妊婦さんを見かけると、なんだかほんわかした優しい気持ちになれるんですよね。

無意識におなかに手を当ててさすっていたり、おなかを眺めている姿を見かけるだけで微笑んでしまいます。

我が子はもう小学生なので反抗期真っ只中!!「あ~あんな風に優しい顔をしていた頃に戻りたい~!!」

そんな周りからの微笑ましい眼差しとは違い、妊婦さん自身はハッピーな気持ちばかりではないですよね。

眠さ、だるさ、悪阻、浮腫み、腰痛、息苦しさ、食事にも気を使って、いつでもどこにでも行けるわけではなくなって、ちょっぴりマタニティーブルーになっちゃう時だってありますよね。

今回はその中で息苦しさについてお話ししたいなと思います。

 

息苦しさの原因は?

妊娠初期からなんだか息苦しいなぁと感じる人もいます。

おなかが大きくなってからは、一つ一つの行動に「ふぅ~」っと息を吐いてしまう姿は想像できますが、まだおなかが大きくない初期に、なぜ息苦しく感じてしまうのか疑問に思いますよね?

原因はいくつかあります。

①プロゲステロンと呼ばれる女性ホルモンの分泌が増えることによる自律神経の乱れから動悸が起こり、息苦しく感じる。

女性ホルモンの分泌は通常卵巣からなので、本人の体調などにも影響していますが、14週頃には胎盤が完成し、女性ホルモンの分泌が胎盤からになるので、母体への影響が減り体調も落ち着いてきます。

②血圧の変化による症状。

妊娠初期は血圧が下がり、妊娠中期は正常値になり、妊娠後期には血圧が上がりやすくなります。

「低血圧で朝起きるのがつらい」と聞いたことがあるかもしれませんが、今まで低血圧ではなかった人にとっては、このだるさが苦しさに感じるかもしれません。

③ストレスや不安による自律神経の乱れ。

女性ホルモンの影響だけではなく、妊娠がわかった時から生活の変化に不安を感じたり、悪阻によるつらさや睡眠不足など、いろいろなストレスを女性は感じてしまいますよね。

ストレスを感じると、呼吸が浅くなったり、ため息が多くなり、うまく呼吸ができていなかったりします。その影響で息苦しく感じることがあります。

④甲状腺機能による症状。

妊娠初期は甲状腺ホルモンも多く分泌されます。14週頃には正常値になりますが、妊娠初期に過剰になりすぎ、甲状腺機能亢進(バセドウ病)を発症すると流産や早産の原因になりやすいので、すぐに受診が必要です。

症状としては、汗をかきやすくなったり、体重の減少、手の震え、動悸や息切れなどがあります。

私は軽度の甲状腺機能低下症(橋本病)だったので、通常はホルモンが不足しているのですが、妊娠初期の多く分泌されている時期は正常値になっていました。しかし中期以降には通常値になるので、橋本病の症状としての息苦しさや倦怠感を感じる日もありました。

⑤切迫流産、切迫早産と診断された時に処方される『ウテメリン』の副作用。

子宮収縮を抑える薬ですが、副作用として頻脈(脈が速くなる)、息切れ、動悸、手の震え、だるさなどがあります。

⑥貧血による症状。

息苦しさの原因として一番多いのが貧血のようです。

全期間で起こりやすいためずっとダルさ、動悸、息苦しさが続く方もいるかもしれません。

血液は赤ちゃんに栄養や酸素を送る為にとても大切です。

妊娠中期以降は大量に血液を作るために水分量が増えるのですが、血液の濃度は薄まってしまうので貧血の症状が出ます。

妊娠後期は赤ちゃんへの血液供給が増えるので、妊婦さん自身が鉄分不足になります。

 

対処法は?

①~③はリラックスして過ごすのが一番です。

自宅で過ごせる方は、座ったり横になって、ゆっくり過ごしてみてくださいね。

お仕事のある方は、出来るだけ負担のかからないよう、座ってできる仕事や重労働は避けるようにして過ごしましょう。

悪阻の軽い方は、散歩など軽く体を動かすことで自律神経が整いやすくなります。

④~⑥は医師の診断、処方が必要になりますので、自己判断はせず、必ず受診をしてください。

薬の副作用なども相談し薬を変更してもらったり、副作用を抑える別の薬を処方して貰うことで症状を改善、軽減させることができると思います。

一番多い貧血。レバー、ほうれん草はどれくらい食べてる?

「貧血ならレバーやほうれん草を食べなきゃ!!」と思いますよね。しかし、どちらも食べる量に気をつけないといけない食材なのです。

確かにレバーはとても多くの鉄分を含んでいます。串焼き1本でも5切れくらいは刺さっていますよね。

実はレバーには妊娠中に過剰摂取を控えるべき「ビタミンA」が驚くほど多く含まれています。

ビタミンAの過剰摂取は赤ちゃんの器官形成異常の原因になりますので、特に妊娠初期には気をつけて欲しいです。

1週間に1本食べただけでは影響はほぼありませんが、適正摂取量は1日2切れ程度(20g)なので、食べすぎないように注意しましょう。

ほうれん草も鉄分を多く含んでいますが、過剰摂取をするとシュウ酸が溜まり、尿路結石の原因になります。シュウ酸は茹でることで減らせますので、生食は控え、お浸しなどにすると良いと思います。同時にカルシウムを摂取することでシュウ酸の吸収を抑えてくれます。

鉄分の吸収を妨げる飲み物(コーヒー、紅茶、緑茶など)を控えることも大事です。

 

妊婦さんでいられる時間を有意義な時間に

一度の妊娠で妊婦さんとして過ごせる時間はたったの10カ月です。

産後は育児に追われ、休む時間なんてほとんどなくなってしまいますので、体がつらい時は、ぜひゆっくり休んで、体が楽な時は体を動かしてリフレッシュしてくださいね。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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