前駆陣痛と陣痛〜いつから始まるのか〜

坂田陽子

記事監修者:坂田陽子

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

予定日が近づいてくると

・いつから陣痛が始まるのか
・陣痛とはどういうものなのか
・陣痛の痛みに耐えることができるのか
・どんなタイミングで病院へ行けば良いのか

などと、出産に向けていろいろな疑問や不安が出てくるものだと思います。

今回は、その中で聞かれることの多い

■前駆陣痛と陣痛の違い

■病院への連絡のタイミング

について解説します。

前駆陣痛は出産に向けて準備を始めているサイン

臨月に入ると少しずつおなかの張りや腰の痛みを感じるようになってくると思います。

これは子宮が収縮することで起こり、子宮の筋肉が緊張して、おなかが硬くなったように感じます。

これが前駆陣痛や陣痛に繋がっていきます。

前駆陣痛は、不規則に起こるおなかの張りで妊娠中のからだが少しずつ出産に向けて準備を始めているサインです。

妊娠中は、赤ちゃんを子宮の中にとどめるために子宮の出口は硬く保たれています。

そして出産が近づいてくると、前駆陣痛によって、赤ちゃんが生まれてくるための子宮の出口が開いてきたり、赤ちゃんが通ってくる産道も少しずつ軟らかくなってくるのです。

前駆陣痛は痛い?どれぐらい続くの?

前駆陣痛は、1回の持続時間は短く痛みもそこまで強くないことが多いです。

もちろん痛みの強さや感じ方には個人差はありますが、弱かったり強かったりと規則性がありません。

おなかの張りや痛みだけではなく、胃の不快感、圧迫感といったかたちの前駆陣痛を感じることもあります。

そのため、初産の方などは気付かないこともあるようです。

前駆陣痛はいつから始まるの?

前駆陣痛がいつから始まるのか、どのくらいの期間続くのか、強さはどのくらいなのかといったことに決まりはなく、個人差があり、一概には言えません。

また、前駆陣痛を感じ始めてから本当の陣痛が始まるまでの期間にも個人差があり、数時間後に陣痛が始まることもあれば、1ヶ月後にくることもあります。

前駆陣痛の特徴

前駆陣痛は散歩など、からだを動かしている最中やその後によく起こります。

また、夜間になると強く感じる人が多いです。

しかし、しばらく安静にすると痛みがなくなることがほとんど。

ただし、人によっては忘れた頃にまた痛みが起こることもあります。

 先輩ママの前駆陣痛の体験談

経験者のみなさんは前駆陣痛をどのように感じたのでしょうか。

・我慢ができる程度の痛み
・痛みを感じず、前駆陣痛がわからなかった
・生理痛のような痛み
・おなかの痛みはなく腰痛を感じた
・子宮がねじれるような痛み
・おなかが張るような感覚
・下痢のときのような腹痛を感じた
・下腹部にひどい痛みを感じ眠れなかった

このように、前駆陣痛は子宮の収縮ですので、痛みなどの感じ方は人それぞれです。

前駆陣痛をやわらげる方法

一般的に、精神的にリラックスすることは、痛みの軽減に効果があるといわれています。

精神的にリラックスできる方法には、以下のような行動があげられます。

自身にあったものを選んで生活に取り入れてみましょう。

方法 詳細
深呼吸 ・腹式呼吸で行う
・5~10分が目安
・疲労回復効果もある
入浴 ・湯温は38~40℃
・入浴時間は約10分
・筋肉の緊張もほぐれる
音楽鑑賞 ・クラシック音楽が効果的
・2分以上鑑賞する

出典:厚生労働省「腹式呼吸をくりかえす」大阪市役所「ええことづくめ!お風呂の健康効果とおすすめの入浴法」中国四国心理学会「好みの音楽聴取が緊張・不安・疲労軽減に与える影響」

本陣痛の特徴

陣痛を本陣痛とも言いますが、前駆陣痛から本陣痛に変わったかどうかをはっきりと判断できる方法はありません。

しかし出産を迎える合図として、おしるし・破水などがありますので、解説していきます。

おしるしが来たら本陣痛が始まる合図

おしるしとは、子宮口が開き、子宮が収縮することによって卵膜が子宮内壁からはがれ、子宮頸管から出た粘液と混ざって出るおりものです。

出産を迎える合図となります。

色は茶褐色やピンク色だったり、量も生理のときのような量や少量だったりと個人差があります。

おしるしがくると、だいたい数日中に陣痛が始まりますが、全くないまま陣痛を迎える場合もあります。

なるべく外出や負担になる運動や作業は控えましょう。

出血が多く、長く続く場合は胎盤が剥がれて出血している可能性もありますので、すぐ病院へ連絡をしましょう。

本陣痛より破水が先の場合もある

赤ちゃんを包む卵膜が破れて、羊水が流れ出ることを破水といいます。

特に前触れもなく突然やってくる場合が多く、パチンと風船が割れるような感覚があります。

特徴として透明から乳白色のさらっとした液体で、量は少なかったり、多かったりと個人差があります。

破水か尿漏れか判断ができない場合は、尿のアンモニア臭で区別しましょう。

一般的には陣痛がきた後に破水となりますが、場合によっては前期破水といって、破水が先に起こることもあります。

先に破水となったら、赤ちゃんに細菌感染する可能性がありますので、すぐ病院へ連絡をしましょう。

先輩ママの本陣痛の体験談

では、経験者のみなさんは本陣痛をどのように感じたのでしょうか。

・腰が砕けるような痛みだった
・下腹部や腰に大きな痛みを感じた
・前駆陣痛と違い、いきみたくなるような感覚があった
・規則的で痛みがどんどん強くなっていった
・痛みで気絶しそうだった
・腰のあたりを鈍器で殴られる感じだった
・下痢のときの何十倍も痛みを感じた

このように下腹部、腰、肛門のあたりなど、痛みを感じる場所や感じ方はさまざまですが、陣痛があり、結果的に産まれた場合には、それを本陣痛であったと判断します。

前駆陣痛か本陣痛か区別がつかない間は、からだが出産の準備をしていると思って、心配せずにおおらかな気持ちで過ごすようにしましょう。

これは陣痛?それとも前駆陣痛?

陣痛も最初は前駆陣痛と症状が同じなので、どちらなのか判断がつかないことも多いです。

では、本陣痛が始まるとはどういうことなのでしょう。

子宮が収縮して強い痛みを感じる時間と、子宮収縮が止んで痛みがおさまる時間が交互に繰り返され、おなかの張りや痛みが規則的に起こることを本陣痛といいます。

一般的には、

・陣痛の間隔が10分おき

もしくは

・陣痛の頻度が1時間に6回以上

になった時と言われています(※1)。

どんなに陣痛が強くなっても、陣痛と陣痛の間には必ず数分のお休みがあります。

そのため、おなかの張りや痛みを感じ始めたら、陣痛の間隔を計って記録していくことが大切です。

陣痛の間隔とは、子宮が収縮することによる強い張りや痛みを感じ始めた時から、次にまた同じ張りを感じ始めるまでの時間のことです。

最近では、陣痛の間隔をカウントできる無料のアプリもあるので活用するのもおすすめです。

急におなかの張りや痛みが出てきても慌てずに、まずは落ち着いて、

・どのくらいの間隔でおなかの張りや痛みが来ているのか
・規則的なのか
・徐々に痛みが強くなっているか
・間隔も徐々に短くなっているのか

といった陣痛の状況を把握するようにしてください。

出典(※1)独立行政法人国立病院機構 相模原病院「出産に向けて」

病院へ連絡するタイミングは?

