妊娠初期にお勧めの食べ物と避けたい食べ物

妊娠初期の食事は量よりもバランスが大切!

妊娠初期は、赤ちゃんの心臓が動き始めて、脳、神経、目、口など、たくさんの器官を形成する大事な時期です。母体のホルモンバランスは妊娠前と大きく変化し、つわりも始まります。つわりによって食欲が低下し、十分な量の食事を摂ることのできない妊婦さんもいます。おなかの赤ちゃんのために頑張ってたくさん食事を摂らないと、と焦る方もいるかもしれませんが、無理して食事を摂ることで体に負担がかかることもあり、お勧めはできません。つわりの時期には量よりもバランスの良い食事を心がけましょう。栄養摂取に効率の良い食べ物を選び、無理せず食べられるだけ食べましょう。

 

妊娠初期に重要な栄養素・成分と食べ物

①たんぱく質

たんぱく質は赤ちゃんとお母さんの血液や筋肉を作る大切な栄養素です。体の中で作ることができない必須アミノ酸をバランス良く含んでいる良質なたんぱく質を摂りましょう。良質なたんぱく質を摂ることができる食べ物には肉類、魚類、大豆食品、卵、牛乳や乳製品などがあります。

②葉酸

葉酸はビタミンB群の一種で赤ちゃんの正常な発育に大切な働きをします。妊娠前~妊娠初期に摂ることによって、赤ちゃんの神経管閉鎖障害発症のリスクを減らすことができます。葉酸を多く含む食べ物には緑黄色野菜、大豆食品、海藻類などがあります。

③鉄

妊娠中はおなかの赤ちゃんの成長をサポートするために妊娠前に比べて血液の量が増えます。水分にあたる血しょうが4割近く増えるのに対して、赤血球は2割程度しか増えず、血液は薄まった状態になります。そのため、妊婦さんは鉄欠乏状態に陥り、貧血になることもあります。妊娠初期から積極的に鉄を摂取するようにしましょう。鉄を多く含む食べ物には魚介類、大豆食品、緑黄色野菜などがありますが、動物性食品に含まれる鉄の方が体への吸収率が高いとされています。

④カルシウム・ビタミンD

カルシウムは体の機能維持や調子を整える働きをするミネラルのひとつで、赤ちゃんの骨や歯などを作る栄養素です。乳製品、大豆食品、小魚類、海藻類に多く含まれています。ビタミンDを同時に摂ることでカルシウムの吸収が良くなります。またビタミンDにはカルシウムを骨に沈着させる働きがあります。多く含む食べ物には魚類、きのこ類があります。

⑤食物繊維

食物繊維は妊娠中の便秘の予防、改善に効果的な栄養素です。雑穀米、野菜類、果物類、きのこ類、海藻類に多く含まれています。食物繊維の豊富な食材は、消化されにくく胃腸に負担がかかりやすいものが多いので、妊娠初期のつわりの時期には加熱調理して、やわらかくして食べると良いでしょう。

 

妊娠初期に注意が必要な栄養素・成分と食べ物

①塩分

妊娠初期に限らず、妊娠中は塩分の摂りすぎに注意しましょう。成人女性の1日あたりの食塩摂取の目標量は7.0g未満です。妊娠中に塩分の過剰摂取が続くと妊娠高血圧症候群になる可能性があります。水分補給とカリウム摂取で余分な塩分を体外に排出できます。カリウムを多く含む食べ物は野菜類や果物類です。

②ビタミンA

ビタミンAは目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強めたりする働きがあり、必要な栄養素ですが、妊娠初期にビタミンAを過剰に摂取すると、胎児に奇形を起こす可能性が高くなると報告されています。妊娠初期にはビタミンAを多く含む食べ物であるレバーやうなぎは避けたほうが良いでしょう。

なお、にんじんやかぼちゃなどの緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンは体内でビタミンAに変換されますが、体に必要な分だけ変換され、余ったものは体外に排出されるので、ビタミンAの過剰摂取には繋がりません。

③ヨウ素(ヨード)

