妊婦さんのむくみの原因とは?効果的な7つの解消法や5つの対策を解説

妊娠生活を送っているが、むくみがひどくつらいと感じていませんか。

むくみがひどければ痛みが伴い「妊娠生活はつらい」と思ってしまいますよね。

妊娠すると、ホルモンバランスが変わり、むくみが生じやすくなります。

実際に、株式会社ニコ・ワークスが運営するbabycoが出産を経験した人に行った調査によると、むくみは妊娠中に感じる体調不良の症状「第7位」にランクインしているとわかりました(※1)。

しかしむくみを解消・対策する方法はあるのです。

この記事では主に、以下のような内容を解説していきます。

・妊婦さんがむくむ原因
・むくみを解消する7つの方法
・むくみを予防する5つの対策

この記事を読むと、むくみのつらさが軽減され、安心して妊娠生活を送れるようになりますよ。

出典:(※1)PRTIMES「461人のママたちに丁寧に聞いたアンケート!妊娠中、産後に抱えるメンタルや体の不調の実態とは?」

妊婦さんがむくむ3つの原因

むくみとは体の中に余分な水分が溜まり、腫れぼったいように感じる状態をさします。

妊娠中にむくみが起きる原因は以下の3つです。

・ホルモンバランスの変化
・血液量の増加
・子宮の成長

順番に紹介していきます。

原因1:ホルモンバランスの変化

妊娠中はホルモンバランスが変化して妊娠状態を保とうとするため、体内に水分や栄養が貯まりやすくなり、むくみが生じます。

胎児や母体を守るための自然な現象といえるでしょう。

原因2:血液量増加

妊娠中は胎児に栄養や酸素の供給、出産時の出血に備えるため、血液量が増加します。

岡山大学病院 循環器内科が公表している資料によると、妊娠32週目には、妊娠前の状態から「40~50%」血液量が増加すると報告されています(※2)。

血液中には血小板や赤血球のほか、水分も含まれているためむくみの原因となるのです。

出典:(※2)岡山大学病院 循環器内科「母体に起こる妊娠・出産時の血行動態変化」

原因3:子宮の成長

血液は心臓のポンプ作用で体内を循環しています。

しかし子宮の成長によってお腹の重みが増し、足から心臓へ血液が戻りづらい状態がつくられます。

足から心臓へ血液が戻らないと、下半身に血液が溜まってしまい、むくみやすくなるのです。

足のむくみは、子宮の成長が大きな原因といえるでしょう。

むくみやすい妊婦さんの4つの特徴

長時間同じ姿勢でいると血液の循環が悪くなり、むくみが起こります。

個人差はありますが

1.デスクワークや立ち仕事
2.冷え性
3.運動不足
4.高齢

の妊婦さんは、むくみやすくなるといわれています。

これは身体の機能が低下し体内の水分をうまく逃がすことができなくなってしまうことがおもな原因です。

逆に日頃から運動している妊婦さんは、むくみにくいといえるでしょう。

【注意】むくみに関連する妊娠高血圧症候群

妊娠時に高血圧を発症することを、妊娠高血圧症候群といいます。

高血圧または高血圧と尿蛋白を認める場合に、妊娠高血圧症候群と診断されます。

頭痛や目がチカチカするといった症状の他に、むくみも含まれていますが、むくみだけの症状であれば妊娠高血圧症候群とは診断されません。

妊娠後期特有のむくみであれば、健康上の問題はありませんが、むくみの症状が気になる場合、妊婦健診で血圧や尿蛋白に異常がないことを確認しておくと安心です。

妊婦さんのむくみは体重増加の原因になる?

