2021年9月12日
臍帯血

臍帯血を民間バンクに保管する?悩まれているみなさんへ

ご妊娠おめでとうございます!今何週目でいらっしゃいますか?!

週数が進むごとに、赤ちゃんに会える楽しみはどんどん膨らみますよね。妊娠の期間は、本当に素晴らしい時間だと思います。

私も2回の出産を経験し、現在11歳の息子と6歳の娘を子育て中ですが、親子一体でおなかに赤ちゃんがいたあの時間・・・振り返ると、かけがえのない貴重な時間でした。

今回は、これからご出産される赤ちゃんのさい帯血を民間バンクで保管するか、悩んでいらっしゃるみなさんとさい帯血を保管することの意味を考えてみたいと思います。

そもそも、さい帯血とは?

さい帯血とは、おなかの中の赤ちゃんとお母さんを結ぶ、へその緒の中に流れる血液のことをいいます。さい帯血には、幹細胞(※1)といわれる、臓器・血液の成分・神経などの身体のもとになる細胞が多く含まれていて、病気の治療に役立つ可能性が含まれています。

※1 造血幹細胞

血液は、血球と血漿という細胞成分から成り立っています。血球には、赤血球・白血球・血小板の三種類の細胞があり、骨の中心部にある骨髄という組織でつくられています。造血幹細胞は、骨髄の中で血球を作り出すもとになっている細胞です。

血漿は、血液から血球を除いた液体成分のことをいいます。造血幹細胞の性質は、2つあり、1つは細胞分裂を行い、赤血球・白血球・血小板に成長し、分化することです。もう1つは、細胞分裂によって、自らと同じ細胞を増やす能力があり自己複製と呼ばれています。

 

さい帯血を使った治療は?

白血病の治療が有名ですが、最近では自閉症・脳性麻痺に対しても、改善のデータが報告されています。中枢神経系疾患(低酸素性虚血性脳症、脳性麻痺、難聴等)、自己免疫疾患、ASD(自閉症スぺクトラム障害)などに対する再生医療・細胞治療などの利用の可能性が注目されています。

 

さい帯血を民間バンクに保管することの意味とは?

~実際に投与しないと無駄な保管になる?~

先ほどお伝えした、さまざまな病気に対して、さい帯血を投与して病気の治療や改善を期待することがさい帯血保管で可能なことです。では、実際に投与しないからといって無駄な保管になるのか・・・この点について考えてみます。

毎回、妊婦健診では赤ちゃんの元気な様子を楽しみに心音やエコーなどをご覧になっていらっしゃると思います。赤ちゃんのすくすくと成長した元気な様子はなんとも幸せで嬉しいものです。

私もいまだに2人の子供たちが寝ている姿を見るととにかく元気で、すくすく大きくなって欲しいと妊婦だったときと同じ気持ちに帰ることがあります。

そんな時、頭を過ぎるのがこの子たちに何か病魔が襲ってきたらどうしようという不安です。子育てをしていると、日々いろいろな成長の悩みが出てきますが、一番恐ろしい悩みは、大きな病気という自分がどう頑張っても何もすることが出来ないという時です。

そんな時、さい帯血を保管されていたならば「万が一の病の際に利用できる可能性がある」と明るい気持ちを持つことが出来ます。

こうして、赤ちゃんを囲むすべての人々、ママ・パパ・ご家族みなさんが万が一に備えた安心の気持ちを持つことができるのが、さい帯血を保管する大きな意味になってくるのではないでしょうか。そして、明るい気持ちを持ち続けることは、たとえ、さい帯血を使用しなかったとしても大きな意味があった、つまり無駄ではなかったといえるのではないでしょうか。

 

さいごに

赤ちゃんだった我が子は、11歳になり、私よりも大きなサイズの靴を履くようになりました。おかげさまで、大病をしないでここまで元気に成長できましたし、これからも健康を維持してほしいという親の願いは変わっていません。健康でさえあればと思う反面、こんなことも出来てほしい、あんなこともできる大人になって欲しい、親として子に求めることは日々大きくなり、初心に戻らなければと反省するこの頃です。

さい帯血保管を悩むことは、赤ちゃんの今後の成長について、深く考えることに他なりません。保管するしない、どちらの選択になったとしても、赤ちゃんの今後の健やかな成長の過程を真剣に考えたことに変わりはありません。

出産の準備は、とても忙しいと思いますが、どうぞお身体に気をつけて良い出産の時をお迎えください。

 

 

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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