妊娠後期にむくみが起きる原因とは?4つの対策や解消方法も紹介

坂田陽子

記事監修者:坂田陽子

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

妊娠後期に入ってから「むくみが気になる」「手足がむくんで痛い」と悩んでいませんか。

妊娠後期に入ると「プロゲステロン」と呼ばれるホルモンや血液量が増加するため、むくみが生じやすくなっています。

妊娠中のひどいむくみは痛みが伴うこともあり、つらい生活を送っている人もいるかと思います。

しかし妊娠後期のむくみには、解消する方法、対策があります。
この記事では主に、以下のような内容を解説していきます。

・妊娠後期にむくむ原因
・4つの対策
・解消方法

この記事を読むと、むくみの痛さから解放され、妊娠後期を楽に過ごせるようになりますよ。

妊娠後期にむくみが生じる3つの原因

妊娠後期にむくんでしまうのは、アルドステロンやコルチゾールという体に水分を保持させるホルモンが副腎から多く分泌されるようになるためだといわれています。
また、妊娠後期には血管の中の血液量は増加しますが、血球の量は変わらないため、血液が薄まった状態になります。そのため、水分が血管外に出ることでむくみが生じます。
さらに、大きくなった子宮が脚から心臓への血流を圧迫し、体液が貯留することで水分が足の静脈にたまり、むくみが生じやすくなります。

妊娠後期のむくみを予防・改善する4つの対策

むくみの対策を大きく分けて4つ紹介します。
・運動
・食事
・水分補給
・入浴
順番に解説していきます。

対策1:運動

運動不足はむくみを悪化させます。むくみ対策には、軽い運動を取り入れるのが効果的です。
以下4点の運動がおすすめです。
・ウォーキング
・ストレッチ
・ヨガ
・水中歩行

軽いウォーキングは足の血行を促進します。血行が改善されることでむくみの対策になります。1回20~30分を目安に行ってみましょう。

ストレッチも血行改善に効果的で、むくみの対策になります。いつでもどこでも簡単に行うことができます。
ヨガは血行改善に加え、ホルモンバランスの改善も期待できます。水のめぐりを促すポーズも多数あり、むくみの対策にはおすすめです。妊娠中にやってはいけないポーズもあるので、妊婦専用のマタニティヨガを行うようにしましょう。
私は週に3回程、水中歩行に通いました。
水圧でむくみの改善にもなりましたが、浮力のおかげで腰椎や恥骨にも負担がかからず地上を歩くより、効果を感じました。温水プールでの水中歩行は発汗に気付きにくいため、こまめに水分補給も行ってくださいね。

対策2:食事

食事面では塩分の過剰な摂取を控えるよう気をつけましょう。
塩分を多く取ると、血中成分のバランスが乱れむくみにつながります。
むくみの防止には原因となる塩分を体の外に出す働きのある「カリウム」を積極的に摂取すると有効的です。
以下にカリウムを多く含む食材をまとめました。

種類
食材
穀類・穀製品
玄米・大麦(押し麦など)・オートミール(えんばく)・ライ麦・雑穀など
芋類・芋製品
さつま芋・里芋・山芋・じゃがいもなど
豆類・豆製品
あずき・いんげん豆・大豆製品(納豆など)など
種実類・
種実製品
アーモンド・栗・くるみ・ごま・ピスタチオ・落花生・
マカダミアナッツなど
野菜類
豆苗・えだまめ・かぼちゃ・カリフラワー・かんぴょう・
ごぼう・小松菜・ししとう・春菊・そらまめ・筍・菜の花・
にら・人参・ブロッコリー・ほうれん草・モロヘイヤなど
果物類
アボカド・キウイフルーツ・バナナ・レーズン・メロンなど
きのこ類
えのき茸・きくらげ・しめじ・なめこ・マッシュルームなど
海藻類
てんぐさ(寒天・ところてんなど)・昆布・ひじき・
わかめ・めかぶなど
魚介類
あじ・いわし・しらす・かつお・鮭・さば・さわら・たい・
ブリ・ホタテ貝・えび・いかなど
肉類
牛もも肉・牛ヒレ・牛ランプ・豚もも肉・豚ロース肉・
豚ヒレ肉など
 

対策3:水分補給

むくみを気にして、水分補給の制限をするのではなく、積極的に水分補給を行うようにしましょう。
ただし、過度な摂取は逆にむくみの原因となるため、飲みすぎには気をつけましょう。こまめに少しずつ飲むようにすると、体への負担が少ないです。
糖分が多く含まれる清涼飲料水を飲むのはできるだけ避け、お腹や体を冷やさないためにも白湯や、常温のお茶などを摂取しましょう。

対策4:入浴

入浴には全身を温めて血行を改善する効果があります。血行改善は、むくみの対策につながります。38~40℃くらいのぬるめのお湯に10分程度浸かるのがおすすめです。

妊娠中は全身の血流量が増えてのぼせやすいため、長湯は控えましょう。家族がいる時間に入浴すると安心です。

【部位別】むくみ解消に効果的なマッサージ

むくんでいる場所によってマッサージの方法は変わります。
むくみの解消に効果的なマッサージを部位別に紹介します。

部位1:足

まずは、左右の手でグーをつくり、リンパの流れに沿って足の付け根をさすります。次に足首から膝の裏へ向かってさすり上げるようにマッサージします。下から上へ行い、心臓に向かって血液を流します。痛すぎない程度に行いましょう。あぐらをかいて行うとおなかに負担がかかりません。
なお、足の裏や足の指は、子宮にかかわるツボが集まる場所なので、自分で強く押すのは避けましょう。

部位2:手

まずはリンパの流れに沿うように、ひじから胸に向かってわきの下をさすります。次に、手の先からをわきの下まで一気にさすります。手の先の血流をよくして心臓に戻すことで、手指のむくみが改善されます。

ただのむくみではない?妊娠高血圧症候群に注意

妊娠時に高血圧を発症した場合、妊娠高血圧症候群といいます。高血圧または高血圧と尿蛋白を認める場合、妊娠高血圧症候群と診断されます。

妊娠高血圧症候群の症状のなかには、むくみも含まれていますが、むくみだけの症状であれば妊娠高血圧症候群とは診断されません。妊娠後期特有のむくみであれば、健康上の問題はありませんが、むくみの症状が気になる場合、妊婦健診で血圧や尿蛋白に異常がないことを確認しておくと安心です。

まとめ

妊娠後期はホルモンの分泌や血液量の増加などで、むくみやすい状態です。
むくみ対策として、母体や胎児の負担にならない程度の運動を行い、バランスのよい食事を心掛けましょう。むくみの解消には、マッサージが効果的です。今回紹介したものを取り入れて、むくみのつらい症状を解消・予防しましょう。きっと妊娠後期を楽に過ごせるようになりますよ。

むくみが継続する場合は、病気が隠れている可能性もあります。異変に気づいたら、すぐに医師へ相談しましょう。

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この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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