陣痛の痛みってどんなもの?

坂田陽子

記事監修者:坂田陽子

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

初めての出産を控えているプレママのみなさんの多くが一番気になっていること、それは「陣痛の痛みってどんなもの?病院へ連絡するタイミングってちゃんとわかるのかな?」ということではないでしょうか。経産婦の方でも、「なんかすごく痛くて大変だったけど、陣痛の痛みってどんな感じだったっけ~?」と記憶が曖昧になっている方もいらっしゃるかもしれません。

ここでは陣痛の種類と痛み方について、私の体験談もまじえながらお話ししたいと思います。

まず、陣痛には「前駆陣痛・本陣痛・後陣痛」の三種類があります。

簡単に言うと前駆陣痛は偽物の陣痛、本陣痛がいわゆる陣痛、そして後陣痛は出産後に子宮が元に戻ろうとするために起こる陣痛です。

ではそれぞれ詳しく見ていきましょう。

前駆陣痛

「前駆陣痛は本陣痛と同様に、子宮の収縮によって引き起こされるおなかのはりや痛みで、陣痛の痛みとしてはそれほど強くなく生理痛のような痛みである。時間経過とともに陣痛の痛みは増強せず、安静を保っていればしだいにおさまる。」

と、前駆陣痛について調べるとだいたいはこのように説明されているのですが、一方で本陣痛のはじまりも生理痛のような痛みからと紹介されることもあり、正直わかりにくいですよね。前駆陣痛については経験する人としない人、または気づかない人もいるようです。

前駆陣痛の体験談

実際、わたしが第一子を出産したときなのですが、そもそもわたしは「前駆陣痛」というものを知らずに出産を控えていました。遠方の実家へ里帰りし、出産予定日に合わせて主人には一週間の休みをとってもらい立ち合い出産の準備も整えてすごしていました。

でも予定日を過ぎても何の音沙汰もなく、5日も過ぎてくると「あれ?私陣痛きづいてないのかな?」なんて思いすら芽生え始め、主人の休みも終わりに近づいてくると立ち合い出産がかなわなくなるという焦りから、意識はずっとおなかへ向いているような状態でした。そしていよいよ今夜の最終新幹線で帰らなければ・・・というタイミングの夕食中におなかが痛くなりだしたのです。しばらく生理はきていませんから久しぶりに感じる下腹部の鈍痛で「陣痛がきた!!」と思いました。そこで主人がもう半日休みの延長をしてくれて付き添ってくれることに。

陣痛の痛みの間隔が10分になってきたら病院へ連絡することになっていましたから、間隔を図ると規則的に10分以内になることはなく夜を明かしてしまいました。

翌朝、通常診療で診てもらう頃には痛みがピタッと止んでいて、先生に「子宮口も開いてないしそれは前駆陣痛だね!これがあったからすぐ生まれるというわけでもないし、生まれるかもしれないし・・・こればっかりはわからないよね。」と言われ、立ち合いが叶わなくなるであろうというショックと主人への申し訳なさと、そんな紛らわしい陣痛があることへの衝撃と・・・いろいろな気持ちで実家へと帰りました。ショックと寝不足で疲れたので昼寝をして体力を回復させようとすると再び下腹部の鈍痛が。

ですが騙された直後なので疑いの気持ちの方が強く、病院への連絡もためらわれて寝るに寝れない痛みと戦いながらまた一晩明かすことになりました。ただ一回目と違って二回目は、明け方には陣痛の痛みがどんどん強くなってきて痛みが現れている時は体を動かすのもつらいほどになっていました。そしてそれは本当に出産へとつながったのです。

前駆陣痛は眠れるくらいの痛みと言われていますが、私の場合ふっと寝落ちする数分はありましたが、前駆陣痛の夜も本陣痛の夜も眠れませんでした。

そして二日間の徹夜明けに近い状態での出産は壮絶な痛みと猛烈な睡魔のせめぎ合いで、なんと分娩台に上がってからの陣痛と痛みの止まる間にも何度かふっと寝落ちしてしまい、周囲に気絶したのではないかと心配させてしまいました。

