2021年5月21日
帝王切開

帝王切開の流れを把握しよう!

帝王切開っていわれたら?!

帝王切開とは、麻酔をして、おなかと子宮を切開して、赤ちゃんを取り出す手術のことをいいます。出産による赤ちゃんとお母さんのリスクを減らし、健康と安全を優先する考えから、帝王切開による出産は年々増加傾向にあります。帝王切開には、予定帝王切開と緊急帝王切開の二種類があります。

予定帝王切開は、逆子や胎盤が子宮の出口を塞いでいる前置胎盤など、妊娠経過で経腟分娩が予め難しいと予測され、手術日を決めて実施する帝王切開のことをいいます。

緊急帝王切開とは、分娩中または分娩直前に何らかのトラブルが生じたために行う帝王切開のことをいいます。

リスクが高い場合に無理に経腟分娩を選ぶよりも赤ちゃんの安全度は高いといえるので、不安にならずに受け入れられるように帝王切開の流れについて把握しておきましょう。

 

帝王切開の場合は普通の入院と違う?

予定帝王切開の場合は、前日から入院して手術の準備を行うことが多く、経腟分娩よりも入院日数は長めで、7~10日間となる医療機関が多いです。

手術前日に入院してからの一般的な流れについてご説明しますが、医療機関によって違いがあるので、具体的な流れを知りたい場合は、医療機関の医師や助産師、看護師に確認するようにしましょう。

【手術前日】

・同意書の確認

・入院生活、手術の流れの詳しい説明

・お母さんのバイタルサインのチェック

・赤ちゃんの健康チェック(NSTモニターなど)

・手術部位の剃毛

・シャワー

・夕食後、21時以降絶飲食

・荷物の整理(手術直後は動くことができません。また数日間は痛みもあり、行動が制限されます。手術後はできるだけ動かないで良いように、身の回りの整理をしておくと良いでしょう。)

・明日以降に備えてゆっくり休みましょう

【手術当日】

①手術室に行く前に行うこと

・お母さんのバイタルサインのチェック

・赤ちゃんの健康チェック(NSTモニターなど)

・手術着へ更衣

・弾性ストッキングを履く

・血管確保、手術前の点滴開始

・手術室へ移動(ベッド、車いす、自分で歩くなどして移動)

・麻酔をかける(脊髄くも膜下麻酔や硬膜外麻酔など、局所麻酔が一般的です。ただし、緊急時には全身麻酔になることもあります。)

・尿管カテーテルを入れる

②手術開始

局所麻酔の場合は意識があり、お母さんの体調や麻酔の効き具合を医師と話したり、赤ちゃんの産声を聞いたり、赤ちゃんが元気であれば顔を見たりすることもできます。実際に切開を開始してから赤ちゃんが産まれるまでは、一般的に5~10分前後です。

赤ちゃんが誕生した後は、胎盤を取り出し、出血の状態や残留物の有無などを確認します。その後、おなかを縫合していきます。意識があるままだと、つらい場合には、軽い睡眠薬などを投与してもらい、縫合の最中は眠って過ごすこともあります。

状況によって手術時間は変化しますが、手術開始から終了まで40~60分、麻酔の時間も入れて2時間以内に終わることが多いです。

<切開方法>

・横に切る方法~皮膚から筋膜までは横に切ります。その下の腹膜は縦に切り、子宮は横に切ります。縦に切る方法に比べて時間がかかるので、予定帝王切開の場合に選択されます。傷跡が目立ちにくいです。

・縦に切る方法~おへその下から恥骨に向かって縦に切ります。皮膚から腹膜までは縦ですが、子宮は横に切ります。手術時間が短く、赤ちゃんを安全に取り出すことができるので、緊急帝王切開の時によく行われる方法です。

<縫合方法>

抜糸の必要のない溶ける材質の溶解糸で縫うことが一般的です。細い糸を使って縫うので、傷は目立ちません。手術の傷をテープでとめるだけの方法を用いることもあります。

③帰室

お母さんの体調が戻れば、ベッドやストレッチャーで入院している部屋へ戻ります。

手術の麻酔が切れたら、注射や座薬など鎮痛剤を投与したり、予め持続的硬膜外麻酔でコントロールを行います。

方法は医療機関によって異なるので心配な場合は聞いておくと良いでしょう。

【手術後1日目~】

帝王切開分娩での出産でも、手術後は、基本的には経腟分娩したお母さんと同じ生活を送ります。痛みはありますが、お母さんの体の状態が良ければ、体をどんどん動かしましょう。赤ちゃんのお世話も積極的に行いましょう。

<歩行の開始>

血栓予防のために、早めに体を動かすことが勧められています。そのため、通常は手術の翌日から歩行を始めます。最初は助産師、看護師のサポートを受けながらゆっくりと体を起こし、少しずつ歩いてみます。トイレまで自分で歩いていくことができたら、尿管カテーテルを抜きます。歩くのは大変ですが、動いた方がその後の回復も早く、楽になれるので、頑張って動くようにしましょう。

<食事>

食事の開始は麻酔の種類によって多少変わる場合もありますが、基本的に腸の動きが確認できれば、流動食から始まります。少し体を動かして腸を刺激し、聴診器などで腸がグルグル動いているのを確認できれば食事が開始となります。

<育児・授乳>

入院日数やお母さんの体の回復具合によって開始時期は変わりますが、2~3日目から赤ちゃんのお世話が始まります。おなかの傷が痛くて授乳が大変なときは、助産師や看護師の手を借りて無理のない範囲で進めていきましょう。体が思うように動かず痛みもあるので、赤ちゃんを抱き上げるのも、少し腰をかがめるおむつ替えも大変と感じるかもしれません。でも、日に日に痛みは落ち着き、できることも増えていくので焦らなくて大丈夫です。

<シャワー>

シャワーは、お母さんの体調や傷の回復具合を見て、2~4日目くらいから許可が出ます。それまでは温かいタオルで体を拭いて過ごします。

<気分の変化>

産後1週間前後に、ホルモンの関係で気持ちが落ち込むことがあります。帝王切開分娩の場合、産後の自分の体が思いどおりに動かず、赤ちゃんのお世話が十分できなかったり、母乳の出が悪いと落ち込むことがあるかもしれません。しかし、まだ子育ては始まったばかりです。体が回復すればできるようになると前向きに考え、気になることや不安なことはどんどん助産師や看護師に相談するようにしましょう。

【退院】

体を動かすことにも赤ちゃんのお世話にも慣れてくるころ、手術後5~8日目に退院となります。傷口にはかさぶたができており、医師から指示がない限り、傷口を何かで覆ったりする必要はありません。

<よくある質問>

Q.妊娠何週で帝王切開になりますか?

A.陣痛はいつ始まるかわからないため、出産予定日の2週間くらい前の妊娠38週ごろに行うことが多いです。これより早い時期では、赤ちゃんの呼吸が産まれた後に不安定になることがあります。

Q.麻酔はどれくらいで切れますか?

A.腰椎麻酔の場合は、手術後2時間程度で切れます。硬膜外麻酔は手術後に麻酔薬を注入することができ、麻酔が切れたあとの痛みを緩和できます。

帝王切開だって立派な出産です!

帝王切開が初めての手術というお母さんも多く、不安なことはたくさんあると思います。もし、帝王切開による出産となったとしても、すべては元気な赤ちゃんを抱っこするため。気になることなどはどんどん医師や助産師、看護師に相談して、準備万端で、できるだけリラックスして手術に臨んでいきましょう。

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