2021年7月11日
妊娠初期

妊娠初期の胃痛 なぜ起きる?対処法はある?

胃がキリキリする・・・

何か食べると胃が痛む・・・

こうした胃痛の症状は、妊娠時以外でもよく起こりますよね。男女問わず、つらい症状です。

これが妊娠中、特に妊娠初期に起きると、心配になるのも無理はありません。妊娠初期は妊婦さんも赤ちゃんもまだ不安定な時期。赤ちゃんは薬の影響も受けやすい時期ですから、気軽に胃薬を飲むこともためらわれます。一体どうしたら・・・と途方に暮れる妊婦さんもいることでしょう。

そこで、今回は「妊娠初期に起きる胃痛」について、主な原因や対処法をまとめてみました。

 

原因 ~これもつわり?~

一般的に、胃痛といえば、ストレス、暴飲暴食などの原因が思い浮かびますよね。

でも、妊婦さんの場合は、つわりの症状であることが一番に考えられます。

つわりには、嘔吐や胃のむかつき、眠気や頭痛など様々な症状がありますが、胃痛もその症状の一つ。妊娠初期は急激にホルモンバランスが変化するため、つわりの症状が起きやすい時期なのです。

妊娠すると、プロゲステロンというホルモンの分泌が多くなります。このホルモンには子宮内膜を柔らかくするなどの働きがあり、妊娠中には欠かせないホルモンです。しかし、その一方、消化器官の働きを鈍くしてしまう作用もあるため、妊娠中には胃痛が起こりやすくなるのです。

また、妊娠初期に起きる吐きづわりでの胃酸過多やストレスで自律神経のバランスが崩れることも、胃痛の原因になるといわれています。

 

対処法 ~食事と食後の体勢がカギ~

気軽に胃薬を飲むこともためらわれる妊娠中。そんな中で、少しでも胃痛を楽にするためにできる対処法をいくつかご紹介します。それほど難しいものはありませんので、出来そうなものから試してみてくださいね。

①胃に優しい食事を心掛ける

胃に優しいといえば、おかゆ?と思われた方もいることでしょう。でも、胃に優しい食事というのは、おかゆを食べることだけではありません。食べ方にポイントがあります。

一度に多くの食べ物を胃に送らないように、小分けにして食事回数を増やしてみましょう。食事の際に一緒に水分を摂りすぎると、胃の働きが弱くなってしまいます。食事中は飲み物を控えて食後1時間程たってから多めの水分を摂るようにすると、水分が胃酸を薄めてくれるので胃痛が抑えられます。

また、食事をゆっくりとよく噛んで食べると、胃に優しいだけでなく、食べ過ぎ防止にもなり、一石二鳥です。

次に、食事の内容も工夫してみましょう。

消化が良いことでおなじみのおかゆはもちろんのこと、その他にも、キャベツやカブ、ニンジンなどの消化に良い野菜を煮込んだスープ、胃の粘膜を保護してくれるヨーグルトもお勧めです。

妊娠初期には、つわりの影響もあって、さっぱりとした果物を食べたくなることもありますが、ミカンなどの柑橘類は胃酸の分泌を高めてしまい、胃痛に繋がります。胃に負担がかからないリンゴや桃などを小量ずつ摂るのが良いでしょう。

また、渋みがある果物は要注意。タンニンという渋み成分には消化を妨げてしまう働きがあります。柿やぶどうなど秋が旬の果物にはタンニンが多く含まれているので、胃痛があるときには避けるのがベターです。

②食後は出来るだけ上体を倒さずに過ごす

妊娠中は体のだるさや眠気がある方も多いでしょう。食後も横になりたいところですが、胃痛がある場合はNGです。

食後2時間までは、横になると胃酸が逆流してしまいます。逆流した胃酸は食道にたまりやすくなり、逆流性食道炎の原因となります。

食後に休みたい時には、胃酸の逆流を防ぐために上体を高くしたまま休むと良いでしょう。上体を20cm程度高くしておくと逆流が防げるため、クッションやマット、枕などを使って工夫してみてくださいね。

食後に上体を倒さないためには、就寝前の食事も避けたいところです。夕食は少なめにして、就寝の2時間前には食事を終えるのがベストです。早めに夕食を済ませることが難しい場合は、上体を少し高くして寝るだけでも胃痛の軽減や逆流性食道炎の予防になります。

 

胃薬って飲んじゃダメ?

妊娠前から常備薬として胃薬を持っている方などは、つい胃薬を飲んでしまいたくなりますよね。これってダメなの?と、添付文書とにらめっこしている妊婦さんも多いでしょう。

実際のところ、市販されている胃薬の多くは「つい1回だけ飲んでしまった!」といった程度で大きな影響が出るほど強くはありません。

しかし、ほとんどの薬の添付文書で、妊娠中の人には「投与しない」から「長期投与を避ける」となっていることや妊娠初期は赤ちゃんの重要な器官が作られる時期であることから、自己判断での服用は避けて、医師や薬剤師へ相談した方が良いでしょう。

診察の結果によっては、妊娠中でも使える薬や漢方薬を処方してもらえることもあります。対処法を試してみても改善がみられないときや胃痛の症状がひどくなってきた際には、産婦人科で相談してみることをお勧めします。

 

まとめ

実は、私も妊娠初期の胃痛に悩まされました。

二人目の妊娠中だったため、上の子の育児で休む時間はなく、胃に優しい食事づくりも満足にできず、とてもつらい期間でした。

そんな中でも、夕食の時間を少しずらしてみたり、口にするものは柑橘類や刺激物を避ける選択をしながら過ごしていたら、気づけば胃痛の回数は減り、妊娠後期に入る頃には、もう忘れているほどでした。

妊娠中は目まぐるしく体の変化が起きているので、つらい症状も落ち着く時期がやってきます。

それまでは家族にも協力をしてもらいながら、できる範囲で胃痛を和らげる方法を試していけると良いですね。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

出産に備える
大切な情報