むくみは、妊婦さんが気になる体重増加の原因にもなります。

具体的には「500g/週」以上の体重増加がみられる場合は、むくみが原因の可能性も考えられるでしょう(※3)。

「食事の量に気を付けているのに、思うように体重コントロールができない」と思われている妊婦さんも多いのではないでしょうか。

妊娠中はどうしてもむくみが出やすい状態です。

むくみ自体は危険ではありませんが、体重管理のためにもむくみを解消し、安心して出産を迎えましょう。

出典:(※3)妊娠出産・母性健康管理サポート「妊娠浮腫」

妊婦さんに効果的な7つのむくみ解消法

妊娠中のむくみは痛みが伴うこともあり、つらいものですよね。

ここでは、すでにむくみを感じている人に向けて、7つの解消法を紹介していきます。

ここで紹介する解消法を実践すれば、きっと楽に日常生活を送れるようになりますよ。

解消法1:カリウムを摂取する

カリウムは塩分の排出を促すのでカリウムを含んだ食材を摂取することはむくみの解消に繋がります。

カリウムを多く含む食品の代表例は、以下のとおりです。

海藻類 こんぶ・ひじきなど
野菜類 ほうれん草・かぼちゃなど
豆類 大豆・枝豆など
芋類 さつまいも・じゃがいもなど
果物類 バナナ・キウイなど

厚生労働省によると、カリウムの摂取量目安は「2,000mg/日」、目標摂取量は「2,600mg/日」とされています(※4)。

ただし、腎機能が低下している場合はカリウムがうまく排泄されなくなる恐れがあるため、医師に相談してください。

出典:(※4)厚生労働省「対象特性」

解消法2:むくみに効果のあるお茶を飲む

むくみ解消に効果があるとされるお茶は以下の7種類です(※5)。

・麦茶
・決明子茶
・トウモロコシ茶
・蓮の葉茶
・桑の葉茶
・アカシアの花茶
・トウモロコシのひげ茶

これらはノンカフェインであるため妊娠中でも比較的安心して飲めますが、飲用前には念のため医師へ相談しましょう。

出典(※5)実践女子大学学術機関リポジトリ「韓国の伝統茶について」

解消法3:マッサージをする

手のひらをふくらはぎに当てて、足のくるぶしから太ももへ向かってゆっくりさすり上げます。

リンパの流れをスムーズにすることで血流の改善が可能です。

強く揉まずに気持ちよいと感じる程度にしましょう。

マッサージは体の外側から心臓に向かって行います。

解消法4:十分な睡眠をとる

むくみがひどいという妊婦さんのなかには、睡眠不足が原因となっているケースも。

睡眠不足はホルモン分泌の異常に繋がり、むくみの原因になることもあります。

おなかが大きくなって安眠できないという人は、昼寝をしたり、抱き枕などを使って寝る体勢を工夫したりしながら睡眠不足を解消しましょう。

むくみ解消に効果的な体勢は、「左側を下にして寝る」ことです。

体の右側には心臓に向かう血管である大静脈が走っているため、ここを圧迫すると血行が悪くなり、むくみの原因となります。

解消法5:足を高く上げて寝る

足を高くして寝ることで、足の血液やリンパ液の戻りがよくなります。

足の下にクッションなどを入れて、足元を心臓より少し高い位置に置く時間をつくりましょう。

心臓に血液が戻りやすくなるため、むくみ解消につながります。

解消法6:むくみに効くツボを押す

とくに「足のむくみ」に効くツボを2種類紹介します。

・豊隆(ほうりゅう)
・太衝(たいしょう)

