も事前に分娩日を決めてもらえたことで、仕事の休みを取ることができ、出産に立ち会うことができました。

分娩日の前日に入院し、当日スムーズに麻酔が入れられるように背中の方に管を通すという処置をしてもらいました。これが結構痛いと聞いたことがあったので少し緊張しましたが、私はそんなに痛いとは感じませんでした。その後、私の場合はまだ子宮口も全然開いていない状態だったのでバルーンを入れてもらい、それからは普通においしい夕食を食べたり、テレビを見たりしながら過ごしました。

分娩当日の翌朝7時から促進剤を打ち始め、痛みが強くなった時点で麻酔を開始してもらいました。事前に麻酔開始後は食事をとることはできず、飲み物も水のみ可能になると言われており、子宮口の開き具合から分娩の日程が翌日にずれ込むかもと先生に言われたので、合間に何か口にできた方が体力も持つと思い、できるだけ痛みに耐えようと思っていました。正午ごろに麻酔をお願いし、麻酔開始から30分で痛みがほぼ消えリラックスして会話をしたり、テレビを見たりしながら過ごしました。結局は当日夕方5時過ぎには出産したのですが、この麻酔をお願いしてから効き始めるまでの30分が私の出産の中で一番長く感じた時間でした。痛みがどうしても怖い場合は、限界まで耐えずに少し早めに麻酔開始をお願いすると良いと思います。

少し話が前後しますが、麻酔開始後に痛みが強くなった場合はある程度の間隔を保てば自分で麻酔の量を調節することができるため、学生時代に見て脳裏に焼き付いていた自然分娩で痛みに苦しんでいた妊婦さんとは全く違う出産だなとしみじみ感じる余裕さえありました。

痛みで体が強張らなかったのも良かったのか、麻酔を開始してからあっという間に子宮口も開き、初産だったにも関わらず約7時間のスムーズな出産でした。 産後の処置をしてもらい、その後はおいしいお祝い膳をいただきました。夜になり10時過ぎた頃から痛みが徐々に始まり眠れない程の痛みになったのですが、そこはさすがに出産という大仕事を終え身体が疲れていたようで気づけば朝になっていました。それからは処方してもらった痛み止めを6時間間隔で飲みながら回復を待ちました。この6時間の間隔もとても長く感じました。陣痛・分娩の痛みで疲弊していたら、この産後の痛みも更につらいものとなっていたと思います 。

無痛分娩を希望される方へお勧めしたいこと・気をつけてほしいこと

今までに書いた内容と重複する点もありますが、無痛分娩を希望される方にお勧めしたいことはこの2点です。

①ご自身が希望する無痛分娩、計画無痛分娩ができる産婦人科を選ぶこと

②麻酔開始は痛みの限界まで待たないこと(効き始めるまでの時間を知っておくこと)

*子宮口の開き具合も関係しますので、産婦人科の先生に相談してくださいね。

無痛分娩を選んで良かったと思う私が感じたデメリットとしては以下です。

①費用面ではプラスでかかる場合が多いこと

②産後の入院の期間が短くなる可能性があること

出産する産婦人科にもよるかと思いますが、私の場合、通常のお産費用プラス10万円で無痛分娩にできました。気軽に払える金額ではないのですが、出産への恐怖を軽減させてくれたこと、主人も立ち会えたこと、出産当日の和やかな陣痛室の雰囲気を思えば、価値がある10万円だったと思います。 産後の入院期間に関しても、絶対短くなるという訳ではないと思いますが、私の場合は計画無痛分娩で前日の一泊も入院期間のうちの一泊というカウントになったので、産後の母乳教室、調乳教室、沐浴教室などが自然分娩をされた方よりタイトスケジュールで組まれており、ゆっくり過ごせる時間がとても少なかったです。

無痛分娩を選択するか悩んでいるあなたへ

最後に、私の場合は自分自身も主人も親族も周りの仲の良い友達も無痛分娩に理解があり、当たり前の選択として無痛分娩を希望することができました。ただ、「痛みを経験してこその母親」「痛みを感じることで子どもの大切さを感じる」という概念を持っている人もいます。私自身そういう人からの言葉で嫌な思いをしたこともあり、それからは無痛分娩の予定です、無痛分娩で出産しました、と人に言うことを避けるようになりました。

無痛分娩で出産した私も、自然分娩や帝王切開で出産された他のお母さんたちと同じように子どもを愛しています。無痛分娩を本当は希望したいけど、しづらいと思っている方の目に、無痛分娩して良かったと思う私の声が届くといいな、と思っています。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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