2022年1月31日
赤ちゃん

風疹について ~1歳のお誕生日に予防接種を! ママ・パパの抗体検査もご検討ください~

風疹は、よく「三日ばしか」ともよばれて、皮膚に発疹がでる代表的な病気です。
お子さまが発症される場合は、軽症の場合がほとんどといわれています。一方で、妊婦初期の女性がかかると、胎児に先天異常がおきることがあり、その点で「予防接種」が鍵となる病気ともいわれています。

それでは、風疹について詳しくお伝えしようと思います。

風疹について

1.風疹とは?

風疹ウイルスという名前のウイルスによる、全身の感染症です。飛沫感染で移り、2~3週間の潜伏期間があります。

2.風疹の症状とは?

・ややかゆみを伴う小さな赤い発疹が、顔や首あたりから出始めて、胸、腹、背中など全身に広がる
・37度から38度くらいの発熱
・耳の後ろのリンパ節が腫れる場合もある
・のどが赤くなる、目の充血がみられることもある

3.他に発疹が出る病気との違いは?

溶連菌感染症や、伝染性紅斑などの発疹と似ていますので、確実に診断するためには、血液を採取して、風疹抗体の有無を調べることになります。

4.風疹の治療は?

特別な治療をしなくても、安静にすることで。3~4日で自然に治ります。特効薬はありませんので、対症療法として、痛み止めなどの鎮痛剤を用います。

5.風疹にかかったときに、特に気を付けたいことは?

冒頭にも触れましたが、風疹は、子どもは軽い症状のことが多いようです。ただし、妊娠3カ月ころまでの妊婦が風疹にかかると、胎児に感染して、生まれてくる赤ちゃんに白内障や、心臓の異常(動脈管、心室中隔欠損症)、難聴などの障害が起こります。これらを「先天性風疹症候群」といいます。

妊婦さんが、風疹に感染した場合の胎児の先天異常の発生率は、妊娠初期に感染するほど高くなります。妊娠1カ月の女性が感染すると、50%以上の確率で胎児に異常が起きます。妊娠後の時間が経過するにつれて、頻度は低下していきますが、妊娠4カ月でも8%に起きます(下記データ)。

妊娠期間   先天異常の発生率
1~4週目     50%以上
5~8週目     35%
9~12週目      15%
13~16週目     8%
20週目以降    0%

従いまして、お子さまが風疹にかかったら、妊娠の可能性のある人や、妊婦さんには近づけないようにしましょう。

風疹の予防は?

風疹はワクチンで予防することができます。日本では、風疹と麻疹の混合ワクチン(MR)が2回義務づけられています。MRワクチンは、満1歳から2歳未満までの間に1回接種し、小学校就学前の1年間に2回目を行います。2回接種の理由としては、一人一人が確実にかからないようにする目的と、妊婦が感染することを極力減らして、胎児の先天異常を防ぐ目的があるからです。

予防接種のプランをご計画でしたら、1歳を過ぎたら、できるだけ早い時期に、1回目の接種を受けると良いですね。

また、最近大人、特に20代~40代の男性を中心に、風疹が流行しており、妊娠出産年齢女性への感染が波及しています。「先天性風疹症候群」を予防するため、各自治体では、妊娠を希望する女性やその夫、家族を中心に、風疹の抗体検査と、MRワクチンまたは、風疹ワクチンの助成を行っています。

筆者の夫も、昨年抗体検査を経て、ワクチンを接種しました。お子さまの通っている小児科で、大人の抗体検査をしてくれる場合もございます。もしご心配がございましたら、受診されるのがお勧めです。

予防接種のスケジュール管理について

風疹は、予防接種によって予防できる病気なので、予防接種をきちんと受けることが大切ですね。
さて、予防接種は、数々の種類、各々決められた回数を受けなくてはならないため、スケジュール管理が難しく、悩ましいところです。

まず、身近な強い味方は、「母子手帳」です。赤ちゃんの間は、成長の記録を記載したり、母子手帳を開いたりする回数も多いかと思いますので、その度に予防接種の覧をご覧になって、次に受けるべきタイミングを把握しておくのが、良いかと思われます。

また、最近では、「予防接種アプリ」で接種時期や回数を把握することもできます。お子さまの生年月日を登録すると、月齢に応じた推奨ワクチンの表示や、接種忘れ防止アラーム機能が利用できます。

もし、次にどの予防接種を受けたらいいのだろう?と分からなくなってしまった場合は、小児科を受診した際に、母子手帳をお持ちください。医師・看護師の方が助言してくださいます。

さいごに

風疹は、予防接種で防ぐことのできる感染症です。1歳のお誕生日の節目に、是非接種のスケジュールを組んでみるのはいかがでしょうか?
また、妊婦さんへの影響が心配される感染症です。お忙しいママ・パパとは思いますが、まずは抗体検査を、助成制度を利用しつつ、積極的にご検討されてはいかがでしょうか。

お子さまの健やかなご成長を、スタッフ一同お祈り申し上げます。

参考文献

北村享俊『すぐに引ける子どもの病気がわかる事典 小児科の専門医が、子どもの症状に応じて診断』成美堂出版、2004年8月10日

宮下守『症状からすべてわかる 子どもの病気の不安に答える本』講談社、2010年09月01日

横田俊一郎『NHKすくすく子育て 育児ビギナーズブック(2)病気』NHK出版、2010年2月26日

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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