陣痛中のいきみ逃がしにテニスボール?

テニスボールでお尻を押す?

そう、ちょうどお尻の穴に蓋をするように押すのです。最初の妊娠の時、初めて聞く言葉や情報が沢山ありましたが、これはさすがに驚きました。

一体何のために?どうしてそこを?

いろんな「?」が頭の中を巡ったのを覚えています。では、陣痛中のテニスボールについて、私の体験談を織り交ぜながら、お話をしていきたいと思います。

 

秘技!いきみ逃がし!

陣痛のスタートは生理痛程度の痛みから始まることが多いですが、お産が進んでいくにつれて、痛みはどんどんと強くなっていきます。そして赤ちゃんが下がってくることで、痛みに加えて「いきみたい感じ」が出てきます。この「いきみたい感じ」というのは、うんちをするときのように踏ん張りたくなる感覚です。

陣痛がくると、この踏ん張りたい感じが沸き上がってきて自然に力が入ってしまうのですが、まだ子宮の出口が広がりきっていないのにいきんでしまうと産道(子宮頸管や腟)がむくんだり、傷ついたりしてしまう可能性があります。また、赤ちゃんに余計なストレスがかかり、お産が長くなるリスクもありますので、このいきみたい感じをやり過ごす必要があります。この、いきみたい感じをやり過ごすことを「いきみ逃し」と言うのです。ここで活躍するのがテニスボール。テニスボールを使って、腰やお尻の辺りを押すことで、陣痛の強い痛みを和らげたり、いきみ逃しをしやすくなったりします。

 

どうやって使うの?

もし、その場にご家族の方が一緒にいらっしゃる場合は、力のある方にお願いしてください。私も上の子を出産した時には夫に立ち会ってもらい、テニスボールでお尻の穴を塞ぐようにグーッと力強く押してもらいました。時によって押してもらいたい場所は変わってくると思いますので、その都度パートナーにどこを押してもらいたいか伝えてあげてください。私も「なんだか何かが出てきそう!」と思う場所があちこちあり、こっちを押して!ここ?違う!こっち?そこじゃない!といったような言い合いをしていたことを思い出します。夫の話によると、テニスボールを使う時もあったけれど、自分の拳で押していることもあったそうです。いずれにしても、とても疲れたとのことでした。それを言うなら私の方が・・・とは、当時は言えませんでしたけどね。また、サポートしてくれるパートナーがそばにいなかった場合はどうするの?と気になる方もいらっしゃるかもしれません。これはあくまで私の場合ですが、パートナーがそばにいなかった時には、時代劇に出てくる忍者が片膝をついて城主に報告をするような体勢で、自分のかかとをぐりぐりとお尻に押しつけて、いきみ逃がしをしました。一人いきみ逃がしには、この体勢がとても効果がありました。気になる方はぜひお試しください。なんのこっちゃという方は、テニスボールの上にそのまま座るのもおすすめです。

 

誰にでも効果があるの?

お産が一人一人違うように陣痛も人それぞれです。ですから、テニスボールを使ったいきみ逃がしが誰にでも効果があるわけではありません。ゴルフボールのようにピンポイントで固く押してもらう方が良い人もいれば、付き添いの人の手の親指で腰に近い背骨の両脇を押してもらう方が良いという人、または手のひらを広げたパーの状態で肛門辺りを強く押してもらうことで楽になる人もいます。また、押してもらうよりはさすってもらうのが良かったり、触られない方が良かったりする人もいます。そのためテニスボールを用意していても全く使わなかったということもありますが、こればかりは陣痛が始まってみないとわからないものです。

 

その他、効果的な「いきみ逃がし」は?

テニスボールや手を使う方法以外にも、いきみを効果的に逃がす方法をいくつかご紹介します。ただこれも先述した通り、人それぞれですので、自分に合った方法を見つけていってくださいね。

まずは、横向きや四つん這いになり、おなかに圧がかからない姿勢をとる方法。

腹圧がかかるといきみが逃がしにくくなるそうなので、内臓が圧迫されないよう、楽な姿勢をとると良いでしょう。他にもよく言われるのが呼吸を意識することです。いきみたくなったら、ゆっくり長く深呼吸をしてみてください。特に吐く息の方を意識して、長くしてみましょう。自分の呼吸に意識を向けることで、いきみたいという気持ちも薄れていきます。長く息を吐くといきんでしまうという方は、力強く短く吐く呼吸に変えてみるといきみを逃がせることもあります。

ベストなタイミングでいきめるよう、余計ないきみは逃がして

ベストないきみのタイミングは、子宮口が全開になり、赤ちゃんもしっかり下りてきた時です。それを医師や助産師は「いきんで!」という合図で教えてくれます。いきみ逃しには、さまざまな方法があるので、パートナーにもサポートしてもらいながら、できるだけ楽になれる自分に合った方法を探していってください。医師や助産師に「いきんで!」と言われたら、赤ちゃんに会える瞬間はもう間近ですよ。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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