いつでも不快な便秘
普段から便秘に悩んでいる女性は多いですよね。
便秘による影響で腹部の膨満感や腹痛、吐き気や吹き出物など良いことが一つもない便秘!
妊娠中は普段のようにおなかに力を入れていきんでしまうと「赤ちゃんが出てきてしまうんじゃないか!?」と不安に思う人もいると思います。
便秘薬を服用していた人も妊娠がわかると使えない種類のものもあります。
(妊娠中に処方して貰える便秘薬がありますので、安心してくださいね)
まずは、なぜ妊娠すると便秘になりやすいのか、知っておきましょう。
原因と対処法
①水分不足
妊娠初期には、つらい悪阻があります。軽度の場合、食事も摂ることができ、嘔吐は我慢できたりしますが、重度になると水を飲んでも嘔吐してしまい、水分を摂取することさえできなくなってしまう人もいます。
水分が摂取しづらくなると便も硬くなり、出しにくくなってしまいます。
悪阻で水分摂取がつらい場合は、飲む時間を変えてみたり、温度を変えたりして、少しずつ摂取してみましょう。味がある方が飲みやすかったり、炭酸が飲みやすかったりと人それぞれですが、私は水をペットボトルごと凍らせてタオルを巻いて、ベッド横に置き、昼間に少しずつ飲んでいました。
嘔吐がひどく水分補給もできない場合は、迷わず病院を受診してください!
脱水状態は母子ともに危険です!「悪阻はみんなが耐えているから」と思わず、赤ちゃんのためにも早めに楽になりましょうね。
②食事量不足
水分不足と同じく悪阻によって食べることが困難な場合は、便の量自体が減ってしまいます。それによって便意を感じにくくなり、次第に便秘になってしまいます。
食事ができるようなら、種類を意識して食べるようにしてみてください。
食物繊維には2種類あり「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」です。
「不溶性食物繊維」は、大豆、こんにゃく、キノコ類、根菜類に含まれ、便を大きくしてくれるので便意を感じやすくなります。
「水溶性食物繊維」は、海藻、熟した果物、大麦に含まれ、硬くなってしまった便を柔らかくしてくれます。
「発酵食品」の納豆や味噌は、腸内細菌のバランスを整えてくれます。
悪阻がひどい時に無理に食べて吐いてしまうと脱水状態になってしまいますので、ゼリーやシャーベットなど、喉ごしの良いものを食べるだけでも良いと思います。
③運動不足
妊娠がわかると、今までと同じ運動量をこなすことが難しくなると思います。職場でもハードな仕事は避けたり、座ってこなせる仕事に変更したりするなど、周りからの助けもあると思います。悪阻で動くことも困難になってしまう人もいるでしょう。排便時には腹筋を使いますし、運動不足によって腸への刺激も減ってしまい、便秘になります。
無理のないウォーキングは気分転換にもなり、腸への刺激にもなります。動くことがつらい人は手を温めてから、お臍の周りを「の」の字にさするだけでも、腸への刺激になり排便が促されます。
④女性ホルモンの影響
生理前に便秘になる人も多いと思います。これはプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響で消化管の働きを抑えてしまうからです。非妊娠時は生理前にはプロゲステロンが減少するため、生理が始まると便秘が解消される人も多いと思います。しかし、妊娠中は出産するまでプロゲステロンが増え続けるため、便秘が解消されない人も多いです。
ホルモンに関しては母体にとって、とても大切な役割をしてくれているので「減れば楽になる?」とはいきません・・・
①②③の解決方法を試しても、便秘が解消されない場合、市販薬は服用せず、必ず医師に相談をして薬を処方してもらってください。
特に妊娠初期は、赤ちゃんの神経や器官に影響を与えることがあります。
便秘→痔!?
私も妊娠初期から産後まで便秘にとても悩まされました。
悪阻がひどく、食事もほとんど食べられなかったので、飲み物も飲める味を探すためにいろいろな種類を買ってきて、一口飲んで吐き気が起きたら、残りは飲んでもらう生活が3カ月続きました。便秘もひどく1週間出ないこともしばしば。
悪阻のある時期は起き上がるのも辛かったので、「便秘だけどトイレ行くのがつらいから良いや」と、あまり気にしていませんでしたが、妊娠6カ月頃から徐々に悪阻が落ち着き、食べられるようになっても便秘を気にしない生活に慣れてしまっていたので、いざトイレに行くと、いきまないと出ず「切れ痔」に悩まされました。
その時はさすがに医師に相談し、酸化マグネシウムを処方して貰いました。
腹痛が起きることもなく、快便になったので「切れ痔になる前に早く相談すれば良かった」と、とても後悔しました。
そして、妊娠後期に切迫早産になったため、運動不足と大きくなったおなかの圧迫により、再び便秘に。
薬の量も増やしましたが、効き目のない時は、白湯を飲むようにしていました。
白湯も私には効果があったので、ひどい便秘にはなりませんでしたが、出産のいきみにより「出痔」に。産後も便秘になってしまうと排便の度に出てきてしまうので、ミルクを作るためのお湯を沸かす時に白湯を飲むようにしていました。
便秘は、食事や運動によって自宅でも改善することができますが、どうしてもつらい時は恥ずかしがらず、医師に相談してくださいね。
この記事の監修者

坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー