2020年11月6日
陣痛・出産
#始まり

陣痛を明るく考えてみませんか?

坂田陽子

記事監修者:坂田陽子

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

陣痛の始まり

私は長男を出産した際、陣痛から出産まで2日ほどかかりましたので、10年経過した現在でも鮮明に記憶に残っています。

私が、陣痛のような痛みを感じたのは、出産日前々日の夜でした。下腹部が、何となくズキズキ痛いような違和感を感じました。妊娠後期に経験したお腹が張る感覚にも似ていた為、「ただの張り?もしくは、こっ、これが陣痛?」と自問自答する時間が続きました。陣痛のことは、母親学級や本などでイメージしていたつもりですが、どれも当てはまるような、当てはまらないような、確固たる自信はありませんでした。予定日まで、あと1週間と迫っていたので、いつ陣痛が始まってもおかしくなかった為、緊張が高まるなか病院に電話して確認することにしました。助産師さんからは、「まだはっきりと陣痛といえるか分からないが、自宅から病院までが車で1時間ほどかかるため、念のため病院に来るように」とのことでした。30分ほどで支度を整え、準備しておいた入院セット、臍帯血保管の為に必要なアイスノン・保冷ボックスセットも忘れずに持ち、雨の降る夜中、車に乗り込みました。

音楽どころじゃない!?迫りくる眠気と痛み

病院につくと、最初は無事到着したことに安心していました。夫が用意しておいてくれたリラックス用のCDをかけて過ごし、気持ちにも余裕がありました。そのうち、当初は陣痛かどうかも分からない状況でしたが、やはり規則的な陣痛になってきました。呼吸法を実践したり、飲み物を飲んだりしながら、陣痛を実感していました。

しかし、このCDの同じ曲、3回きいてない?って思う頃、(たぶん3時間くらい経過した頃です)眠気と痛みでもう音楽どころではありませんでした。夫は、出産の本を片手に、もうすぐ陣痛の間隔が短くなる!もうすぐ出産だ!と語気を強めていました。しかし、夫も励まし疲れて本を片手に仮眠に入りました。
陣痛は、しばらくは順調な間隔だったと思うのですが、半日経過したあたりで、ついに陣痛が弱くなってしまったのです。どうやら私の体力も限界に達しつつあったのです。

この間に、遠く離れた実家の両親や祖母も飛行機や電車で駆けつけてくれました。

極限の疲れの中で、私は何度となく語りかけました。「お腹の赤ちゃん、もう少しまだお腹の中にいたいのかな?そろそろ出てこない?みんな待っているよ。」
医師の判断で、少し仮眠をとり休憩することになりました。体力を回復させた後、陣痛が弱くなったため、薬で誘発してもう一度がんばることになりました。
とにかく、元気な赤ちゃんに会いたい!頑張ろう!この気持ちでもう一度仕切り直しです。

陣痛を超えて得られて、今まで感じたことのない幸せ

最初の陣痛を参考に、陣痛が強くなるタイミングでは、呼吸法でしのぐ、陣痛が弱い間は、少し歩いたり、飲み物を飲んで強い陣痛に備えるという自分なりの作戦も編み出しました。

さぁ、いよいよ短い間隔の陣痛がやってきました。腰の痛みのようなものを感じました。

医師からも促され、「これが人生修行!」と母に背中をおされて分娩室に向かいました。分娩室の扉を開けるまでが、非常に長かったので、やっとこの部屋に入れるという安堵感さえありました。分娩室では、陣痛にかわり「いきみ」が必要になりました。助産師さん、医師の言葉で、いきむ方法などはスムーズだったと思います。

分娩台にいた時間は、それまでの陣痛に比べると僅かなものに感じました。

赤ちゃん、かわいい!!生まれた瞬間にそれまで感じたことのない幸せを感じました。

同時にそれまで支えてくださった医療関係者のみなさんと、家族へ感謝の気持ちでいっぱいでした。私は、気持ちが興奮していましたが、立会い分娩した夫は、へその緒を確認し、「臍帯血の採取を確認したよ」と知らせてくれ、一安心しました。

こうして私は、最初の陣痛より2日を経て、長男を無事に出産しました。

私は、痛みに対して敏感な性格、人一倍怖がりな性格です。陣痛に対しても、痛みを伴うことをとても恐れていました。

確かに、陣痛は経験したことのない痛みを伴います。しかし、それは赤ちゃんにもうすぐ会えるサインだと、強く思うことで、陣痛を前向きなイメージにすることができると思います。そして、陣痛という痛みの中でも赤ちゃんに話しかける、あぁ赤ちゃんも頑張ってると思うと、どこからかパワーで出てくるはずです。

子育てをしていると、その日のいろいろな出来事に追われて、陣痛について思い出す機会も減っております。しかし、この日の出来事と比較したら、何てことない!あんな大変な陣痛を乗り切ったんだから、大丈夫!と自分を強くする経験になったことは間違えありません。言うならば、赤ちゃんが私にプレゼントしてくれた、母親としての私を強くさせてくれるための最初の経験かもしれません。

長女の時は、予定日通りの出産で、陣痛も半日足らずで、長男の時とは異なりました。 ですから、一つとして同じ出産までの道のりはないかともいますが、例え長い陣痛になっても、きっとそれは、人生を強くさせてくれると思います。

これからご出産されるみなさん、陣痛を明るく考えてみませんか?

みなさん、お身体を大切に、良いお産を迎えられますようお祈り申し上げます。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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