知っておきたい! ~陣痛促進剤について~

出産を迎えるにあたって、いろんなことを準備したり、調べたりしますよね。

その中で「陣痛促進剤」の存在を初めて知ったという方もいるのではないでしょうか。

陣痛促進剤と聞いて、「なんとなく怖い」「薬を使わずに出産したい」そんな思いを持っている方もいるかもしれません。でも、分娩には色々な経過があるので、もしかしたら陣痛促進剤のお世話になるかもしれませんよね。

実際、私が出産を迎えた時に、陣痛促進剤を使うことになりました。薬の名前は知っていましたが、どのようなものなのかを知らず、また、陣痛の真っ最中だったので余裕がなく突き進んでしまいました。慌てないように、ちゃんと勉強しておけば良かった・・・

あらかじめ、どのようなものなのかをきちんと知って、心の余裕を作っておくことが安心にも繋がりますね。

それでは、陣痛促進剤について見ていきましょう!

 

どんな時に使われるの?

薬を使わずに分娩したいと思うのは、とても自然なことだと思います。

でも、むしろ予定日を大幅に過ぎた過産期となってしまうと、胎盤の機能が低下して赤ちゃんに酸素や栄養が届きにくくなり、胎児仮死などの危険性も高まります。また、羊水過少による低酸素症、低血糖症が発生しやすいとも言われています。

その他にも、赤ちゃんが大きくなりすぎて、お産が大変になる危険性もあります。そのような場合に陣痛を誘発するために使うことがあります。また、感染症などの症状がみられる場合にも使用することがあります。

それ以外にも、陣痛が始まってから微弱陣痛が続き、分娩に時間がかかる場合に、薬を使って子宮収縮を強めることがあります。

具体的には、歩行など陣痛を促す運動をしても有効な陣痛に繋がらない時、薬を使うことで陣痛を促進してママと赤ちゃんの負担を減らしていこうとすることです。

それらの観点から見ると、陣痛促進剤は赤ちゃんを守るためにも大切なものであるとも言えます。

陣痛促進剤を使うと痛みが強くなるのでは?と心配な方もいるかもしれません。今は厳密なガイドラインが定められており、慎重な投与が行われているそうです。

自然な陣痛でも非常に痛いと感じる人もいますし、人工的な陣痛でそれほど痛みを感じない人もいます。陣痛促進剤を使うと痛みが重くなるという訳ではないのですね。

あらかじめ考えてもわからないことですから、怖がりすぎても仕方ないですね。

 

陣痛促進剤って、どんな薬?誘発剤との違いは?

陣痛促進剤には、プロスタグランジンとオキシトシンの2種類があります。

形状としては、錠剤と点滴がありますが、錠剤は血中濃度のコントロールが難しいため、最近では点滴が主流です。

プロスタグランジンは子宮頚管を熟化させる作用があり、子宮の出口が硬い人に使う場合が多いようです。

そして、オキシトシン。そう、愛情ホルモン・絆ホルモンとして有名なアレです!

オキシトシンは脳の下垂体後葉から分泌されますが、分娩中は子宮からも分泌されています。子宮を収縮させる作用があります。

何らかの理由で出産を促したい時にこれらの薬を使って「分娩誘発」または「陣痛促進」を行いますが、使う理由は違っても、いずれも同じ薬剤を使います。つまり、使用目的によって「促進剤」と呼んだり、「誘発剤」と呼んだりします。

陣痛促進剤には、もともと腸を動かす作用を持つ薬もあり、中には嘔吐や下痢といった症状が出る人も。その場合は、投与中止になります。

しかし、適切な投与量で慎重にモニタリングをしているのであれば、安全な薬であるそうです。

過去には不適切な使い方による陣痛促進剤をめぐるトラブルもありましたが、現在では使用方法や管理方法が細かく定められ、適切に行われるようになっています。

どんな薬も、効き目とリスクがあります。子宮収縮薬にもこうしたリスクがあるのは確かですが、このようなリスクがあったとしても、使用した方がママや赤ちゃんのために有益と判断された時に使用されます。

陣痛促進剤や誘発剤を使いましょうと言われたら

薬を使わない自然陣痛を想像していたママは、戸惑ったり、ショックを覚えたりするかもしれません。しかし、それは医師がママと赤ちゃんの状況から、さまざまなことを考慮した上でベストな方法を判断した結果です。

大切なことは、どう産むかだけでなく、ママと赤ちゃんの命を守る出産であるということです。陣痛促進剤は、お産をサポートしてくれるもので、上手に利用する、と考えられたら良いですね。

もし、勧められたら、医師の説明をしっかり聞きましょう。それ以外に小さなことでも不安なことや疑問があれば、納得いくまで説明を受けてくださいね。落ち着いた気持ちで出産の日を迎えるようにしましょう。

そうそう!なるべく自然な分娩ができるよう、予定日が近づいたら適切な運動をすることも大事だそうですよ。(医師から運動を禁止されている場合は、運動しないでください。)

寒い日が続きますが、引き続き、お体を大切にしていってくださいね!

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

出産に備える
大切な情報