妊娠中の不快な「ドキドキ」動悸の原因は?対処法はある?

妊娠中の体は、目まぐるしく変わっていきます。

見た目の変化はもちろんのこと、体の内側では新しい命がどんどん成長していくことにより、大きな変化が起きています。

そこで起こりがちなのが、「マイナートラブル」

妊娠中に起こる大きな危険には繋がらないものの、不快な症状や体の不調のことです。

例えば、つわりや頭痛、動悸や皮膚のかゆみ、こむら返り・・・

妊娠初期から出産まで、いつも何かしらのマイナートラブルを抱えているといっても過言ではありません。

今回は、そのマイナートラブルの中から、「動悸」について、掘り下げてみたいと思います。

 

動悸とは「ドクンドクン」と心臓の音を強く感じることをいいます。脈拍が早いように感じられることもあります。

妊娠中は妊娠前とはホルモンバランスや血液量が大きく違ってきますから、それまで動悸など気にしたことがなかった人でも、動悸が起きやすくなります。

決して珍しい症状ではありませんが「胸がドキドキして苦しい」「ドキドキが続いていて眠れない」となると、自分の体や赤ちゃんの状態が心配になりますよね。

でも、妊婦さんの動悸の多くは、病気ではなくマイナートラブルだといわれています。心配でストレスを溜めてしまうことも動悸に繋がりますので、まずは原因や対処法を知ることで心を軽くしましょう!

 

原因①ホルモンバランスの変化

妊婦さんの体は、女性ホルモンがたくさん生み出されています。

そのホルモンの中の一つが「プロゲステロン」

母体の体温を高めに保って、子宮内膜を柔らかくするという役割を持ち、妊娠中の体には無くてはならないホルモンです。

しかし、この「プロゲステロン」は自律神経の働きに影響を与え、自律神経の乱れから動悸を引き起こすという困った働きもあります。

必要なホルモンではあるけれど、自律神経の乱れは動悸の他にも頭痛や便秘などの不快な症状も引き起こしますから、ちょっと困りものです。

 

原因②貧血・血液量の増加

妊娠中は、赤ちゃんの分や出産時の出血に備えて、血液量が多くなります。

その量は、なんと妊娠していない人の約1.5倍!しかし、赤血球の量は変わらないまま、血液量が大幅に増えるために血液が薄くなり、「鉄欠乏性貧血」を引き起こしてしまうのです。その結果、動悸だけではなく、息切れやめまい、だるさも感じやすくなるというわけです。

また、大量の血液を体に送り出すためにポンプの役割をする心臓に負担がかかり、それが動悸にも繋がります。

 

原因③赤ちゃんの成長に伴う臓器の圧迫

赤ちゃんがどんどん大きくなってくる妊娠後期に起きやすいのが、臓器の圧迫による動悸です。

赤ちゃんの成長と共に、子宮も大きくなります。大きくなった子宮は横隔膜を押し上げるのですが、これが肺を圧迫することで息苦しさを引き起こし、心臓を圧迫することで動悸を引き起こすというわけです。

妊婦さんの体の中では、出産するまで大きくなり続ける子宮のために、たくさんの臓器が位置を変えたり変形し、ひしめき合っています。そう考えると、動悸をはじめとする困ったマイナートラブルがいくつも起こるのも、妙に納得してしまいます。

対処法はあるの?

まず、ゆっくりと横になってみましょう。体勢を変えてみて体をリラックスさせることで、少し動悸が和らぐ場合もあります。

通勤や立ち仕事で横になることが難しい場合、まずは座れる環境を作ることも大切です。電車の時間をずらして座れるようにしてみたり、少し座って休める時間を設けられないかを職場で相談するのも良いでしょう。

そして、貧血ぎみの妊婦さんは鉄分を多く含む食事を心がけ、主治医に鉄剤の処方を受けるなど、まずは貧血の改善を目指しましょう。貧血の改善は、動悸の他にもさまざまな症状の改善に繋がります。

また、ホルモンバランスの変化はどうにも止められませんが、そんな中でも自律神経を整える方法を試してみると、症状が和らぐことがあります。

例えば、規則正しい生活を送ることは、自律神経を整えるためにとても有効です。深くおなかで呼吸をし、心も体もリラックスさせる時間を持つこともオススメです。

好きなことに集中する時間を設けることも効果的ですが、スマホで動画や映画を見るのが好きな方は要注意。スマホを長い時間見続けると、緊張状態や興奮状態に活躍する「交感神経」が働きっぱなしになるため、自律神経が乱れやすくなります。

スマホやパソコンに頼りすぎない時間の使い方を心掛けると、リラックスできて良いかもしれませんね。

 

まとめ

動悸の原因と対処法について紹介しましたが、いかがでしたか?

「ドキドキ」が気になったら、まずは休む。貧血の妊婦さんは貧血の改善を目指し、貧血ではない妊婦さんも貧血予防に努めて損はありません。あとは、リラックスすることが大切です。

原因は紹介した3つだけではありませんし、対処法は他にもたくさんあります。気になる場合、心配がある場合は主治医に相談をして、不安を解消しましょう。

そして、自分に合った対処法を見つけられると良いですね!

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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