2021年7月10日
妊娠初期

妊娠初期って、みんなお腹痛いの?

普段から自他共に認める心配性の私。

私に「もしものことがあったら」と心配になり、保険や預金、その他事務手続きを残された人にわかるようにまとめておこうとノートに書き始めた挙句、両親への感謝の気持ちや残された子どもへのメッセージまで綴り始め、まるで遺書のようになった書類を号泣しながら読み返すといったことを繰り返すほど、心配性の私が6年前の妊娠生活の中でベスト3に入る心配、不安になった出来事として、妊娠初期のお腹の痛みが挙げられます。 とはいえ、女性にとって妊娠出産は人生の一大イベントであり、特に初めての妊娠ではちょっとした体調の変化などで誰でも不安になるものです。ここでは妊娠初期に起こるお腹の痛みについて、私の体験を踏まえながら紹介させていただきます。

 

母子手帳と一緒にやってきた痛み

6年前の春、母子手帳を手にした数日後「あれ?なんか痛い」「今日もお腹が痛い」とお腹にムズムズした違和感を感じるようになりました。

待ちに待った妊娠で、しかも春で気候も良い。周りからは今のうちにできることをしておいた方が良いよ、産まれたら、しばらく何もできないよ・・・と聞いていたし、もちろん私もそのつもりで無理をしない範囲で楽しむはずでした。

しかし、私のやる気にストップをかけるこの痛みと不安。そろそろ生理かな?といった痛みに近いような感じでもあり、合わせて腰も痛いような感覚。腹痛?腰痛?何ともいえない、ずしんと重い違和感でした。一度痛みを感じると神経は下腹部に集中し1日の大半を下腹部に支配され、トイレに行くたび出血していたらどうしよう。そればかり考え、無駄にトイレを行ったり来たり。そのときはまだ妊娠初期のため、カレンダーを見ても健診日はまだまだ先。しかし心配と不安は増すばかり。

次の診察までの間、私は腹痛の情報を得ようと雑誌を読みあさり、ネットを検索しまくり、同じ症状の仲間を探すのに必死でした。あの頃の私は妊婦生活スタートと同時にインターネット検索魔としてのスタートでもありました。健康体で妊娠し、心配性であるがゆえ健康にはかなり気をつかい、知り尽くしていたはずの自分の体なのに妊娠した途端にあらわれる”はじめまして”ばかりの症状に戸惑い不安に押し潰されそうになる私はこのネット社会にどれほど助けられたことかわかりません。ネットの情報が全て正しいわけではありませんが、精神的に安堵したり、良いアドバイスを自分なりに見つけたりする良いツールとして私は活用させてもらいました。

そんな私と同じ不安を抱えた妊婦さんはあっさりと見つかりました。

胎嚢確認後からお腹がチクチク痛い・・・

ズキズキ鈍痛がする・・・

病院に行った方が良いか・・・

様子を見るべきか・・・

流産してしまうんじゃないか・・・

生理痛みたい。生理が来ちゃうんじゃないか・・・

「それ!!」

そこには妊娠初期にも関わらず、お腹の痛みに苦しみ、不安を抱いているお仲間妊婦さんたちがたくさんいました。

私は合わせて健診日に先生に相談し、他の異常や赤ちゃんの状態に問題がないことを見ていただいた上で、子宮が大きくなるので多少痛みを感じることや下腹部に違和感を感じることがある、妊娠初期によく見られる症状だと説明されました。

いずれも「少し休んで治まる、出血もないようであれば様子見で大丈夫です」とのことでした。とはいえ、痛みの感じ方や症状は人それぞれですので、少しでも不安になったり、心配でしたら、自己判断せずに受診がお勧めです。

私の場合、信頼する医師からのよくある症状という無敵ワードをいただき、ひとまず安心し、次に少しでもこの痛みを乗り切る方法はないか考えました。

私の克服策紹介の前に妊娠初期の多くの妊婦さんが体験するこの「よくある症状」のお腹の痛みの原因とは何なのか、よくある症状と一言でいわれても、やはり大丈夫なのか心配なものです。痛みの特徴や様々な腹痛についてまとめてみました 。

 

敵を知る

・腹痛の原因と痛みの種類

原因①ホルモンバランスの変化

妊娠すると ホルモンバランスの変化が影響して胃腸の働きを弱めてしまうため腹痛が起こりやすくなります。

原因②子宮が大きくなるため

妊娠すると、赤ちゃんの成長に伴って子宮も大きくなります。子宮が大きくなると、子宮の筋肉が引き伸ばされて、痛みや違和感を感じることがあります。また、子宮を支えている靭帯が引っ張られることでも、痛みを感じやすいです。

原因③卵巣が腫れる

妊娠初期に卵巣が腫れて腹痛を感じる人も中にはいるそうです。多くはホルモンの影響で卵巣に液体がたまることによるもので15〜16週ごろまでに自然に消えることが多いそうです。

痛み①下腹部の痛み

妊娠初期に感じる痛みの多くは下腹部痛です。痛みは生理痛に似た痛みだと訴える人が多いようです。

痛み②恥骨の痛み

恥骨あたりがズキズキ痛んだり、足の付け根の奥がジンジンしたりと痛みの感じ方は様々ですが、出産に向けて骨盤を広げる準備が始まっているためだといわれています。

 

敵を知れば怖くない

腹痛の原因は、ママの体が赤ちゃんを育てやすい環境にする為の準備といえます。しかし痛みがあると原因がわかっていたとしても、不安や体への負担が大きくあります。次にそんな痛みを和らげるべく私が実際に実行した対策や他の妊婦さんが実践した対策を紹介いたします。

<痛さ対策>

対策①安静

痛みがある場合は、とにかく安静にして休憩を取ることです。外出中なら座って荷物を置いたり、横になれるようなら横になるのがベストです。できる限り長時間での立ち仕事を控えるのが望ましいと思います。

対策②温め

妊娠すると子宮が徐々に大きくなる準備をするために少しずつ骨盤を圧迫します。それにより骨盤まわりの筋肉は硬くなって血行が悪くなり、冷えに繋がることがあるそうです。冷えは体の機能を低下させやすいのでなるべく体を温める工夫をしてみてください。

対策③刺激物NG

辛いものなどの刺激物は避けて消化の良いものを食べるように心がけてみてください。

妊娠初期の腹痛は多くの妊婦さんが経験しています。

妊娠初期にお腹が痛くなると、誰しも不安になるものですが、ママの体が赤ちゃんのために準備を始めている痛みの場合も多いです。

ご自身の症状をよく理解し、わからないことがあれば助産師さんや担当の先生に相談し、少しでも不安を払拭して、これから始まる妊婦生活を心豊かに楽しく過ごせますよう願っています。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

出産に備える
大切な情報