「今は二人分の栄養が必要なんだから、二人分食べて良いのよ!」
一昔前、妊婦さんのいる食卓では、当たり前のようにこういった声が掛けられてきました。
しかし、時は「令和」。
いや、平成の頃には、すでに「妊婦さんは体重管理が重要」「過度な体重増加には注意」といった認識がスタンダードになっています。
「体重が増えすぎてしまったので、妊婦でも安心して体重を減らす方法を知りたい」
と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
逆に、
「つわりがひどくて、妊婦なのに体重が増えない」
と悩んでいる人もいるでしょう。
そこで、
■妊婦さんの理想の体重目安
■妊婦さんが、増えすぎた体重を減らす方法
■体重の増えない妊婦さんができること
などをご紹介します。
体重管理で悩んでいる妊婦さんは、ぜひ参考にしてください。
妊婦さんの体重が増えやすい理由
妊婦さんの体は、胎盤や羊水、赤ちゃん自身の重さ分で増えるのはもちろんですが、それ以外の要因でも体が太りやすくなっています。
それは、赤ちゃんを守るための皮下脂肪、出産時の出血を補うための血液量の増加など、ホルモンの働きによるものです。
妊婦さんの体重が増えすぎると、どんな影響がある?
しかし、「太りやすく」はなっているものの、「太りすぎ」てしまうと、出産や赤ちゃん自身にも悪影響が起こる確率が高くなります。例えば、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群の他、産道に脂肪がつきすぎて、出産時に赤ちゃんが下りてきにくくなるなど、さまざまなトラブルの原因となります。
妊婦さんの理想体重の目安
では、どのくらいの体重増加が理想的なのでしょうか?
厚生労働省では、元々の妊婦さんの体格に応じて4つの区分に分け、それぞれの望ましい体重増加量を提示しています。
◆Step1.まずは妊娠前の体重と身長から、BMIを求めます。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
例:妊娠前の体重が54kg、身長が160㎝だった場合
54(kg)÷1.6(m)÷1.6(m)=21.09
◆Step2.求めたBMIをそれぞれ次の4区分に当てはめます。
BMI18.5未満(低体重):推奨する増加量12~15kg
BMI18.5以上25.0未満(普通):推奨する増加量10~13kg
BMI25.0以上30.0未満(肥満1度):推奨する増加量7~10kg
BMI30.0以上(肥満2度以上):5kgまでを上限に個別対応
低体重、普通の区分にある妊婦さんは、1週間で0.5kg、1カ月で2kg以内の増加量を目安にすると良いでしょう。母体や赤ちゃんへの負担を考えても、緩やかに増加させていくことがポイントです。
妊婦が増えすぎた体重を減らす3つの方法
多くの妊婦さんが体重の増えすぎを避けるために、何らかの工夫をしながら体重管理をしています。
その体重管理の方法をいくつかご紹介します。
①まずはこまめに体重を測り、自分の体重を知っておく。
どういったペースで増えているのかがわかれば、ブレーキを掛けることができます。
②軽めの運動をする
ウォーキングやストレッチ、マタニティヨガなどもおすすめです。
③食生活を見直す
妊娠中に必要となる摂取エネルギー量は、妊娠前よりも増えますが、炭水化物や糖分は増やさず、現状維持で、魚、肉、野菜などを増やしましょう。
特におすすめなのは、軽めの運動です。
妊娠初期は慎重に過ごす必要がありますが、妊娠中期に入った妊娠16週頃から、主治医に運動しても良い状態かどうかを確認した上で、軽めの運動をしてみると良いでしょう。
マタニティヨガは、お産の呼吸の練習ができたり、骨盤を整える効果も得られます。妊婦さん同士で会話をするチャンスもあり、友だち作りにも最適です。
また、わざわざどこかへ通わなくても、近所を散歩してみるだけでも気持ちが良いものです。途中で体調が悪くなった時のためにも、家族と一緒だと安心かもしれません。
妊婦さんはホルモンの影響もあり、気持ちが揺らぎやすい状態にあります。体重管理を兼ねて、リラックスできる方法を見つけられたら、一石二鳥ですね!
「体重が増えない」と悩む妊婦さんも・・・
「体重管理」と言っても、実は増えないようにセーブするばかりではありません。
主治医に「体重を増やした方が良いでしょう」と言われている妊婦さんもいます。
妊婦さんの体重が増えないと、どんな影響がある?
厚生労働省によると、体重が増えないことで心配されるのは、妊娠前のBMIが「低体重」だった女性で、妊娠中の体重増加が7kg未満だった場合、低出生体重児を出産するリスクがある、ということです。
そのリスクを避けるためにも、妊娠前のBMIが「低体重」だった場合の推奨増加量、12~15kg増を目指したいところです。
体重の増えない妊婦さんができること
元々の体質やつわりの影響で体重が増えにくいことを考えると、やみくもに食事量を増やすのではなく、一度の食事を何回かに分けて食べてみたり、「ご飯」をしっかりと食べることがおすすめです。
現代女性は脂肪やたんぱく質の摂取量が多く、炭水化物の摂取量が少ないと言われています。それが女性のスリム化の要因となっているのでしょうが、体重を増やしたい時には逆効果です。
この機会に和食を積極的に取り入れ、三食のうち一食はご飯を主食とする「一日一膳」を目指すと良いのではないでしょうか。赤ちゃんが生まれた後も、母乳を作るママの体や離乳食にも和食は大活躍するはずですから、和食を取り入れることは一石二鳥にも三鳥にもなります。
まとめ
妊婦さんは誰でも、赤ちゃんの無事の誕生を何よりも願っていることでしょう。
そこで妊婦さんに必要なのは、赤ちゃんを健康に育み、この世に送り出せる母体を作ることです。
厳密に「絶対〇kg以内!」などと自分を追い込まなくても、目標として気にかけておくだけでも良いでしょう。
自分の推奨増加体重を知っておき、こまめに体重を把握する。あとは、自分に合った方法で体重管理を「楽しむ」ということが良い結果に繋がるのではないかと思います。
あくまで、追い込まず、落ち込まず。
楽しみながら、赤ちゃんを無事にこの世に送り出せるカラダを作っていきましょう!
チャンスは出産時の一度きり。赤ちゃんの将来の安心に備えるさい帯血保管とは
うまれてくる赤ちゃんのために、おなかに赤ちゃんがいる今しか準備できないことがあるのをご存知ですか?
それが「さい帯血保管」です。
さい帯血とは、赤ちゃんとお母さんを繋いでいるへその緒を流れている血液のことです。この血液には、「幹細胞」と呼ばれる貴重な細胞が多く含まれており、再生医療の分野で注目されています。
このさい帯血は、長期にわたって保管することができ、現在は治療法が確立していない病気の治療に役立つ可能性を秘めています。保管したさい帯血が、赤ちゃんやご家族の未来を変えるかもしれません。
しかし採取できるのは、出産直後のわずか数分間に限られています。採血と聞くと痛みを伴うイメージがあるかと思いますが、さい帯血の採取は赤ちゃんにもお母さんにも痛みはなく安全に行うことができます。
民間さい帯血バンクなら、赤ちゃん・家族のために保管できる
さい帯血バンクには、「公的バンク」と「民間バンク」の2種類があり、公的バンクでは、さい帯血を第三者の白血病などの治療のために寄付することができます。
一方民間バンクでは、赤ちゃん自身やそのご家族の将来のために保管できます。現在治療法が確立されていない病気に備える保険として利用できるのが、この民間さい帯血バンクです。
ステムセル研究所は、国内シェア約99%を誇る国内最大の民間さい帯血バンクです。
ステムセル研究所が選ばれる理由
・1999年の設立以来20年以上の保管・運営実績あり
・民間バンクのパイオニアで累計保管者数は7万名以上
・全国各地の産科施設とのネットワークがある
・高水準の災害対策がされた国内最大級の細胞保管施設を保有
・厚生労働省(関東信越厚生局)より特定細胞加工物製造許可を取得
・2021年6月東京証券取引所に株式を上場
詳しい資料やご契約書類のお取り寄せは資料請求フォームをご利用ください。
さい帯血を保管した人の声
■出産の時だけのチャンスだから(愛知県 美祐ちゃん)
■さい帯血が本当の希望になりました(東京都 M・Y様)
※ほかの保管者のから声はこちら
さい帯血保管は、赤ちゃんへの「愛」のプレゼント。
赤ちゃんに会えるまでのもう少しの期間、ぜひ少しでも快適に、幸せな気持ちで過ごしてくださいね。
▼さい帯血保管について、もっと詳しく▼
この記事の監修者

坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー