分娩の流れや陣痛の進み方について

予定日が近づいてくると、赤ちゃんと会えることを心待ちにする反面、不安な気持ちもムクムクと湧いてくると思います。しかし、分娩の流れを知っておけば心構えができます。本番に落ち着いて対処できるように妊娠中にシミュレーションをしておきましょう。

陣痛の痛みはどれぐらい?分娩開始までの流れ

経腟分娩の場合は、おなかが規則的に痛む陣痛など、分娩開始のサインがあります。

分娩のサインですが、一般的には「おしるし」「陣痛」「破水」が三つのサインと言われています。

分娩開始のサイン①おしるし

 子宮口が開き始めると出てくる、出血が混じったおりもののことです。

 ただし、これは出産が近づいてきたサインではありますが、これだけで分娩になることはありません。清潔なナプキンをあて、他のサインが出てくるまで、慌てず落ち着いて普段通りの生活を続けましょう。

分娩開始のサイン②陣痛

 最初は不規則に、次第に規則的でおなかの痛みが強い張りに変わっていきます。

一般的に初めての出産では陣痛が始まってから分娩まで14時間ほどかかります。ただ個人差が大きく、20時間以上かけてお産をする人もいれば、14時間以下と短時間の人もいます。経産婦の場合は前回の出産の半分ほどの時間と言われることが多く、平均は約8時間となっています。

10分間隔の痛み(もしくは1時間に6回の痛み)が定期的に訪れるようになったら、陣痛が始まりと言われています。ただし、この段階では、分娩まではまだまだ長い時間を要します。かかりつけの医療機関からは、連絡するタイミングなどは説明(例えば、初産婦なら10分以内、経産婦なら15分以内の規則的に繰り返す陣痛を感じたら連絡してくださいなど)があると思います。そのため、痛みを感じ始めたら、まずは陣痛の間隔をカウントするようにしましょう。

分娩開始のサイン③破水

 赤ちゃんを包んでいた卵膜が破れて、羊水が外に流れ出てくることを言います。パンという感覚を自覚する場合もあれば、膣から羊水が流れ出て初めて気づくこともあります。

破水した場合は、清潔なナプキンをあて、すぐに分娩予定の医療機関へ連絡をしましょう。破水後に入浴やシャワーは厳禁です。中には尿漏れやおりものとの区別がつかない場合もありますので、判断できない場合もまずは医療機関へ連絡するようにしましょう。

経腟分娩の流れと過ごし方

それでは、分娩のサインから赤ちゃんが産まれてくるまではどのように進んでいくのでしょうか。

分娩の進み方は、分娩第1期、分娩第2期、分娩第3期の3つに分けることができますので、それぞれの時期に分けて説明していきます。

[分娩第1期]

陣痛の始まりから子宮口が全開大になるまでの期間を分娩第1期と言います。

所要時間の目安

初産婦

約10~12時間

経産婦

約5~6時間

 

さらに分娩第1期は4つの段階に分かれています。

□潜伏期

 子宮口が0~2.5cmになるまでの段階です。陣痛の間隔は10分以内(1時間に6回以上)ですが、まだ耐えられる程度の痛みで持続時間もまだ短いです。

□加速期

子宮口が3~4cm開くまでの段階です。陣痛は5~6分間隔になり、強さもだんだん増していきます。

□極期

 子宮口が8 cm開くまでの段階です。

 お産の過程でも一番苦しい時期といえます。陣痛は2〜3分毎となり持続時間も長くなっていきます。赤ちゃんの頭が、骨盤の中に深く入ってきますから、いきみたくなる間隔が出てくることが多いです。

□減速期

子宮口が9 cmから10 cmになるまでの段階です。児頭がさらに骨盤内に下がってきます。

◎分娩第1期の過ごし方のポイント

 この時期は陣痛をいかに乗り越えるかが大切になります。痛みでパニックにならないように自分が一番楽な姿勢を探して痛みを逃していきます。また、ここで体力を使い切ってしまうと微弱陣痛になって分娩が長引いたり、いざ赤ちゃんを出すときに力が入らなかったりという状況になってしまいます。呼吸法やリラックス法を上手に活用して、リラックスして過ごすようにしましょう。また、陣痛の合間には食べられるものや水分をしっかり摂るようにしましょう。

分娩第1期で注意が必要な症状

ずっと合間なく腹痛が続いていたり、おなかが板のように硬い状態が続いたり、赤ちゃんの動きが感じられないなどといった症状とともに少量の出血がみられた場合は、出産よりも先に胎盤がはがれてしまう「常位胎盤早期剥離」という状態の可能性があります。

これは、赤ちゃんとお母さんの命にかかわる危険な状態であり、大至急の対応が必要です。すぐにかかりつけの医療機関へ連絡しましょう。他にもいつもと違う症状を感じたり、判断に迷う場合は、遠慮せずにかかりつけの医療機関に相談するようにしてください。

[分娩第2期]

子宮口が全開大になってから赤ちゃんが出てくるまでの期間を分娩第2期と言います。

赤ちゃんの頭が骨盤に入り、旋回しながらゆっくりと出てきます。

・所要時間の目安

初産婦

約1~2時間

経産婦

約0.5~1時間

 

陣痛は1~2分間隔になり、持続時間も40~60秒続きます。痛さも分娩1期よりもさらに強くなり、いきみたいという感覚が出てきます。そのときは、医師や助産婦の指示に従っていきむようにします。徐々に陣痛のときに赤ちゃんの頭が見え隠れするようになります。会陰部に大きなかたまりがはさまったように感じるようになり、痛みも最大に強くなります。そして、最後には陣痛と陣痛の合間のときでも、赤ちゃんの頭は引っ込まず見えたままの状態になります。この状態になったら、手を胸の上に組んで短い呼吸をし、いきまず全身の力を抜きましょう。赤ちゃんは頭を旋回させながら、顔を下に向けて生まれてきます。体の中でいちばん大きい頭が産道をくぐり抜ければ、続いて肩、腕、胴体、脚と出てきます。赤ちゃんの誕生です。

