2021年5月31日
帝王切開

スケジュール例で解説!帝王切開での入院

入院期間が長い!?日本の帝王切開

経腟分娩でも帝王切開でも、日本は欧米に比べて入院期間が長いといわれています。

欧米では、帝王切開でも4日程度で退院できるのだとか・・・

しかし、それはしっかりとした骨格で身長が高い欧米人は出産によるダメージが少ないことが関係しています。日本人の体質や体型は、出産によるダメージが大きく産後の回復に時間がかかってしまうため、どうしても入院期間が長くなります。

そんな日本の出産の中でも、入院期間が長いのが帝王切開による入院。

経腟分娩での入院期間が産後5日程度なのに対し、帝王切開での入院期間は産後6~10日程度になります。予定帝王切開の場合は、それに加えて手術の説明や診察、手術前の絶食もあり、前日に入院することがほとんどです。

「産後6日~10日って、何をするの?そんなに必要?」と思われるかもしれません。

そこで、今回は帝王切開での入院中にどんなことをするのか、予定帝王切開での入院スケジュール例をたどりながらご紹介していきます!

 

手術前から出産までの流れ

・1日目

まず、入院中の過ごし方や入院から退院までの流れについて説明が行われます。母体や赤ちゃんの検査、切開部位まわりの剃毛などの処置も行われます。

また、出産時の麻酔の副作用を抑えるために、夜からは絶食となるのが一般的。お水もNGとなることがあります。

・2日目(手術当日/産後0日目)

いよいよ手術の日。点滴や尿を出すためのカテーテルを入れる処置が行われます。前日からの絶食でのどが渇きますが、うがいはOKです。飲み込まないように気をつけて、うがいをしてみると良いでしょう。

手術室へ移動し、いよいよ帝王切開術の始まりです。執刀医がしっかりと安全に赤ちゃんを取り出してくれますから、リラックスして出産の時を待ちましょう。

手術後、ママは産後の処置を受けます。その間は赤ちゃんも全身のチェックを行います。すぐに抱っこしたいママの想いはもちろんですが、誕生後すぐの全身のチェック、体重等の測定、感染症予防の目薬点眼などは、赤ちゃんにとって、とても大切。検査や処置が終わって母子ともに問題がなければ、対面できることもあります。

 

出産翌日から退院までの流れ

・3日目(産後1日目)

ごく少量から食事が始まり、異常がない場合は体を動かすことを勧められます。まだまだ痛みがある時期ですが、帝王切開後は血の塊ができやすく、血の塊で血流を悪くしてしまう「静脈血栓症」という症状が出やすい時期です。血栓予防のためにまずはトイレに歩いて行けることを目標にして少しずつ動いてみましょう。

また、赤ちゃんとママの経過が順調な場合は、ベッドの上で授乳を始めることも。

・4日目(産後2日目)

まだ痛みはありますが、そろそろ母子同室が始まる時期です。病院の方針によって、多少前後することがありますが、母子同室ではない場合でも、赤ちゃんのお世話をする回数が増えます。おむつ交換や授乳など、お世話をした時間などは記録表に記入していくので、赤ちゃんのリズムが少しずつ見えてくるでしょう。

また、母乳が少しずつ出始める時期です。母乳が出る時期は、出産後早期から授乳をしていれば、帝王切開でも経腟分娩の場合と変わりません。

母乳、乳房トラブルも起きやすい時期ですから、辛い症状があるときには遠慮なく助産師さんに相談しましょう。逆に母乳が出にくいことも珍しくはありませんが、不安な場合は抱え込まずに相談してみてくださいね。

・5日目(産後3日目)

ママの体調によってはシャワーの許可が出るころです。久々のシャワーはとても気持ちが良いですが、忘れてはいけないのは「術後の回復段階にある」ということ。中には、出産時に大量の血液が失われ、貧血状態になっている方もいるので、長時間立ちっぱなしでいることは避け、ぬるめのお湯を使いましょう。傷痕はシートでカバーされている時期なので、触れなければ問題ありません。

このころ、ママによる赤ちゃんの沐浴も始まります。それまではスタッフが沐浴してくれていますが、ママも少し動けるようになったところで、沐浴指導やママによる沐浴が行われます。

・6日目(産後4日目)

傷の縫合が吸収糸ではなかった場合は、糸やステープラーを外します。しっかりと診察して、状態を見てから抜糸されるので心配はいりませんが、抜糸後のケアはとても大切。体質や摩擦などの刺激によって傷跡トラブルが起きる場合があります。かゆみがある場合や肌が弱い場合、アレルギーがあるなど傷痕の心配がある方は、担当医に相談をしてみると良いでしょう。入院中にケアの方法を指導してもらえると安心ですね。

そして、保健指導が行われます。保健指導では育児に必要な基本的知識のほか、ママ自身の心と体のケア、退院後の過ごし方、赤ちゃんに起こりやすい症状やその対処法など、退院後の生活に役立つ情報が満載です!

・7日目(産後5日目)

いよいよ退院前の診察。ママの体が順調に回復しているかどうか、また傷の状態はどうかを診察します。そして、赤ちゃんも退院前までに小児科医の退院診察を受けます。赤ちゃんについて聞きたいことや心配なことがあれば、小児科医にも相談してみるチャンスです。

赤ちゃんと過ごす最後の夜。翌日からの自宅での生活をシミュレーションしてみて、疑問や質問があれば、助産師さんや看護師さんに聞いておくと安心ですね。

・8日目(退院日/産後6日目)

ついに退院の日です。会計等の事務手続きや1カ月健診についての説明などがあります。赤ちゃんは初めて外の空気に触れることになるので、その日の気候に合った服やおくるみを準備してあげましょう。

ママも産後初めて外に出ることになりますが、産後6日でおなかやお尻まわりなどが元通りになることは少ないので、少しゆったりとした服を準備しておくことをお勧めします。

ママと赤ちゃんのペースで

実は、私も帝王切開での入院を3回経験しています。

妊娠経過もそれぞれ違い、病院もバラバラです。入院期間も7日間~9日間でした。

入院中の流れや内容はだいたいご紹介した通りでしたが、私の母乳トラブルがあったり、娘に新生児黄疸の症状が出たことも。その際は、母子同室を遅らせたり、最終的に退院を遅らせるなど臨機応変に対応してもらえました。また、その都度、不安にもなりましたが、助産師さんに何度も相談できたことで、とても救われました。

担当医や助産師さんに相談しながら、一つずつクリアしていけば、さほど大きく予定の入院期間を変えることなく退院の日を迎えられる場合がほとんどです。

入院中は不安もあるかもしれませんが、それぞれのママと赤ちゃんのペースで、お家での生活をスタートさせられるタイミングが必ず訪れます。

入院生活を無事に終えて、赤ちゃんとの生活がハッピーなスタートとなりますように願っています!

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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