おなかに赤ちゃんがいることのうれしさ、この上ない喜びですよね。
一方で、妊娠初期には、さまざまな体の変化も感じて、不安な気持ちもあるかもしれません。
妊娠初期はつわりなどの症状が出ることが多いですが、この時期に意外に多い症状が「寒気」です。この寒気に加えてほてりや微熱の症状を伴うこともあります。
今回は、妊娠初期の寒気の原因、影響、対処法について解説していきます。
妊娠初期のママの体と赤ちゃんの様子
妊娠2カ月頃になると、つわり・ほてり・寒気などの妊娠初期症状が出る人もいます。
また、ホルモンの影響で便秘がちになったりします。ママの子宮は、一回り大きくなり、
レモンくらいの大きさになります。
この頃の赤ちゃんは、頭と胴が二頭身になり、脳や脊髄などの神経組織、心臓や肝臓などの内臓が作られます。目や口、鼻の穴の原形もでき始めます。
妊娠3カ月になると、つわりのピークを迎えます。
つわりは、妊娠中の女性の50~80%が経験するといわれる一般的な症状です。また、子宮は、握りこぶしくらいの大きさになり、膀胱や腸を圧迫するので、トイレに行く回数が増えたり、便秘になったりします。
この頃の赤ちゃんは、頭や足、胴が発達して三頭身になるほか、手足の指もできて、より人間らしい姿になります。へその緒が長くなり、羊水を自由に動き回ることができます。
妊娠初期の寒気の原因は?
女性ホルモンバランスの変化
妊娠初期の寒気の原因の1つとして、プロゲステロンが挙げられます。プロゲステロンは妊娠の継続を助ける女性ホルモンです。妊娠によってプロゲステロンの値が上昇し、女性ホルモンの体内バランスは急激に変化します。妊娠初期のつわりも、このプロゲステロンの上昇が原因と言われています。妊娠で増加したプロゲステロンによって体温が上がり、微熱やほてり、寒気を感じる原因となります。
自律神経の乱れ
妊娠中はプロゲステロンやエストロゲンなど、女性ホルモンのバランスが変化することで、自律神経のバランスも乱れやすくなります。この自律神経は体温調節機能にかかわるため、バランスが乱れることによって寒気を感じる原因となります。
つわりによる低血糖
妊娠初期は、つわりで思うように食事がとれなくなることも多いですよね。食事量が減少してからだが低血糖状態になると、冷や汗・寒気・めまいなどの症状が出る原因になります。
貧血
妊娠中は特に貧血になりやすいです。妊娠初期は赤ちゃんに栄養をとられることは少ないですが、自律神経やホルモンバランスの乱れや、つわりであまり食事がとれないこと、また血液の水分量が増加して血液が薄まってしまうことなどが、貧血の主な原因です。貧血によって、頭痛・寒気などの症状が出ることもあります。
風邪や感染症
寒気は風邪のひきはじめや、新型コロナウイルス・インフルエンザなどの感染症のサインであることもあります。寒気に加えて、咳や鼻水の症状を伴う・高熱が出るといった場合は、早めに病院を受診をしましょう。
妊娠初期の寒気はいつまで続く?
ホルモンバランスの乱れや、つわりの症状などが安定してくる時期は、一般的に妊娠4ヶ月前後~安定期にかけてと言われています。この時期になると、妊娠初期の寒気も自然におさまってくることが多いです。
妊娠初期の寒気は赤ちゃんに影響する?
寒気があると、おなかの赤ちゃんへの影響が心配になってしまいますよね。しかし妊娠初期の寒気は、女性ホルモンの急激な変化や自律神経の乱れなど、妊娠することで生理的に起きるものが大半です。
そのため、寒気によって流産してしまうなど、赤ちゃんへの影響はないと言ってよいでしょう。
妊娠初期の寒気の対処法
以上のように、妊娠初期の寒気の主な原因は、妊娠することによるホルモンバランスや自律神経の乱れです。そのため、根本的に解決することは難しいですが、寒気の症状を緩和することはできます。普段からできる、寒気の対処法をいくつかご紹介します。
足湯で体をあたためる
お風呂に浸かると、体が温まって気持ちが良いですよね。しかし妊娠中は、長時間お風呂に入るとのぼせやすくなります。そこで、安全にからだを温められる足湯をおすすめします。足湯によって血液の循環もよくなり、からだ全体が温まりますよ。
つわりによる低血糖状態を避ける
つわりによって思うように食事がとれず、本当に大変ですよね。つわりの症状があるときには、無理にたくさん食べようとしなくて大丈夫です。食べられるときに食べられるものを摂るようにしてください。
つわりがひどい場合には、病院で相談すれば点滴による栄養補給も行ってくれます。栄養を摂ることで貧血予防にもなるため、つわり症状がひどいときや、冷や汗・めまいなどの低血糖症状がある場合には病院へ相談してみましょう。
軽い運動やストレッチで血行を良くする
無理のない範囲で運動をすることもおすすめです。軽いウォーキング・マタニティビクス・マタニティヨガなど、体に負担のない運動を行ってみましょう。血行が良くなり、自律神経のバランスも整うため、寒気などの不調の改善が期待できます。
ただし妊娠中は激しい運動や無理な運動はNGです。ご自身の体調と相談しながら、息の上がらない程度にからだを動かしてみましょう。
まとめ
妊娠初期の寒気は、ホルモンバランスの変化など妊娠に伴う身体の変化が原因です。妊娠4ヶ月前後~安定期頃に
自然におさまることが多く、妊娠初期の寒気が流産などの原因にはならないと言えます。
寒気がするときの対処法としては、体をあたためる、なるべく栄養をとる、軽い運動などがあります。できることを日常に取り入れながら、症状を緩和しましょう。
今、つらい症状の方、頑張ってください!