ヨウ素はエネルギーの代謝、細胞の発達と成長に必要な栄養素です。妊娠中にヨウ素が欠乏すると死産や流産、先天異常などを招く恐れがあり、妊婦さんにとっても重要な栄養素です。しかし、摂りすぎると、赤ちゃんの甲状腺機能を低下させてしまう恐れがあり、注意が必要です。日本人は海産物を多く食べるため、摂取量が必要量を大幅に上回っているケースが多いとされています。多く含まれる食べ物には海藻類、ヨード卵があります。摂りすぎないよう気をつけましょう。また、市販のうがい薬や喉の鎮痛薬にも含まれていることがあるのでこちらも注意が必要です。

④ヒ素

ヒ素は健康被害を及ぼす成分でひじきに多く含まれていますが、水で戻したり茹でたりすることで濃度は低くなるとされています。ひじきは鉄、カルシウム、食物繊維が豊富です。小鉢に入ったひじきの煮物を週に1~2回程度食べる分には全く問題ないので、正しく調理し適正量を摂るようにしましょう。

⑤水銀

水銀は胎児の先天性異常を引き起こす可能性があると言われています。大型の魚には食物連鎖によって水銀が蓄積されているため注意が必要です。厚生労働省でも特定の魚について、妊娠中の摂取量の基準を定めています。キンメダイ、メカジキ、本マグロ、メバチマグロは80gを週1回まで、キダイ、メカジキ、ミナミマグロは80gを週2回までが摂取量の目安になっています。

なお、キハダマグロ、ビンナガマグロ、メジマグロ、ツナ缶、サケ、アジ、サバ、イワシ、サンマ、タイ、ブリ、カツオなどは特に注意は必要ないとされています。

 

妊娠初期に特にお勧めの食べ物

ヨーグルト:カルシウムが豊富。整腸作用があるので便秘改善に効果的です。

あさり:吸収率の良い動物性の鉄が豊富。疲労回復に効果があるタウリンも豊富です。

小魚:カルシウムが豊富。妊娠中のおやつにお勧めです。

豆腐:たんぱく質、カルシウムが豊富。つわりのある妊娠初期にも摂りやすい食べ物です。

納豆:たんぱく質、葉酸、鉄、カルシウム、食物繊維が豊富。納豆に含まれるナットウキナーゼには血液サラサラ効果があります。

枝豆:たんぱく質、葉酸、鉄、カルシウム、食物繊維が豊富。塩は軽めにしましょう。

ほうれん草:葉酸、鉄、カルシウム、食物繊維が豊富。やわらかく茹でて食べましょう。

ブロッコリー:葉酸、ビタミンC、カリウム、食物繊維が豊富。蒸すのがお勧めです。

きのこ:食物繊維やビタミンD、カリウム、鉄、亜鉛などが豊富。エリンギ、まいたけ、えのきには葉酸も豊富に含まれています。

いちご:葉酸、食物繊維、ビタミンC、カリウムが豊富。甘酸っぱいので、つわりのときにも口にしやすい食べ物です。

バナナ:葉酸、食物繊維が豊富。つわりを軽減してくれると言われるビタミンB6も豊富。妊娠初期のつわり症状がひどい人には特にお勧めです。

 

妊娠中に避けたい生もの

妊娠中は免疫機能が低下して食中毒など食べ物が原因の病気にもかかりやすくなります。妊娠中は自己判断で薬を服用することもできません。食中毒にかかると早産や流産のリスクも高まると言われています。妊娠初期には食中毒の原因になるような生ものは避けるようにしましょう。

厚生労働省からもリステリア食中毒を引き起こす可能性のある食べ物として加熱殺菌をしていないナチュラルチーズ、肉や魚のパテ、生ハム、スモークサーモンを挙げ、妊娠中は避けるよう指導しています。

まとめ

妊娠初期はつわりもあり、思うように食事が進まない時もあるかと思います。今回ご紹介した妊娠初期にお勧めの食べ物を参考に無理せず食べたい物を食べたい時に摂るようにしましょう!

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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