私はひどい頭痛持ち
独身の頃から仕事でパソコン作業が多く、プライベートではスマホ画面がリアルなお友だちと私を繋ぐツールになっていて、オンラインで画面越しに誰かと繋がっている生活が当たり前でした。
ある日、オンライン会議が2時間以上に及び、休憩中に「少し水分補給」と手元のカップを持ち上げた瞬間に、ぎゅーっと握りしめられるような痛みと重いものに押し潰されそうな痛みが頭に襲ってきました。次の瞬間吐き気を催し、目も開けていられなくなりましたが、さっと画面とマイクをオフにして、ホストにチャットで連絡し、残りの会議は聞くだけの参加にしてもらったことがあります。
また別の週末には、仕事仲間とプライベートでオンライン飲み会があり参加したところ、1時間ほどたったところで同じような痛みが襲ってきたのです。「ごめんね、ごめんね、落ちるねー」と言いながらオフラインにしたものです。痛みは翌朝まで続き、朝ごはんは吐き気で食べられなかったほどでした。
そのまま1日に1、2回は頭痛がするようになってしまった私は、B、L、N、E、と市販の頭痛薬を試しつつ、あまり胃に負担がかからないと思う頭痛薬を選んで服用していました。
コロナ禍の昨今、それまではスクリーンタイムが少なかった方も、巣ごもり生活を余儀なくされて、気がつけば私のようなひどい頭痛の症状が出始めてしまい、頭痛薬が手放せなくなってしまったお仲間もいらっしゃるのではないでしょうか。
妊活に際し
新婚時代は妊活に備えるために、仕事の調整は少しずつしていたのですが、相変わらず続いていた頭痛の対処としては、年に1度の脳外科健診で異常がないことを確認し、市販の頭痛薬から処方箋に切り替えた程度でした。
頭痛薬と同時に服用していたのは、花粉症の薬でした。脳外科の先生には聞けなかったのですが、耳鼻咽喉科の先生には「花粉症の薬で不妊になったり、妊娠後に流産とか胎児に影響は出ますか」と聞いてみたところ「花粉症の薬で不妊や流産の話は聞いたことがないし、抗アレルギー薬だから子宮や胎児への影響は出ないから、普通に飲んでいても大丈夫だけど、実際に妊娠した後に薬を飲むことに抵抗を感じるなら飲むのを止める策もあるから、その時に相談しにきて」という回答。
1年先に妊活を始めたという友人が教えてくれたのは「体内から薬が抜けるのに3カ月くらいかかるらしいから、妊活を始める最低3カ月以上前から頭痛薬もアレグラも止めたの。私はひどい花粉症だから、ゴールデンウィークが終わって、ヒノキも収まって3カ月空けたから、8月の後半から妊活を始めたのだけど、運良くすんなり妊娠できたよ。そしたら今度は予定日が春になっちゃって、くしゃみで破水しないか心配になったけれど、なんと妊娠中はいつものくしゃみ鼻水の症状が出なかったから、薬は何も飲まずに過ごせたんだよ。妊婦ってすごくない?」でした。
妊婦生活中の頭痛対策
その友人の頭痛も酷かったらしく「スクリーンタイムを減らす、なくす必要があったの。試しにお休みの日の1日中、テレビもスマホもパソコンもオフにして過ごしてみたら、あらびっくり。痛みが出なくて驚いたから、妊活を始めるなら私の場合は会社を辞めるか休職するしかないとなって、小さい会社だったし、泣く泣く辞めることにしたの。私の収入は止まってしまったけれど、スマホも1日にチェックする時間を1時間だけと決めて、それまで頻繁に連絡を取り合ってきた人たちにはランチタイムの1時間だけです、とSNSでも宣言しておいたから、皆理解してくれて助かったよ。あと、スマホの設定で緊急の連絡として受け取りたい相手だけは通知の音を分かりやすいメロディーにしておいたよ。妊活、妊娠中は本当によく空を見上げていたなぁ。雨の日はよく寝たなぁ(笑)お陰で頭痛薬を飲むのを止めてから仕事復帰までの約2年間、1回も飲まないで済んだよ」と話してくれました。
成功例を真似するのが早道
私も頭痛薬とは早く離れたかったですし、ヒノキが終わるまでは飲み薬と点鼻、点眼の3セットでしたので、仕事は辞められなかったのですが、薬を抜く部分は彼女の真似をしてみました。妊娠のタイミングは彼女よりは少しズレましたが、妊婦生活中のアレルギー症状が自身も家族も驚くほど出なかったので「妊婦って凄い!赤ちゃんに感謝!」と何度も思いました。
妊婦健診でも主治医と頭痛薬の話に及んだ時に「あなたたちの対策はとても良い方法ですね。頭痛薬に含まれる成分が胎児に与える影響が良くないことは結構昔から分かっていたけれど、最近の妊婦さんや妊活中の女性たちの全てがその事実を知っているわけではなくて、うっかり自宅にあった頭痛薬を飲んでしまった人もいるのよ。小中学生の女子たちにも性教育の一環として伝えていきたいことでもあるのよね」と聞き、大きく頷いた私でした。
産後、私を悩ませた頭痛は「睡眠不足」でした。きっと頭痛薬を飲んでしまえばすぐに楽になったかもしれませんが、母乳育児だったこともあり卒乳までは薬を飲みたくなかったので、主人に肩もみやマッサージをしてもらってできるだけリラックスして過ごすようにして、痛みがひどくなるのを回避していました。
いずれにしろ、妊活や妊娠中の方が何か薬を服用するときは、主治医に相談してからですね。
妊婦さんとこれから妊活する方への1つの情報、一助となれば幸いです。
この記事の監修者

坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー