2023年11月29日
切迫早産

早産の場合に入るNICUとは?入る基準や入院期間と費用の目安も解説

「近々出産の予定だが早産になりそう」
「早産の場、NICUに入る可能性があると知り不安になった」
上記のような悩みがある妊婦さんもいるのではないでしょうか。
早産の場合、大切な赤ちゃんを守るためNICUへ入る可能性があります。
この記事では主に、以下のような内容を解説していきます。
・NICUとは
・NICUに入る基準
・NICUにかかる費用や入院期間
この記事を読むとNICUの基本的なことがわかり、出産後の心配や焦りがやわらぎますよ。

早産児が入院するNICUってどんなところ?

NICUとは「新生児集中治療室」の略称で、早産や心臓に病気のある赤ちゃんが健康に大きく育つためのサポートをする治療室です。

細菌感染などを防ぐために厳重に管理されていて、赤ちゃんはひとりずつ保育器の中で酸素や栄養をもらいながら治療を受けます。
呼吸や心拍、体温を管理するための特別な機械や設備が整っており、新生児を専門に治療する医師や看護師が、24時間体制で治療や赤ちゃんのお世話をしているのです。
またNICUでは、赤ちゃんの健康や成長を助けるため「照度」「騒音」にも配慮しています。
母親のお腹の中にいた赤ちゃんは、慣れない大きな音や明るい光にストレスを感じてしまうからです。

早産でNICUに入る基準

37週未満の早産、1000g未満の超低出生体重児、先天性の異常、呼吸器などに病気を抱えているなど、出生後に呼吸の管理が必要な赤ちゃんがNICUに入ります。
人工呼吸器を外せるようになり、体重2000gを超えるようになるとNICU退院の目安と言われます。

早産でNICUに入る場合の費用の目安

NICUの保育器の中での管理や治療に対して1日10万円ほどかかると言われていますが、保険適用や医療費の助成制度があるため実際に支払う額は数万円で済む場合がほとんどです。
未熟児療育医療制度、こども医療費助成制度、高額医療費支給制度を申請、利用することで入院費は数万円に抑えられます。

早産後の母親の入院生活はどうなる?

産後のお母さんは、NICUで赤ちゃんと一緒に入院生活を送るのは難しいといえます。
赤ちゃんとは別の部屋で、ほかの産婦さんと入院生活を送ることになるでしょう。

「赤ちゃんと別々の部屋で過ごす」という事実だけでも、気持ちがナーバスになりますよね。
大部屋でほかの赤ちゃんの泣き声が気になる場合は、スタッフに相談すると個室を用意してもらえる可能性があります。
遠慮せずに声をかけてみましょう。
また入院生活は別々でも、赤ちゃんに面会はできます。

早産児がNICUで入院する期間や退院の目安【個人差あり】

小児保健研究によれば、同じ34週の早産でも入院期間は「20日~45日」と個人差が大きいこと。
退院の目安は、赤ちゃんの修正週数(予定日を基準とした週数)が37週を過ぎ、体重が「2300~2500g以上」になってきた頃です。
さらに医師が、下記のような母子の状態を見て、退院が可能かどうか総合的に判断をします。
・合併症がない
・呼吸が安定している
・直接授乳できる
・母親の精神状態

退院後の不安解消!NICU退院前に、早産児と同室入院するケースも

低出生体重児や早産児の育児の不安を少しでも解消してからNICUを退院できるよう、両親の同室入院を行っている施設もあります。
退院後の対処法をひとつひとつスタッフに教えてもらうことで、赤ちゃんのお世話の不安を解消していくことができます。
入院期間は病院によって異なりますが、目安は3日ほどです。

「病院に母子同室入院制度がない」「上の子がいてお母さんが入院できない」など、母子同室入院が経験できない場合は、不安なことやわからないことを退院前に医師やスタッフに聞いておきましょう。
夫婦一緒に聞くようにし、パートナーが困ったときにはフォローしあえる状態がベストです。
自宅での生活が始まってから心配なことが出てきても、多くのNICUでは24時間相談に応じてくれます。
相談の窓口を退院前に確認しておくといいでしょう。

