妊娠してから寝ても寝ても眠い、寝てばかりいて大丈夫なのかな?と気になっている妊婦さんもいらっしゃることと思います。まだお仕事をされているとしたら、なおさらですよね。カフェインも摂取できませんし、ウトウトしたり、集中できなかったりするのは周りの目も気になります。
しっかり寝ているはずなのに、眠くなるのはなぜなのでしょう?
その原因や時期によって変わる眠気、また眠気対策など、私の経験からお伝えしたいと思います。

時期によって変わる眠気

・妊娠初期の眠気

妊娠初期というと悪阻が最初に思い浮かぶと思います。一方で微熱が続いたり、だるさを感じたり、眠りつわりといって、強い眠気を感じる方も多くいます。妊娠初期は女性ホルモンの影響によって、眠気を感じやすくなる時期です。私も妊娠がわかった時は退職日まで2週間というタイミングで、時間に追われながらも無事に退職日を迎えることができたのですが、翌日、突然眠気が襲ってきたのです。昨日まで、問題なく働けていたのに、日中にすごく眠かった経験があります。

・妊娠中期の眠気

妊娠中期になると安定期に入るため、つわりが治まってくると寝付けも良くなりますが、体重の増加によって妊娠前よりも体力を消耗し、疲れやすくなります。また血液中の酸素などが赤ちゃんのために使われたり、血流が悪くなることで疲労を感じ、眠気を誘います。

・妊娠後期の眠気

妊娠後期になると女性ホルモンの影響も減り、眠気も落ち着いてきます。ただし、出産が近づき不安になったり、おなかが大きくなって息苦しくなったり、おなかに張りを感じて、ぐっすりと眠ることが難しくなるため、睡眠不足から眠気を感じることがあります。

 

眠気の原因

妊娠中はホルモンの変化が大きく影響します。この眠気も、「プロゲステロン」というホルモンが影響しているようです。

このプロゲステロンは妊娠すると分泌が盛んになり、妊娠を継続させるために働くそうです。赤ちゃんを育てるのに適した環境を整えているのだそうです。おなかの中では、授かった小さな命を育むために、全身で守っていたのですね。凄いことが体の中で起こっていると思うと、眠気を感じるのに納得です。

私の眠気が強かったのは、主に安定期に入るまででしたが、個人差があり、後期になっても眠い方もいるそうです。この眠気は「ねむつわり」というそうです。つわりは吐き気ばかりではなかったのですね。

 

第2子のねむつわり

第1子の時は、夫が帰宅するまで、一人でゆっくり過ごしました。体から眠い!というサインがあれば、すぐに横になっていました。眠いのもそうですが、妊娠中は疲れやすく、だるさもありますから、無理は禁物ですよね。ただ、これは第1子で自宅にいることが出来たからこそ。お仕事をされている方や第2子以降はそうはいきません。

第2子は年の差3歳で出産しました。体調がすぐれない時期、上の子がちょうどイヤイヤ期。おしゃべりが大好きで、好奇心旺盛で体を動かすのも大好きな子でした。

お天気が良い時は、なるべく外で遊ばせて、午後のお昼寝に備えていました。しかし、2歳ともなると体力がついて、なかなかお昼寝もしてくれず、思い通りにはいきません。こちらは午前中に遊びに行っているので、眠いのとだるさでいっぱいです。

「お昼寝しようか?」「イヤイヤ、もっと遊ぼう」と、おもちゃを出しては遊んでいました。目を離すわけにもいかないので、横になりながら一緒に遊んでいました。そのうち、横になりながらでしか遊ばないので、諦めて隣でお昼寝を始めるようになりました。「トントン」と肩を叩いてくれる時もありました。いったいどっちが寝かしつけているのかわかりません。

自分の思い通りに遊んでくれない母親に寄り添って、精一杯の我慢をしてくれていたのだと思います。

出産すれば、赤ちゃん中心の生活になります。自分中心だった生活が一変しますから、つわりの時期は、上の子がお兄さん、お姉さんになる準備期間なのかもしれません。

お母さんにとっても、おなかが大きくなった妊娠後期は、同じ向きで寝るのがつらかったり、出産後は授乳などのお世話で途切れ途切れの睡眠になります。短時間で、すっと寝て、ぱっと起きる練習だったのかな?と今では思います。

 

眠い時には?妊娠中の眠気対策

妊娠中の眠気は、だるさもあると思います。私は無理をしないで、休んでという赤ちゃんからのメッセージとして受け取りました。

横になれる時ばかりではないので、座りながら目をつむって、短時間ウトウトするだけでも解消されました(これは今では特技となっています)。我慢をして、ストレスになることだけは避けたいです。

私は助産師さんに軽いストレッチやヨガを勧められました。子供と一緒に出来て、楽しかったのを覚えています。ヨガの「猫のポーズ」では、子供と二人で「ニャー」と言って笑うのが日課となっていました。

楽しいマタニティライフを

人生の中で赤ちゃんがおなかにいる期間は、ほんの一瞬です。体調がすぐれない時もありましたが、私にとって幸せな時間でした。今では子供も大きくなり、遠い昔のような気がします。

毎回の健診で、ちゃんと育ってくれているかな?元気かな?と不安な気持ちもありましたが、赤ちゃんを見せてもらう楽しみの方が大きかったです。今では、妊婦さんとすれ違うだけで、笑みがこぼれてしまいます。

赤ちゃんを思いながら、産後の準備をするのも楽しかったです。お天気の良い日に水通しした干した肌着を見ているとほっこりしました。

妊娠中、全てが順調に思い通りにいかないことの方が多いと思います。お母さん、赤ちゃんを第一優先に幸せなマタニティライフをお過ごしくださいね。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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