順番に紹介していきます。

豊隆

引用:柔道整復師・鍼灸師の日本医学柔整鍼灸専門学校「【天野先生コラム】むくみ解消に効く!足つぼや家庭で実践できる東洋医学」

一つ目は膝の外側から外くるぶしまでの中間にある「豊隆」とよばれるツボです。

親指の腹をツボの位置にあて、痛いくらいの強さで「1か所あたり約5秒」かけて「3セット」ゆっくり押してみましょう。

息を吐きながら押して息を吸いながら離していきます。

出典:(※6)柔道整復師・鍼灸師の日本医学柔整鍼灸専門学校「【天野先生コラム】むくみ解消に効く!足つぼや家庭で実践できる東洋医学」

太衝

引用:柔道整復師・鍼灸師の日本医学柔整鍼灸専門学校「【天野先生コラム】むくみ解消に効く!足つぼや家庭で実践できる東洋医学」

二つ目は足の甲の親指と人差し指の骨が交わるところから、やや指先寄りにあるへこみの「太衝(たいしょう)」というツボです。

親指やツボ押し棒などを使ってグリグリと力を入れて押してみましょう。

お風呂や足湯で足を温めてから押すと効果的です。

こちらも「1か所あたり5秒×3セット」を目安に行いましょう。

解消法7:着圧ソックスの使用

着圧ソックスは足に適度な圧をかけることにより、むくみを解消してくれます。

妊婦さんのなかでも、妊娠後期のむくみ対策として取り入れている人が多いようです。

着圧の弱いマタニティ用のものを選ぶようにしましょう。

【いまから始める】妊婦さんがするべき5つのむくみ予防対策

むくみが解消されても油断は禁物です。

これから紹介する5つの対策を行い、むくみを防ぎましょう。

対策1:塩分を控える

塩分の過剰摂取は、むくみを引き起こす原因になります。

外食などが続くと、塩分摂取が過剰になりやすいもの。

普段の食事から塩分を控えるように意識し「7~10g/日」の摂取を目安にしましょう(※7)。

出典:(※7)厚生労働省「私たちの栄養課題」

対策2:水分を摂取する

むくみ=余分な水分が溜まった状態であるため、できるだけ水分補給をしないほうがよいと思う妊婦さんもいるかもしれません。

しかし、むくみの改善には水分の摂取が大切です。

水分の摂取量が減っても、血管から水分が出るしくみは変わりません。

水分の摂取を控えると反対に、血液の循環が悪くなってしまうのです。

水分補給をすることで体内の血流がよくなり、胎児にもしっかりと血液が届くため積極的に摂取するようにしましょう。

目安は「1.5~2.0L/日」です(※8)。

また、妊娠中は血栓症のリスクが「約6倍」に(※9)。

脱水は血栓のリスクになるため、こまめな水分摂取が大切です。

出典

(※8)CiNii Research「妊婦の妊娠中期以降における水分補給支援システムの開発」

(※9)J-TOTAL「当院における妊産婦の下肢深部静脈血栓症15例の検討」

対策3:軽い運動やストレッチをする

体調がよければ、妊婦体操やストレッチなど軽い運動で体を動かすとよいでしょう。

たとえば以下のような運動がおすすめです。

・ウォーキング
・スイミング
・マタニティビクス
・マタニティヨガ

おなかの張りや痛みが出た場合はすぐに休み、無理せず「10~15分」くらいを目安に行いましょう(※10)。

出典:(※10)こども家庭庁「妊婦のからだの変化」

対策4:体を温める

むくみの原因となる血流の悪化を防ぐには「体を冷やさない」ことが大切です。

夏場の冷房による、冷えや冷たい飲み物の摂りすぎには注意しましょう。

お風呂で湯船に浸かると、全身の血行をよくするためむくみに効果的です。

「38~40度」程度のぬるめのお湯に「10分程度」浸かるのがおすすめ。

熱いお湯や長湯は、疲れや貧血を招く恐れがあります。

足のむくみやだるさを感じるときは足湯をするとよいでしょう。

出典:(※11)福島県伊達市役所「お風呂のすすめ」

対策5:体を締め付けない服を選ぶ

衣類の締め付けが原因で、むくみに繋がる場合もあります。

むくみやすい状態にある妊婦さんは、ゆったりとした服を身につけるようにしましょう。

マタニティウェアは、おなかがゆったりとした作りになっているものが多く、機能的で脱ぎ着しやすいようにできています。

産後にも着られる授乳口付きのタイプもありますよ。

妊婦さんはどんな服装をしたらよい?重宝する服やおすすめの購入場所も紹介

まとめ

妊婦さんのむくみは、ホルモンバランスの変化、血流量の増加、子宮による圧迫など妊娠による体の変化が原因です。

とくにデスクワークや立ち仕事、冷え性、運動不足、高齢の妊婦さんがむくみやすいといわれています。

妊婦さんのむくみは生理的なものがほとんどですが、高血圧や尿蛋白を併せて発症している場合には、妊娠高血圧症候群と診断されることもあります。

・塩分を控える
・水分を摂取する
・軽い運動やストレッチをする
・体を温める
・体を締め付けない服を選ぶ

ことはむくみ予防対策になります。

ぜひ試してみてください。

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▼さい帯血保管について、もっと詳しく

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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