NICU退院後に利用できる6つの早産児支援事業

自治体では早産児と家族をサポートする下記のような支援事業があります。
【医療費の支援】
・未熟児養育医療制度…低出生体重児などを対象に指定医療機関への入院費などを助成してくれる。
・小児慢性特定疾病医療費助成制度…特定の小児慢性疾患に対し自己負担額が軽減される。
・乳幼児医療費助成制度…病院の窓口負担額を自治体が助成してくれる。
【家庭への支援】
・未熟児訪問指導…早産児がいる家庭を保健師や助産師が訪問して健康状態の確認や必要な保健指導、育児の不安や悩みについて相談できる。
・極低出生体重児支援事業…出生体重1500g未満児の極低出生体重児に対し入院中から退院後に継続的な支援を行い、赤ちゃんの健やかな育ちと家族の育児不安の軽減を図る。
・育児支援ヘルパー派遣事業…出産前後に家事や育児をサポートしてくれる育児支援ヘルパーを家庭に派遣してもらえる。

まとめ

NICUは、早産や疾患を抱えて産まれた赤ちゃんが健康に大きく育つためのサポートをする治療室です。24時間体制で酸素や栄養をもらい、NICUを出ても無事に過ごせるようになるまで懸命にお世話や治療をしてくれます。
突然の早産などでNICUに入ることになると不安に思うこともあるでしょうが、金額面でも退院後のお世話についてもサポートがありますので安心して赤ちゃんの回復を見守ることができます。

チャンスは出産時の一度きり。赤ちゃんの将来の安心に備えるさい帯血保管とは

うまれてくる赤ちゃんのために、おなかに赤ちゃんがいる今しか準備できないことがあるのをご存知ですか?
それが「さい帯血保管」です。
さい帯血とは、赤ちゃんとお母さんを繋いでいるへその緒を流れている血液のことです。この血液には、「幹細胞」と呼ばれる貴重な細胞が多く含まれており、再生医療の分野で注目されています。
このさい帯血は、長期にわたって保管することができ、現在は治療法が確立していない病気の治療に役立つ可能性を秘めています。保管したさい帯血が、赤ちゃんやご家族の未来を変えるかもしれません。
しかし採取できるのは、出産直後のわずか数分間に限られています。採血と聞くと痛みを伴うイメージがあるかと思いますが、さい帯血の採取は赤ちゃんにもお母さんにも痛みはなく安全に行うことができます。

民間さい帯血バンクなら、赤ちゃん・家族のために保管できる

さい帯血バンクには、「公的バンク」と「民間バンク」の2種類があり、公的バンクでは、さい帯血を第三者の白血病などの治療のために寄付することができます。
一方民間バンクでは、赤ちゃん自身やそのご家族の将来のために保管できます。現在治療法が確立されていない病気に備える保険として利用できるのが、この民間さい帯血バンクです。
ステムセル研究所は、国内シェア約99%を誇る国内最大の民間さい帯血バンクです。

ステムセル研究所が選ばれる理由

・1999年の設立以来20年以上の保管・運営実績あり
・民間バンクのパイオニアで累計保管者数は7万名以上
・全国各地の産科施設とのネットワークがある
・高水準の災害対策がされた国内最大級の細胞保管施設を保有
・厚生労働省(関東信越厚生局)より特定細胞加工物製造許可を取得
・2021年6月東京証券取引所に株式を上場

詳しい資料やご契約書類のお取り寄せは資料請求フォームをご利用ください。

さい帯血を保管した人の声

■出産の時だけのチャンスだから(愛知県 美祐ちゃん)

■さい帯血が本当の希望になりました(東京都 M・Y様)

※ほかの保管者からの声はこちら
さい帯血保管は、赤ちゃんへの「愛」のプレゼント。
赤ちゃんに会えるまでのもう少しの期間、ぜひ少しでも快適に、幸せな気持ちで過ごしてくださいね。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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