妊婦さんは骨盤ベルトをした方が良いの?

妊娠が進み、おなかが大きくなってくると、段々と体のあらゆるところに違和感を感じるようになります。例えば腰痛は、出産に備えて緩んだ骨盤を腰まわりの筋肉が支えようとすることによって起こります。また、おなかが大きくなるに連れて姿勢が変化することも、腰痛を悪化させる要因になります。さらに、赤ちゃんが成長するにつれておなかが重くなってくると、骨盤や腰への負担はどんどん大きくなっていきます。ちなみに私が感じ始めた違和感は、恥骨の痛みでした。上の子の妊娠8カ月の頃、椅子から立ち上がった時や階段を上っている時、突然恥骨を硬いものでカツーーンと打たれたような鋭い痛みに襲われるようになりました。全身に鳥肌が立つような、分かる方には分かると思いますが、坐骨神経痛が恥骨に来たような感覚です。初めて感じた時には「わぁ!」と叫んでしまうほどのものでした。ただその時は、妊娠経過の一端でそのうち治まるだろうと高をくくっていたのですが、1週間経てども2週間経てども、その痛みは治まりません。次の健診まではまだ日数があったので、自分で色々と調べてみることにしました。

 

恥骨痛の原因と対処法

妊娠をすると「リラキシン」というホルモンの作用を受けて、骨盤まわりの筋肉やじん帯が緩みます。それと同時に、妊娠週数が進むにつれ徐々に子宮が大きくなり、骨盤にかかる重みが増してきます。そのため、恥骨に多大な負担がかかり、痛みを感じるようになるそうです。妊娠後期や特に臨月になってから感じる方が多いのはそのためです。痛みの感じ方には個人差があり、歩くのがつらいくらい痛む人もいれば、時々痛みを感じる程度の人、ほとんど痛みを感じない人まで千差万別です。そのため、対策の有無も人それぞれですが、基本的には我慢できる範囲の痛みであれば、特に対策は行わず、そのままにしても問題ないことが多いようです。私の場合は先述したように坐骨神経痛に匹敵するほどの痛みを感じていましたので、早急に対策をしなければと思いました。調べていくと対処法にもいくつかあり、まずは安静にして、痛みを和らげやすい体勢をとる方法が挙げられていました。寝返りがつらくなる人は、横になる時に膝の間やおなかの下に枕などを入れ、横向きの態勢を取ると良いそうです。座る場合は、背もたれの真っすぐな椅子の方が腰が支えられるため、痛みが軽減されやすいです。次に、ストレッチや体操で血行を促す方法も効果的だそうです。太ももの内側を伸ばしたり温めたりすると良いそうです。同様の理由から、ぬるめのお湯にゆっくり浸かることも血行の促進に繋がります。ただし出産が近い場合、長湯でのぼせてしまい、思わぬ体調不良を起こすことも少なくありませんので注意してください。そして最後に、骨盤ベルトを着けることも、恥骨の痛みを軽減させるのにとても有効と書かれていました。私は起きている間に痛みを感じるタイプでしたし、ゆったりとヨガを楽しめるような性格でもなかったので、色々と調べた結果、骨盤ベルトを着けることが私の恥骨痛の改善には向いているなと思い、骨盤ベルトについて調べることにしました。

骨盤ベルトの役割

私は恥骨の痛みから骨盤ベルトに辿り着いたわけですが、骨盤ベルトにはその他にも大切な役割があります。まずは腰痛の予防や改善です。妊娠中の腰痛も恥骨痛の原理と同じで、ホルモンの影響や態勢の変化で表れてきます。そこを骨盤ベルトで支えると、腰まわりの筋肉への負荷が軽くなり、その結果、腰痛の予防や改善効果が期待できるというわけです。また、実は産後の体形管理にも骨盤ベルトは必須アイテムなのです。出産後、緩んだ骨盤は半年程度かけて徐々に閉じていきます。しかし、妊娠中に筋力が低下していると、一度開いた骨盤が自然に元の位置に戻るのは難しく、放っておくと歪みやズレが生じたままの状態になってしまいます。歪みやズレがあると産前の体形に戻すことが難しくなりますし、その後の腰痛にも繋がります。出産後も骨盤ベルトを着けてサポートをすることで、骨盤が元の位置にスムーズに戻りやすくなります。この産後の体形戻しのキーワードを発見した時点で、私は購入を決めました。妊娠中の腰や恥骨の痛みの改善だけでなく、産後の体形管理もできるなんて、夢のような器具じゃないかと思ったわけです。

骨盤ベルトはいつからいつまで着けるの?

先述した通り、恥骨痛や腰痛はリラキシンというホルモンに影響を受けています。ということは、妊娠したその時から骨盤まわりの筋肉やじん帯は緩み始めます。できることなら、妊娠が分かった時から骨盤ベルトは着けておいた方が良いでしょう。ですが、妊娠初期から着けていないと効果が無いというわけではありません。妊娠して、しばらくしてから「やっぱり着けようかな」と始めても、もちろん大丈夫ですし、妊娠初期のつわりの時にベルトの締め付けがつらいという場合は、無理にする必要はありません。そして、産後はだいたい2カ月くらいまでは着けておくと良いそうです。骨盤が元に戻る手助けになります。ただ、そこはずぼらな私。産後に赤ちゃんとの生活を送る中で、毎日骨盤ベルトを装着することが出来ず・・・

皆さんは、ぜひ産後もしっかりと骨盤ベルトを着けて過ごしてくださいね。これだけ長い期間使用できる骨盤ベルトですから、信頼できるものを選ぶことが大切です。様々なメーカーから出ていますので、しっかり吟味して選んでください。また、肌に直接着けるものでもありますし、長期間使用するとその人の形になっていきますから、お譲りいただくものよりはご自身のものとしてご用意されると良いかと思います。出産の時には自然分娩であれ、帝王切開であれ、とてつもない痛みを伴います。せめて妊娠中だけでも痛みフリーの生活が送りたい、産後も快適に過ごしたい、骨盤ベルトはそんな手助けをしてくれたなと私は思います。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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