[分娩第3期]

赤ちゃんが産まれてから胎盤が出てくるまでの期間を分娩第3期と言います。

赤ちゃんが産まれると子宮は収縮し、おへその部分まで下がってきます。しばらくすると、後陣痛と呼ばれる子宮の収縮が起こり、胎盤がはがれて出てきます。

・所要時間の目安

初産婦

約15~30分

経産婦

約10~20分

帝王切開の分娩の流れ

計画された予定帝王切開の場合、手術の前日に入院をすることが多いです。入院後、赤ちゃんの状態を確認するノンストレステストを行ったり、剃毛などの手術前の準備を行います。手術の6時間前から食事が摂れなくなるため、朝ごはんは禁食となります。お水を飲むのも2時間前までとされることが多いです。

手術室に移動し、点滴、尿道カテーテルの挿入、麻酔が行われます。麻酔は背中から行う脊椎麻酔が一般的で、お母さんは意識のある状態で手術が行われます。麻酔が効いているかしっかりと確認がされ、手術が開始されます。

赤ちゃんは手術が開始して数分後に誕生することが多いです。赤ちゃんの状態に問題がなければ、赤ちゃんのお顔を見たり、抱っこができる病院もあります。その後おなかを閉じる処置がされ、トータルの所要時間の目安は約1~2時間となります。

まとめ

以上が一般的な分娩の進み方です。ただし、これは標準的な流れであり、各段階の時間には個人差があります。分娩に異常があるかどうかは、時間の流れだけでなく、赤ちゃんの大きさや姿勢、陣痛の強さなど色々な要因によって判断されるため、

標準より早かったり遅かったりしても、それだけで不安になる必要はありません。また、陣痛中はとても辛く感じると思いますが、痛みを感じているときは同時に赤ちゃんも頑張っていることを思い出してください。お母さんとお父さんに会おうと必死に頑張っている赤ちゃんのことを思うと、自然と力も湧いてくるものです。

新しい命の誕生を迎えるその瞬間まで、リラックスしながらマタニティライフを楽しんでください。

チャンスは出産時の一度きり。赤ちゃんの将来の安心に備えるさい帯血保管とは

もうすぐ出産。産まれてくる赤ちゃんのために、赤ちゃんがおなかにいる今しか準備できないことがあるのをご存知ですか?

それが「さい帯血保管」です。

さい帯血とは、赤ちゃんとお母さんを繋いでいるへその緒を流れている血液のことです。この血液には、「幹細胞」と呼ばれる貴重な細胞が多く含まれており、再生医療の分野で注目されています。このさい帯血は、長期にわたって保管することができ、現在は治療法が確立していない病気の治療に役立つ可能性を秘めています。

保管したさい帯血が、赤ちゃんやご家族の未来を変えるかもしれません。しかし採取できるのは、出産直後のわずか数分間に限られています。採血と聞くと痛みを伴うイメージがあるかと思いますが、さい帯血の採取は赤ちゃんにもお母さんにも痛みはなく安全に行うことができます。

民間さい帯血バンクなら、赤ちゃん・家族のために保管できる

さい帯血バンクには、「公的バンク」と「民間バンク」の2種類があり、公的バンクでは、さい帯血を第三者の白血病などの治療のために寄付することができます。

一方民間バンクでは、赤ちゃん自身やそのご家族の将来のために保管できます。現在治療法が確立されていない病気に備える保険として利用できるのが、この民間さい帯血バンクです。

ステムセル研究所は、国内シェア約99%を誇る国内最大の民間さい帯血バンクです。

<ステムセル研究所が選ばれる理由>

・1999年の設立以来20年以上の保管・運営実績あり

・民間バンクのパイオニアで累計保管者数は7万名以上

・全国各地の産科施設とのネットワークがある

・高水準の災害対策がされた国内最大級の細胞保管施設を保有

・厚生労働省(関東信越厚生局)より特定細胞加工物製造許可を取得

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さい帯血を保管した人の声

■出産の時だけのチャンスだから(愛知県 美祐ちゃん)

「さい帯血を保管しようと決めたのは、妊娠8ケ月の時でした。最初の病院では、民間バンクは確証がないということで断られました。でも、そんな考えであきらめていいのかと思い、他院への転院を決意。3軒目の病院で婦長さんが話を聴いてくださり、先生と相談した結果、無事採取保管となりました。

採取できるチャンスはたった1回だけ。将来、医療技術が進歩した時に後悔しないためにも、採取保管できて本当に良かったと思います。今後、さい帯血が多くの人に理解され、官民問わず必要とする人々が有効に利用できるようなシステムになっていくことを望みます。」

■さい帯血が本当の希望になりました(東京都 M・Y様)

「私の子どもはウィルス性の病気から脳の一部が機能障害となりました。万が一に備えて保管しておいたさい帯血。

治療に効果があると知り、現在は移植治療に向けて準備をしているところです。まさか使うことになるとは思わなかったし、使わない方が良かったのですが、一生に一度きりのさい帯血を保管しておいて良かったと心から思います。」

※ほかの保管者のから声はこちら

さい帯血保管は、赤ちゃんへの「愛」のプレゼント。

心も体も出産に向けた準備をしながら、赤ちゃんに会えるまでのもう少しの期間、ぜひ幸せな気持ちで過ごしてくださいね。

 

▼さい帯血保管について、もっと詳しく

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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