おなかの張りや痛みがある場合に、いつ病院へ連絡するのでしょうか。

実はそのタイミングも人それぞれです。

基本的には

・陣痛の間隔が10分以内

もしくは

・1時間に6回以上の規則的な陣痛が始まったら

連絡をと言われています。

ただし、経産婦で前回の出産が早かった方、妊婦健診で子宮の出口が開いてきていると言われている方などは、

・陣痛間隔が15分ごと
・もしくは定期的におなかが張り、毎回痛みを感じるようになってきた時点

で病院に連絡するとよいでしょう(※2)。

自分がどのタイミングで連絡したら良いのかわからない場合は、妊婦健診で担当の先生や助産師に一度確認してみましょう。

また、破水や出血がある場合には陣痛の間隔に限らずに、すぐに病院へ連絡するようにしましょう。

出典(※2)独立行政法人国立病院機構 相模原病院「出産に向けて」

こんな場合は、陣痛に関係なくすぐ病院に連絡を!

・急激なおなかの強い痛み
・絶え間なく続くおなかの張り
・少量の出血
・おなかが板のようにカチカチにかたくなる

といった症状がある場合には注意が必要です。

このような症状があるときは、妊娠中に胎盤が子宮からはがれてしまう『常位胎盤早期剝離』を起こしている可能性が考えられます。

これは、突然発症して、急激に進行します。

そして、妊婦さんと赤ちゃんの生命に危険が及ぶ心配があります。

もし、このような症状や赤ちゃんの胎動がなくなった場合は、すぐに病院へ連絡しましょう。

前駆陣痛のQ&A

ここでは前駆陣痛に関するよくある質問をまとめています。

順番に見ていきましょう。

Q1:前駆陣痛がないこともある?

前駆陣痛をまったく感じないケースはあります。

理由としては、以下のようなものがあげられます。

・個人によっては、痛みに対する耐性がある
・体質、またはこれまでの生活環境など外因によって起こらない

また、本陣痛との区別が付きにくく、いつの間にか前駆陣痛が終わっていた、というケースもあります。

前駆陣痛がないからといって異常ではありません。

Q2:「後」陣痛もあるって本当?

後陣痛(こうじんつう)と呼ばれる痛みはあります。

出産後に子宮が収縮して、元の大きさに戻ろうとする際に感じる痛みで、双子や巨大児(4,000g以上)を出産した際に起こりやすいといわれています(※3)。

痛み方には個人差があり「生理痛」「陣痛」に似た痛みを感じるケースも。

出血が伴うこともあるでしょう。

また経産婦の場合は、初産婦より子宮収縮のスピードが速いため、後陣痛が強くなる傾向です。

出産後2〜3日が痛みのピークといわれており、徐々に軽快していきます(※4)。

痛みが激しい場合には、鎮痛剤が投与されるケースもあります。

出典

(※3)国立国会図書館「目産婦誌56巻5号」

(※4)杏林大学医学部付属病院「出産・産後編」

まとめ

前駆陣痛は陣痛の前段階で起こる現象であり、本陣痛との違いは以下のとおりです。

前駆陣痛 本陣痛
痛みの強さ 弱~中程度 時間経過で強くなる
痛みの間隔 不規則 ・規則的
・次第に短くなる
痛みの感じ方 ・軽い生理痛
・腰痛に似た痛み
・下痢をしたときの痛み
・子宮が締め付けられる痛み
・子宮が強く収縮する痛み
・下半身全体に強い痛みを感じるケースも

上記を参考に前駆陣痛と本陣痛を見分けましょう。

また前駆陣痛をやわらげる方法としては、以下3つのような行動が効果的です。

方法 詳細
深呼吸 ・腹式呼吸で行う
・5~10分が目安
・疲労回復効果もある
入浴 ・湯温は38~40℃
・入浴時間は約10分
・筋肉の緊張もほぐれる
音楽鑑賞 ・クラシック音楽が効果的
・2分以上鑑賞する

今回紹介した方法を参考に前駆陣痛を軽減し、出産を乗り越えましょう。

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■出産の時だけのチャンスだから(愛知県 美祐ちゃん)

■さい帯血が本当の希望になりました(東京都 M・Y様)

※ほかの保管者の声はこちらから

▼さい帯血保管について、もっと詳しく

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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