本陣痛

こちらはいわゆる陣痛。出産につながる子宮の収縮からくる痛みです。一般的には徐々に痛みが増し、陣痛の痛みの間隔が短くなっていくのが特徴と言われています。痛みについても「鼻からスイカ」と言われたり、耐え難い痛みであるという表現があちこちでされているのを見聞きしていると思います。

本陣痛の体験談

第一子は前駆陣痛に振り回されるという出産を経験し、第二子の際、「陣痛は分かるだろう!」と思っていましたが、またまた予定日を過ぎても音沙汰がありません。二人目は早くなるから気を付けて!とあちこちで聞いていたので全くの予想はずれでした。

一週間を過ぎても気配がなく、九日目の健診であまり遅れるのも良くないから・・・と卵膜剥離という処置を受けました。するとその直後から下腹部の鈍痛が始まり、第一子の時と同様に一晩ずっと強くもならないけど止むこともない痛みで眠れない・・・という状態が続いたのです。当然、また前駆陣痛なのかな・・・と思っていたのですが、今回違っていたのは陣痛アプリを使って記録していたことでした。夜中の陣痛の痛みはつらいけれど、眠気もあってけっこう朦朧としてしまうのですが、陣痛アプリなら痛みが始まった時と止んだ時にボタンをポチッとするだけなので時計で時間を確認することもなく正確に記録してくれるのです。朝になって間隔を見ると規則正しく陣痛の痛みが来ていたことがわかり、病院に伝えると入院準備をもって来てくださいと言われました。

半信半疑で行ってみると、なんと微弱陣痛だったのです。本陣痛だけれど痛みが弱くお産が進みにくい状態です。そこからはあれこれ陣痛が進む処置をしてなんとかその日の夜には出産できたのですが、振り返っても第一子の前駆陣痛と第二子の微弱陣痛の違いは痛み方では判断がつきません。本当に同じような痛みだったのです。

後陣痛

無事出産を終えて胎盤も取り出した後、子宮は急激に縮み元に戻ろうとします。この時の陣痛の痛みを後陣痛と言います。普通分娩だった私の場合、出産の痛みに比べればなんてことない痛みに思えましたが、あまりつらければ痛み止めが処方してもらえます。3つの陣痛のうち唯一痛み止めが飲める陣痛です。赤ちゃんにおっぱいをあげると収縮が促されるので授乳の度にお腹がギュッとするような痛みを感じたりもしますが、それもすぐにおさまっていきます。

陣痛の痛みに前兆はある?

おしるし

子宮が収縮したりすることで卵膜がはがれて起こる出血をおしるしと呼びます。もうすぐ出産というサインですが、全ての方に起きるわけではありません。

色は茶色、ピンク色や鮮血のような赤とさまざまで、量も少量から月経時と同じくらいの量までの場合もあり、個人差があります。

破水

赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて、羊水が外へ出ることを破水といいます。一般的には陣痛が始まると起きますが、陣痛の前に起きる場合もあります。
破水を確認したら、細菌感染を防ぐため、すぐに病院へ連絡しましょう。

最後に

以上、三種類の陣痛についてお話してきましたが、お産の進行も陣痛の痛み方も十人十色で、同じ人でも毎回違うものだと思います。いろんなエピソードを参考にあらゆる事態を想定しておくことで心構えができるのはよいのですが、過度に不安になる必要はありません。不安がある時は迷わずかかりつけの産院へ相談すれば大丈夫です。

そして一番お伝えしたいのは、出産はママと赤ちゃんの共同作業だということです!陣痛が怖い、陣痛の痛みに耐えられるか不安。これは初産婦の方でも経産婦の方でも出産が近づいてくると大なり小なりみんな思うことだと思います。でも、生まれてくる赤ちゃんも自分の頭を変形させ体を回転させながら狭い産道を一生懸命通って未知の世界へ出てきてくれるのです。痛くて怖いのは赤ちゃんも一緒。そう思うと赤ちゃんと共に頑張ろう!と思えて少し陣痛への恐怖や不安がやわらいでくるのではないでしょうか。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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