2022年1月27日
赤ちゃん・子育て

おなかのかぜ~ウイルス性胃腸炎~、 脱水症状と家庭内感染にも注意が必要です

坂田陽子

記事監修者:坂田陽子

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

ウイルス性胃腸炎は、「おなかのかぜ」、「はきくだし」、「嘔吐下痢症」等と呼ばれることもあります。
特に寒い季節に、発熱や突然の嘔吐の症状が出ましたら、「ウイルス性胃腸炎」の可能性もあります。
お子さまが、もし感染されてもご不安が軽減されますよう、詳しく解説させていただきます。

ウイルス性胃腸炎の原因は?

原因は、ノロウイルス、ロタウイルスなどがあります。
感染経路は、感染者の嘔吐物や便を触った手やその手で触れたものを介して口に入り感染します。また嘔吐物が乾燥し、そこからの微粒子が空気を介して口から感染します。

以下、原因ごとに詳しく見ていきたいと思います。

ノロウイルスによるウイルス性胃腸炎の場合

熱がでて、突然の嘔吐、腹痛や下痢の症状が出ます。ノロウイルスによる胃腸炎は、11月ころから増え始めて、12月から1月にかけて流行のピークを迎えます。感染力が強く、少量でも感染します。比較的軽い症状で済むことが多く、自然に回復を待つことになります。
下痢と嘔吐がある場合は、脱水症状に注意して安静に過ごしましょう。
また、家庭内感染を予防するため、こまめに石鹸で手を洗うなどしてください。

1968年に米国のオハイオ州ノーウォークという町の小学校で集団発生した急性胃腸炎の患者のふん便からウイルスが検出され、発見した土地の名前を冠してノーウォークウイルスと呼ばれるようになりました。

1972年に、電子顕微鏡下でこのウイルスの形態が明らかにされ、ウイルスの中でも小さく球形をしていたことから「小型球形ウイルス」と考えられるようになりました。さらに、このウイルスの遺伝子を調べると「小型球形ウイルス」には、ノロウイルス属、サポウイルス属の分類があることが2002年の国際ウイルス分類委員会(ICTV)で分類されました。

ロタウイルスによるウイルス性胃腸炎の場合は?

コメのとぎ汁のような白っぽい下痢便(※1)が出るのが特徴で「白色便性下痢症」とも呼ばれています。激しい嘔吐と長い下痢が続きます。嘔吐はなく、下痢だけということもあります。このような症状は、4~5日程度、長い時で一週間程度続き、1~2日発熱を伴うこともあります。ロタウイルスが原因のウイルス性胃腸炎の場合も、非常に感染力が強いです。家庭内感染予防の観点から、こまめな手洗い等を行ってください。
激しい下痢と嘔吐によって急速に脱水症状が進むことがありますので、ノロウイルス同様、脱水症状を防ぐことが大切になります。

※1 白っぽい下痢便
白色の下痢便は、ロタウイルスによる胃腸炎の診断の決め手となりますので、小児科受診前にこの症状がありましたら、スマホのカメラ機能などで撮影して医師に見せれるようにすると良いと思います。

ウイルス性胃腸炎の治療は?

ロタウイルスに効果のある抗ウイルス薬はないため、自然な回復を待つことになります。脱水予防と、下痢に対する対症療法を行います。脱水症の心配があるときは点滴を行うことがあります。
嘔吐が1日以上続くときや下痢が長引くときは再受診しましょう。

脱水症状を防ぐためのホームケア

~どのような飲み物・食品がよいでしょうか?~

・湯冷まし
・麦茶
・赤ちゃん用飲料
・乳幼児用の経口補水液
・おもゆ、おかゆ
・うどん
・とうふのすり流し
・野菜スープ

水分は一度に沢山飲ませようとすると、吐いてしまうかもしれませんので、少量をこまめに数回に分けましょう。
湯冷ましや麦茶には、水1リットルに対して塩2gを加えて、体の電解質を補うのもおすすめです。

~避けた方が良い飲み物・食品は?~

・柑橘系のジュース
・牛乳
・冷たいもの
・乳製品
・甘い物
・繊維質の多い野菜・キノコ類

おむつかぶれにも注意です!

下痢の時は、おむつかぶれも起きやすいです。おむつ替えはこまめに、またシャワーでこまめにおしりを洗って、しっかり乾かしましょう。
ただれているときは、ワセリンやベビーオイルを塗りましょう。または、おむつかぶれのことを小児科に相談すると塗り薬を処方してくださいます。

さいごに

下痢や嘔吐など、赤ちゃんの苦しそうな様子をみると、ママ・パパも辛くとても心配になると思います。
そんな時は、下痢や嘔吐を「細菌やウイルスを体外に排出するための体の反応」とまずは捉えてみてはいかがでしょう。そのうえで、下痢と吐き気が起こった時は、脱水症状への対応が鍵になってきますのでご紹介したホームケアを実践してみてください。さいごに、お子さまのケアでママ・パパにも疲れがたまりませんよう、ご家族みなさま無理なく、栄養をとってください。
お子さまの健やかなご成長をお祈りしております。

 

参考文献

北村享俊『すぐに引ける子どもの病気がわかる事典 小児科の専門医が、子どもの症状に応じて診断』成美堂出版、2004年8月10日

細谷亮太『0~6才 赤ちゃん・子ども病気百科』主婦の友社、2008年1月19日

宮下守『症状からすべてわかる 子どもの病気の不安に答える本』講談社、2010年09月01日

横田俊一郎『NHKすくすく子育て 育児ビギナーズブック(2)病気』NHK出版、2010年2月26日

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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