どうか無理せずに、お身体を大切にして。このコラムで何かお役に立てることがあったならば幸いです。
妊娠中だからこそ準備できる!赤ちゃんの未来の健康に備える「さい帯血バンク」とは
妊娠初期は、寒気からつわりまで、さまざまな不調に悩まされますよね。でもそんな不調や心配も、おなかに赤ちゃんが宿っているからこそ。そして今この瞬間も、お母さんと赤ちゃんをつなぐへその緒に流れる血液「さい帯血」が、生まれた赤ちゃんの未来の命を救うことになるかもしれないんです。
さい帯血とは、お母さんと赤ちゃんをつないでいるへその緒を流れる赤ちゃん自身の血液のことです。この血液には体のさまざまな種類の組織の元になる「幹細胞」と呼ばれる貴重な細胞が多く含まれており、これが神経や骨、筋肉などの細胞になったり、障害が起きている場所の炎症を鎮めるはたらきがあることが分かっています。
現在十分な治療方法のない脳性麻痺等の中枢神経系疾患や、自己免疫疾患、自閉症スペクトラム障害等に対する再生医療・細胞治療での利用の可能性が注目されています。
このさい帯血は、赤ちゃんやご家族の万が一の備えとして長期にわたって保管することができます。さい帯血を採取できるのは、出産時のわずか数分間です。採血と聞くと、痛いイメージがありますが、さい帯血の採取はママや赤ちゃんに痛みはなく安全に行うことができます。
民間さい帯血バンクなら、赤ちゃん・家族のために保管できる
ステムセル研究所は、さい帯血保管ができる民間バンクです。さい帯血バンクには、「公的バンク」と「民間バンク」の2種類があり、公的バンクでは、さい帯血を第三者の治療のために寄付・保管されます。一方民間バンクでは、赤ちゃん自身やそのご家族の将来のために保管します。治療法が確立されていない病気に備える保険として利用できるのが、この民間さい帯血バンクです。
ステムセル研究所では、1999年の設立以来、20年以上の保管・運営実績があり、民間さい帯血バンクとしての国内マーケットシェアは約99%です。これまでに累計7万名以上もの方々にご利用いただいています。
<ステムセルが選ばれる理由>
・全国各地の産科施設とのネットワークで採取から運搬そして保管まで高品質を維持した体制を実現
・高水準の災害対策がされた国内最大級の細胞保管施設
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詳しい資料やご契約書類のお取り寄せは資料請求フォームをご利用ください。
さい帯血を保管した人の声
■さい帯血の限りない可能性に期待(埼玉県 佐藤 香奈江様)
「初めて妊娠がわかったとき、この命を守ってあげたいと思いました。彼女にはじめて会ったとき、この子を守らなければならないと思いました。さい帯血はまだまだ未知数の宝箱です。
私が彼女に与えた初めての財産であると同時に彼女の持ち物でもあります。何に使うのか私だけで決めるのではなく、彼女と話し合って決めたいと思いました。彼女が使い道を決められるまで、大切に保管してあげたいと思い、ステムセル研究所にお願いしました。将来、公的と民間の区切りなくいろいろな形で使えるといいなと思っています。」
■さい帯血が本当の希望になりました(東京都 M・Y様)
「私の子どもはウィルス性の病気から脳の一部が機能障害となりました。万が一に備えて保管しておいたさい帯血。
治療に効果があると知り、現在は移植治療に向けて準備をしているところです。まさか使うことになるとは思わなかったし、使わない方が良かったのですが、一生に一度きりのさい帯血を保管しておいて良かったと心から思います。」
※ほかの保管者のから声はこちら
妊娠初期は、赤ちゃんの存在をおなかに感じる機会も少なく、儚く思えるその命が無事に成長してくれることを祈る日々ですよね。お母さんの体調も安定しづらい時期なので、生まれた後の「もしも」のことまで心配するのは難しいと思います。ただ、さい帯血が採取・保管できるチャンスは、出産後すぐの一度きり。準備は、妊娠中の今しかできません。さい帯血保管という制度があることだけ、ぜひ知っていただきたいと思います。赤ちゃんの無事と健康を願う妊婦さんの、健やかな妊婦生活をお祈りしています。
▼さい帯血保管について、もっと詳しく
この記事の監修者

坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー