2022年1月4日
出産準備

大切な出産どこでする?産院選びのポイント

坂田陽子

記事監修者:坂田陽子

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

納得のいく出産ができる産院を探そう!

妊娠がわかって最初にすることといえば、これから妊婦健診を受けたり出産をしたりする産院を決めることではないでしょうか。一言で産院といっても大きな大学病院からアットホームな助産院まで様々な種類があります。
一生のうち、多くても数回しかない大切な出産。出産をする産院選びは重要です。納得のいく出産をするためにも、今回は産院の種類、それぞれの違い、産院選びのポイント、バースプランについてもご紹介していきます。

産院の種類とそれぞれの特徴

①大学病院

最新医療設備が整い、スタッフ数が多いのが特徴です。産科以外の診療科も充実しています。MFICU(母体胎児集中治療室)、NICU(新生児集中治療室)などの緊急時に対応ができる設備も備わっていて、リスクの高い出産(合併症・双子妊娠・高齢出産など)でも安心感があります。

スタッフ数が多いため、妊婦健診のたびにスタッフが変わることがあります。診察時と分娩時の医師が異なることもあります。また、大学病院は研修機関であるため、研修の一環として出産に実習生も立ち会うことがあります。

②総合病院

大学病院と同様に産婦人科以外の診察科目が併設されており、スタッフの数やベッド数などの設備が充実しているのが特徴です。リスクが予想される出産でも対応できる場合があります。内科や小児科も併設されているため、出産時に何かあったとき、すぐに対応してもらうことができます。病院の規模によっては妊婦健診のたびにスタッフが変わることがあります。

③個人病院

アットホームな雰囲気で、施設ごとにシャワー・トイレ付きの個室、豪華な食事など、異なるサービスがあるのが特徴です。妊婦健診から出産まで同じスタッフに対応してもらえることが多いです。リスクの高い出産でなければ、出産方法が選べる施設もあります。
診察科目は産婦人科がメインでスタッフ数や設備は、大学病院や総合病院より少ないですが、総合病院に比べて費用が安く済むことがあります。呼吸法、体操、母親教室などを開いている施設もあります。

④助産院

助産院とは助産師が入院から出産までを介助する施設です。医師がいないため、医療行為は行えません。助産院では妊婦さんが健康で、妊娠中のトラブルがなく、普通分娩での出産が予想できることが大前提となります。緊急時には近くの産婦人科と連携が取れるようになっています。

アットホームな雰囲気のところが多く、妊娠中から親身なフォローを受けられます。自宅出産にも対応してもらえるところもあるので、自分らしいお産にこだわりたい人向けです。病院に比べて費用が安いという特徴もあります。

まずは出産で重視したいことを確認しよう

産院を選ぶ際、まずは出産で重視したいことは何か、ご自身で考えてみましょう。出産は家族のサポートも必要となりますので、ご自身の考えがまとまったら、ご家族とも相談して、出産で重視すべきポイントを確認します。
以下を参考に自分に合ったサポートをしてくれる産院はどこか、探してみましょう。

・家からの距離
・費用(分娩費用、入院費用)
・分娩方法の種類(分娩方法を選べるか)
・立ち会い出産の可否
・個室の有無
・母子同室の可否
・食事内容
・産前、産後のケア内容
・スタッフとの相性
・緊急時の対応

自分のリスクに応じた産院を選ぼう

出産は今でも危険が伴う命がけの行為です。出産で命を落とす方もいますし、赤ちゃんの命が危ない状態になることもあります。そうしたリスクを出来るだけ避けるためにはリスクに応じた産院選びは重要です。
ハイリスク妊娠に当たる人は、緊急事態の対応に強い大きな病院での出産が勧められます。ハイリスク妊娠に対応できる病院は、総合周産期母子医療センターや地域周産期母子医療センターの指定を受け、多くがNICU(新生児集中治療室)を持っています。
かかったところが自分のリスクに合わない場合は医師から転院を勧められることもあります。日本では産院は自由に選べるのが原則ですが、この点においては医療側から決められることになります。

納得のいく出産をするためにバースプランを作ってみましょう

どのような出産をしたいか、計画を立てるのがバースプランです。具体的には、病院に入院したとき、陣痛が起こっているとき、赤ちゃんが生まれるとき、赤ちゃんが生まれた後に自分がどうしたいか、どうして欲しいかを書くものです。人生に何度もあることではない出産については、様々な希望があることと思います。納得のいく出産が産院でできるかどうかは大切なポイントです。

家族と相談しながらバースプランを作ってみましょう。バースプランの記入例には以下のようなものがあります。したいこと、してほしいことだけでなく、したくないこと、してほしくないことも書いておくと良いでしょう。自分の思いを書くとバースプランが赤ちゃんへのお手紙になります。

・陣痛中に好きな音楽やアロマなどでリラックスしたい
・分娩方法を選びたい(無痛分娩や和通分娩、座位分娩、水中分娩など)
・立ち会い出産を希望したい(夫、赤ちゃんの兄姉)
・へその緒を家族に切ってもらいたい
・出産の様子をビデオに撮りたい
・生まれたばかりの赤ちゃんと写真を撮りたい
・産声を録音したい
・会陰切開はしたくない
・促進剤はなるべく使いたくない
・赤ちゃんに会えるのが楽しみ
・これからみんなで楽しい家庭を築きたい

まとめ

いかがでしたか。産院の種類や特徴について、おわかりいただけたでしょうか。産院によって出産の方針は様々です。お母さんと赤ちゃんの健康状態はどうか、出産で何を重視したいのか、どんな出産をしたいのか、よく考えて自分の納得のいく出産ができる産院を選ぶようにしましょう。
みなさんの出産が素晴らしいものとなりますように。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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