2021年5月21日
陣痛・出産

陣痛を知ってポジティブにお産に臨もう!

 

陣痛のメカニズムを知ろう!

妊娠が発覚して、その後の悪阻や体調不良を乗り越え、いよいよお産が近づいてくると陣痛への不安が日々大きくなってしまいますよね。昔から「鼻からスイカを出す痛み」や「男性には耐えられない痛み」等とよく言われていて、陣痛に対して不安や怖いといったネガティブなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?

陣痛は何故、どんな目的で起こっているかを考えると、そのネガティブなイメージも少し変わるかもしれません。

陣痛とは、簡単に言うと子宮の収縮によって起こるおなかの張りや痛みのことです。おなかの中で育った赤ちゃんが外の世界に出てくるのをお母さんが手伝ってあげている、いわば共同作業です。かわいい、かわいい我が子に会うまでの道のりの一つだと考えてみると、少し見方が変わってくるでしょう。もちろん痛みが消えるわけではありませんが、その陣痛の痛みが我が子に会える瞬間に近づいている証拠だと思うと、同じ痛みでもよりポジティブな受け止め方ができると思いませんか?

陣痛が来るのが怖い!と不安になってしまった時には、その先に待っている我が子との初対面の瞬間を思い浮かべて気持ちを楽にしてくださいね。

 

陣痛の種類

陣痛と聞いて多くの方が分娩台の上でいきんでいる妊婦さんの様子を思い浮かべると思います。その光景も陣痛の一種で間違いありませんが、実は陣痛には他にも種類があります。

前駆陣痛・本陣痛・後陣痛という3種類の陣痛があり、読んで字のごとく前駆陣痛と本陣痛は出産前や出産の間に起こる陣痛で、後陣痛は産後に起こる陣痛です。

前駆陣痛は主に妊娠後期以降から起こる陣痛で、本陣痛のように定期的に10分間隔で起こるものではなく、不定期で生理痛やおなかを壊した時のような痛みを感じます。早い人では妊娠中期にもこの前駆陣痛を体験する妊婦さんもいるようです。一方で、前駆陣痛は感じなかったという妊婦さんも多くいらっしゃいます。

本陣痛というのが多くの方がイメージされる陣痛のことで、10分間隔、5分間隔といったようにお産に近づくにつれて、その間隔が短くなり、それにつれて痛みも大きくなっていく陣痛です。本陣痛に関しては、前駆陣痛とは違い、痛みを感じなかったという方はほぼいらっしゃらず、程度はあるにせよ、出産される方は感じる痛みです。

出産後に起こる後陣痛は赤ちゃんが外の世界に出るのを手伝うための陣痛ではないのですが、メカニズムは同じで赤ちゃんをおなかで育てるために大きくなった子宮が元の大きさに戻るために収縮することで起こる痛みです。これも前駆陣痛のようにほとんど感じなかったという方もいれば、本陣痛ほど痛みは感じないまでも、出産後数日間痛みが続き鎮痛剤を処方してもらう方も多いようです。

本陣痛が起こったら・・・

3種類の陣痛の中でも、ほぼ全員が感じるという本陣痛。

痛みも他の陣痛よりも大きくなるので、実際に本陣痛を迎えた時にパニックにならないように本陣痛が起こってからの流れを知っておきましょう。

産婦人科の母親教室や助産師外来で「陣痛が10分間隔になったら病院に電話をする」等、入院までの流れの説明があると思います。こういう場合はどうしたら良いの?等、疑問に思うことがあれば、その場できちんと確認しておくと良いでしょう。

臨月に入ったら、いつそのタイミングが来ても良いように、出かける時は母子手帳や診察券等、すぐに病院に向かえるよう携帯しておくと安心です。運動不足解消の目的や赤ちゃんが早く出てこられるようにウォーキングをされる方も、携帯電話や母子手帳は常に持っておくことをお勧めします。私は万が一外出先で破水した場合に備えて、生理用ナプキンも1枚持ち歩くことを勧められました。

いよいよ入院のタイミングがきたら、入院用の準備品を持って病院に向かいます。送ってくれる人が不在の可能性がある場合は、事前に陣痛が起きた時のためのタクシーサービスに登録しておくと便利です。

病院に着いたら、先生や助産師さんの指示に従って、まずは陣痛室で子宮口が十分開くまで過ごします。いわゆる出産風景でイメージされる方が多い分娩台に乗っている時間より、この陣痛室で過ごす時間が長くなります。

産後のお母さんが出産にどれくらいの時間がかかったか話をされているのを聞いたことがあるでしょうか?どういう風に時間を計っているんだろう?と疑問に思ったことはありませんか?お産の始まりは本陣痛が10分間隔になった時と考えられています。そこから実際に赤ちゃんが産まれた時間までが分娩所要時間として母子手帳にも記載されます。

私の周りでは、あとどれくらいの時間で出産が終わるか分からないことが一番つらかった、という人が多く、私自身も同じ意見です。

一般的には、初産の方は時間がかかると言われていて12時間から15時間程度、長い人では30時間以上かかる人もいるようです。

経産婦さんの場合では少し短くなり、5時間から8時間程度と言われています。

もちろん骨格や赤ちゃんの大きさ等、色々な要素があるので、それよりも短くなったり長くなったりはありますが、一般的な目安として心に留めておくと、いつまで続くの?という不安の気持ちを和らげられますよ。

特に初産の場合は不安に思うことは誰にでもあります。いよいよ赤ちゃんに会える!と思って、ポジティブに楽しむような心構えでお産に臨んでくださいね!

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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