2021年8月31日
赤ちゃん

はしかと赤ちゃんの予防接種

赤ちゃんの感染症

妊娠や出産を経験すると、赤ちゃんの体調や病気について考えることが多くなりますよね。皆さんが聞いたことがある「はしか」とはどんな病気で、どのように予防したらいいのか見ていきましょう。

 

はしか(麻疹)はどんな病気?

はしかは飛沫感染、空気感染、接触感染する感染症でその感染力はとても高く、身近にはしかにかかっている赤ちゃんやお子さんがいると非常に高い確率で感染してしまいます。免疫を持っていない人が感染すると、潜伏期間(10-12日)を経て、ほぼ100パーセントの確率で発症します。

発症してから数日間は普通の風邪の様な症状で、38度前後の発熱、鼻水、咳等の症状が出ます。赤ちゃんの場合は、下痢や腹痛の症状も見られることが多いです。

口の中の頬の裏側にコプリック斑と呼ばれる1ミリ程度の小さな白い水疱が現れるのもはしかの特徴の一つです。

熱が1度程度下がった後に再度発熱し、その際に全身にかゆみのない赤い発疹が広がります。熱は39-40度と非常に高熱になることが多く、発疹もひどい場合は健常な皮膚が見えなくなる程に広がることもあります。

発疹が現れてから3-4日後には熱が下がりますが、発疹は赤から黒褐色となりその後しばらくの間、色素沈着します。

主な症状が落ち着いて元気になっても、免疫力が下がっているので他の感染症にかかってしまうと重篤化しやすくなっているので気をつけなくてはなりません。

体力が戻ってくるまでに1ヶ月程かかると言われていますので、回復するまでにとても時間がかかる感染症です。入院が必要となる場合もあります。

はしかに感染すると中耳炎や肺炎、気管支炎等の合併症を起こす場合があり、一番多い合併症である中耳炎では、はしかに感染した患者全体の5-15パーセントに見られます。

赤ちゃんの場合は、自分から症状を訴えることがないのでお母さんやお父さんが注意して見てあげることが大切です。

一番重い合併症として亜急性硬化性全脳炎というものがあり、これははしかを患ってから数年〜十数年の間で進行する脳炎で、発症した場合は最終的には脳死状態になるとてもおそろしい病気です。

 

はしかを予防するには?

赤ちゃんが病気で苦しんでいる姿を見るのは親としてもつらいですよね。特にはしかには特異的な治療法はなく、重篤化する可能性もあるので予防をすることで感染を避けるのが一番です。

先程も述べたように、はしかはとても感染力が強いのでマスクだけでは防ぐことはできません。ワクチンを接種して抗体をつけることで予防しましょう。

はしかの予防接種は、現在は麻しん風しん混合ワクチンが主流で、生後12ヶ月から24ヶ月の1歳児の間に受ける1回目、小学校入学前1年間で受ける2回目の2回接種制度となっており、これによりほとんどの人が抗体をつけることができると言われています。

接種から抗体獲得まで約2週間かかるので、はしかが流行してからではなく赤ちゃんが1歳の誕生日を迎えたら早めに受けることをお勧めします。

予防接種を受ける上で気になるのは副反応やアレルギー反応ですが、赤ちゃんの時に受ける1回目の予防接種の場合の副反応は発熱で約13パーセント、発疹や蕁麻疹ではそれぞれ数パーセント程度の赤ちゃんに副反応が現れ、小学校入学前に受ける2回目では更にその割合が低くなり、接種した箇所に反応が出る程度と言われています。

1回目、2回目の接種共に重篤な副反応はほぼ見られないとのことなので安心して受けられる予防接種です。

アレルギー反応についても、卵そのものが使われているわけではないので卵アレルギーをお持ちの赤ちゃんでも問題なく接種できますが、赤ちゃんにアレルギーがある場合は接種前にお医者さんに相談して情報共有しておくと安心です。

 

1歳前の赤ちゃんの予防接種

保育園等の集団活動の場に1歳を迎える前に入園されたり、ご家族で海外旅行されたりする場合等、生後12ヶ月を迎える前にはしかの予防接種を受けたいという方もいらっしゃるでしょう。

その場合は定められている定期接種の期間である、生後12ヶ月になる前の赤ちゃんがはしかの予防接種を受けることはできるのでしょうか?

結論としては受けることが可能です。(お母さんが麻疹の免疫があれば、胎盤を通って赤ちゃんに届いています。6カ月はその免疫に守られ、罹りにくいと言われています。)

ただし、定期接種の時期とは異なるので自己負担で受けることになります。料金は場所によっても異なりますが、10,000円前後が相場です。

また、生後12ヶ月前の接種では12ヶ月後の接種よりも抗体が獲得されにくいことから、生後12ヶ月から受けられる通常の定期接種も忘れずに受けるようにしてください。

 

最後に

はしかは高熱や合併症等恐ろしい病気ですが、予防接種を受けていればかかってしまう可能性は低いです。忘れずに定められた期間で予防接種を受けましょう!

もし赤ちゃんやお子さまがはしかのような症状かも?と思われたら、感染を広げないようにまずは病院に連絡して対応を仰ぐようにしてください。

 

 

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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