《備えて安心♫予定日が近づいたら分娩のシミュレーションを!》

予定日が近づいてくると、赤ちゃんと会えることを心待ちにする反面、不安な気持ちもムクムクと湧いてくると思います。しかし、分娩の流れを知っておけば心構えができます。本番に落ち着いて対処できるように妊娠中にシミュレーションをしておきましょう。

 まずは、分娩のサインですが、一般的には「おしるし」「陣痛」「破水」が三つのサインと言われています。

■サイン①おしるし

 子宮口が開き始めると出てくる、出血が混じったおりもののことです。

 ただし、これは出産が近づいてきたサインではありますが、これだけで分娩になることはありません。清潔なナプキンをあて、他のサインが出てくるまで、慌てず落ち着いて普段通りの生活を続けましょう。

■サイン②陣痛

 最初は不規則に、次第に規則的で強い張りに変わっていきます。

一般的に初めての出産では陣痛が始まってから分娩まで14時間ほどかかります。ただ個人差が大きく、20時間以上かけてお産をする人もいれば、14時間以下と短時間の人もいます。経産婦の場合は前回の出産の半分ほどの時間と言われることが多く、平均は約8時間となっています。

10分間隔の痛み(もしくは1時間に6回の痛み)が定期的に訪れるようになったら、陣痛が始まりと言われています。ただし、この段階では、分娩まではまだまだ長い時間を要します。かかりつけの医療機関からは、連絡するタイミングなどは説明(例えば、初産婦なら10分以内、経産婦なら15分以内の規則的に繰り返す陣痛を感じたら連絡してくださいなど)があると思います。そのため、痛みを感じ始めたら、まずは陣痛の間隔をカウントするようにしましょう。

■サイン③破水

 赤ちゃんを包んでいた卵膜が破れて、羊水が外に流れ出てくることを言います。パンという感覚を自覚する場合もあれば、膣から羊水が流れ出て初めて気づくこともあります。

破水した場合は、清潔なナプキンをあて、すぐに分娩予定の医療機関へ連絡をしましょう。破水後に入浴やシャワーは厳禁です。中には尿漏れやおりものとの区別がつかない場合もありますので、判断できない場合もまずは医療機関へ連絡するようにしましょう。

《分娩の進み方と過ごし方》

それでは、分娩のサインから赤ちゃんが産まれてくるまではどのように進んでいくのでしょうか。

分娩の進み方は、分娩第1期、分娩第2期、分娩第3期の3つに分けることができますので、それぞれの時期に分けて説明していきます。

[分娩第1期]

陣痛の始まりから子宮口が全開大になるまでの期間を分娩第1期と言います。

さらに分娩第1期は4つの段階に分かれています。

□潜伏期

 子宮口が0~2.5cmになるまでの段階です。陣痛の間隔は10分以内(1時間に6回以上)ですが、まだ耐えられる程度の痛みで持続時間もまだ短いです。

□加速期

子宮口が3~4cm開くまでの段階です。陣痛は5~6分間隔になり、強さもだんだん増していきます。

□極期

 子宮口が8 cm開くまでの段階です。

 お産の過程でも一番苦しい時期といえます。陣痛は2〜3分毎となり持続時間も長くなっていきます。赤ちゃんの頭が、骨盤の中に深く入ってきますから、いきみたくなる間隔が出てくることが多いです。

□減速期

子宮口が9 cmから10 cmになるまでの段階です。児頭がさらに骨盤内に下がってきます。

◎分娩第1期の過ごし方のポイント

 この時期は陣痛をいかに乗り越えるかが大切になります。痛みでパニックにならないように自分が一番楽な姿勢を探して痛みを逃していきます。また、ここで体力を使い切ってしまうと微弱陣痛になって分娩が長引いたり、いざ赤ちゃんを出すときに力が入らなかったりという状況になってしまいます。呼吸法やリラックス法を上手に活用して、リラックスして過ごすようにしましょう。また、陣痛の合間には食べられるものや水分をしっかり摂るようにしましょう。

《注意が必要な症状》

ずっと合間なく腹痛が続いていたり、おなかが板のように硬い状態が続いたり、赤ちゃんの動きが感じられないなどといった症状とともに少量の出血がみられた場合は、出産よりも先に胎盤がはがれてしまう「常位胎盤早期剥離」という状態の可能性があります。

これは、赤ちゃんとお母さんの命にかかわる危険な状態であり、大至急の対応が必要です。すぐにかかりつけの医療機関へ連絡しましょう。他にもいつもと違う症状を感じたり、判断に迷う場合は、遠慮せずにかかりつけの医療機関に相談するようにしてください。

[分娩第2期]

子宮口が全開大になってから赤ちゃんが出てくるまでの期間を分娩第2期と言います。

赤ちゃんの頭が骨盤に入り、旋回しながらゆっくりと出てきます。初産婦ではおよそ1~2時間、経産婦ではおよそ30分~1時間が標準的な経過時間とされています。

陣痛は1~2分間隔になり、持続時間も40~60秒続きます。痛さも分娩1期よりもさらに強くなり、いきみたいという感覚が出てきます。そのときは、医師や助産婦の指示に従っていきむようにします。徐々に陣痛のときに赤ちゃんの頭が見え隠れするようになります。会陰部に大きなかたまりがはさまったように感じるようになり、痛みも最大に強くなります。そして、最後には陣痛と陣痛の合間のときでも、赤ちゃんの頭は引っ込まず見えたままの状態になります。この状態になったら、手を胸の上に組んで短い呼吸をし、いきまず全身の力を抜きましょう。赤ちゃんは頭を旋回させながら、顔を下に向けて生まれてきます。体の中でいちばん大きい頭が産道をくぐり抜ければ、続いて肩、腕、胴体、脚と出てきます。赤ちゃんの誕生です。

[分娩第3期]

赤ちゃんが産まれてから胎盤が出てくるまでの期間を分娩第3期と言います。

赤ちゃんが産まれると子宮は収縮し、おへその部分まで下がってきます。しばらくすると、後陣痛と呼ばれる子宮の収縮が起こり、胎盤がはがれて出てきます。経過時間は、およそ20~30分とされています。

《まとめ》

以上が一般的な分娩の進み方です。ただし、これは標準的な流れであり、各段階の時間には個人差があります。分娩に異常があるかどうかは、時間の流れだけでなく、赤ちゃんの大きさや姿勢、陣痛の強さなど色々な要因によって判断されるため、標準より早かったり遅かったりしても、それだけで不安になる必要はありません。また、陣痛中はとても辛く感じると思いますが、痛みを感じているときは同時に赤ちゃんも頑張っていることを思い出してください。お母さんとお父さんに会おうと必死に頑張っている赤ちゃんのことを思うと、自然と力も湧いてくるものです。新しい命の誕生を迎えるその瞬間まで、リラックスしながらマタニティライフを楽しんでください。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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