妊娠初期の出血や茶色いおりもの。
おなかの中の赤ちゃんは、大丈夫かしらと心配になりますよね。
妊娠の喜びと同時に自分の身体の変化にも戸惑いの多い妊娠初期。
少しでも不安が和らぎますよう、2児を子育て中の現役ママが経験談を交え書かせていただきます。
妊娠初期の出血 ~心配のない出血と受診が必要な出血~
妊娠初期出血には、心配のない出血と受診が必要になる出血があります。
下記にまとめてみましたので、参考になさってください。
判断に迷われる場合や心配な場合は、お電話で相談したり受診されるのが一番かと思います。
・心配のない出血(おりものシートでおさまる位の出血・茶色のおりもの)
①着床出血
本来の月経予定日である妊娠4週ごろに少量の出血がある場合があります。
受精卵が子宮内膜に根をおろす際に起きるもので、絨毛が子宮組織に孔を開け、しっかり根を張るために、着床時にわずかな出血が起こるといわれています。
②子宮の入り口が傷つくことによる出血
妊娠すると血流が増えて、ちょっとしたことで出血しやすくなります。
何かの刺激を受けて子宮の入り口に傷がついて出血することもあります。
いずれの場合も、腹痛がなく、出血も薄い色か茶色いおりもののようなもので、おりものシートでおさまる程度のものならば心配ないといわれています。
ただし、冒頭にも書きましたがご心配事が少しでもないように、ご不安な場合は医療機関にお電話したり、受診することをお勧めいたします。
・受診が必要な出血(月経時のようなまとまった出血)
①異所性妊娠
受精卵が子宮内膜以外の場所に着床してしまう異所性妊娠の可能性があります。
この場合、出血量は少量のこともあります。少量の出血・腹痛を伴う場合は連絡・受診をしましょう。
②切迫流産
流産が差し迫っている状態で、出血や陣痛があり、超音波検査などで赤ちゃんの生存が確認されれば切迫流産と診断されます。
妊娠初期の出血時の対処法
・心配のない出血の場合
ゆっくり過ごす、安静に過ごすことで症状は改善していくと思いますので、様子をみながら無理なくお過ごしになるのが一番かなと思います。
・受診が必要な出血の場合
慌てずに、生理用ナプキンを当てるなどして、産院に連絡をとりましょう。
ご家族、ご主人と速やかに連絡を取り合い、状況を伝えましょう。
さらに、産院に連絡をとる場合は、その後の受診が速やかに行えるよう、よく現状を伝えられるようにしましょう。
いつから出血があるのか、出血の色は、薄茶色、茶色、赤褐色、ピンク、真っ赤など、具体的に伝えられると良いかと思います。
私は、10年前の長男の妊娠初期の時に、この受診が必要な出血があり、切迫流産の診断を経験しましたので、体験談をまとめてみます。
切迫流産を経験して
長男を授かったことがわかった日に、生理の量くらいの出血があり、切迫流産と診断されました。
仕事帰りに出血がわかり、そのまま病院に行きました。
何だろう?どうしたんだろう?と不安な気持ちが高まりました。
当時、特発性血小板減少性紫斑病という持病もあったので、緊急で受診した病院で、私は妊娠しても大丈夫だったか?妊娠は継続できないの?と奈落の底に突き落とされたような気分でした。
しかし、生まれて初めて超音波の写真を目にして、ハッとしました。
自分の子宮に豆粒ほどの何かが見えます!
赤ちゃんの心音がそこから聴こえてくるのです。
一生懸命、豆粒くらいの命が頑張ってくれているのです。
ちなみに当時の日記には、この豆粒は、17mmと書いてあります。
現在は、身長135cmです!(笑)
命が動いている、この紛れもない事実を大切にしたい!
目の前の風景が変わりました。
医師より、安静が第一で、赤ちゃんに影響のない範囲で投薬をすることを告げられ、多くのママさんも切迫流産を経験して無事乗り切る方もいることを知り、頑張ろうと決意しました。
幸い、産科・血液内科の連携がとれる病院に通院できました。
また、有り難いことに、職場の理解で仕事もスムーズに辞められましたし、遠方から母も駆けつけ、家事を負担してくれましたし、夫もできる限りの協力をしてくれ、今考えると、安静に安静を重ねた、厳戒!安静体制をとらせてもらえました。
そして、無事出産、ひいては、現在の育児へと繋がっています。
切迫流産の持つ言葉の響きが、流産とつくことで恐ろしい印象ですが、流産しそうな人という意味ではなく、流産を念頭において治療にあたる人のことをいうとのことです。
もし、今同じ立場にいらっしゃるママさんがお読みでしたら、どうぞ安静を第一に。
また、多くの方が乗り越えることができたことを信じてください。赤ちゃんも大きくなろうと頑張っています!
まとめ
妊娠初期の気になる出血には、さまざまな種類がありました。
どのように判断して良いか迷われた場合は、すぐに産院と連絡をとり、不安がないようにしてください。
また、妊娠初期には、つわりなどの体の変化に悩まれる時期でもあります。
急な体の変化により、今までの日常生活や職業生活を見直す必要も出てくるかもしれません。
「安静」をキーワードに、どのように生活すれば、より無理なく生活できるか、ご家族みなさんでお話し合いをされるのも良いかもしれません。
例えば、お仕事中の方は、事情を話して休暇をとる、時短ワークを取り入れることは可能ですか?
上のお子さんの子育てをされている方は、預かり保育や一時保育などにお預けして、少しでも休憩できる時間を作るのはいかがでしょうか。
ライフスタイルは、みなさんそれぞれかと思いますが、ご家族、ご友人、職場、医療機関、みなさんの妊娠生活をきっと応援してくださることと思いますので、事情を話して、少しでも体に負荷のかからない選択ができますように。
赤ちゃんは、妊娠3カ月になると頭や足、胴が発達して3頭身になるほか、手足の指も出てきて、より人間らしい姿になり、羊水の中を動き回るようになります。
赤ちゃんは、実にすごいパワーで大きくなろうと頑張っています!
素敵な妊娠生活になりますように。
この記事の監修者

坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー