2021年12月1日
赤ちゃん

体重だけが成長じゃない!新生児の成長に大切なこと

出産後2週間から2カ月にかけては、お母さんの育児不安が強くなる時期です。
入院中は、わからないことがあっても病院の先生や助産師さんに聞くことができました。しかし、退院してからは正解もわからずに、赤ちゃんと2人きりの時間が長く、不安が募っていくものです。
そして生後1カ月の健診までは、ほとんど外出することもなく過ごすので、気持ちや状況を共感してもらえる機会も少ないはずです。そんな産後のお母さんのために、新生児期の過ごし方や成長に大事なことをお話しします。

新生児ならではの特徴

新生児は、生まれて28日までの赤ちゃんを指します。
おなかの中から出てきた途端、グングン成長していく赤ちゃん。まだ昼夜の区別はなく、1日の大半を寝て過ごします。それに合わせて、お母さんもこの時期は昼夜問わず1~3時間間隔で授乳をすることになります。起きている間はおっぱいを飲んでいるような生活です。産後のお母さんには大変な時期ですが、眠れるときに睡眠をとっていきましょう。
また、新生児期ならではの動きとして「原始反射」があります。これは成長とともになくなっていく動きです。
大きな音がしたときにびっくりしたように両手を広げる「モロー反射」
赤ちゃんの手に指を当てると手でぎゅっと握る「把握反射」
赤ちゃんの口に指を入れると吸いついてくる「吸てつ反射」
このように本能的な行動がみられます。この時期の赤ちゃんは、小さな体で精一杯、外の世界に適応しようとしているのです。

体重を気にしすぎていませんか?

生まれてから毎日数十gずつ体重が増加して、1カ月後には1kgほど体重が増える新生児。入院中も毎日体重をチェックしていたため、退院後もちゃんと成長しているのか心配になりますよね。母乳が足りているのか。ミルクを足した方が良いのか。
しかし、まだ胃袋の小さな新生児。たくさんは飲めませんから、飲んでは排泄、その繰り返しで少しずつ吸収していると思って付き合ってください。日々の体重に一喜一憂する必要はありません。
また生後1カ月くらいまでは、授乳量に個人差があるため、授乳の回数や間隔、量を細かく気にする必要はありません。赤ちゃんのおしっこやうんちのペースが変わらずに、飲んだり寝たりを繰り返して、時に機嫌の良さそうな声を出していれば心配ありません。泣いている時は抱っこしておっぱいをあげ、おむつを替える、この基本的な育児がこれからの愛着形成にとても大切な行動なのです。

これが大事!!アタッチメントの重要性

赤ちゃんが泣いて、お母さんが抱っこする。そしておっぱいをあげる。おむつを替える。この行為は、日々の作業のように繰り返されますが、実は赤ちゃんのアタッチメント(愛着)を作っていきます。
英国の児童精神科医のJohn Bowlbyは、特定の愛着の対象(主に母親)との持続的で愛に満ちた関係性こそが心身の発達にとって最重要であるとする愛着理論を提唱しました。アタッチメントがその後の人生において、人を信用していくことや自分を大切に感じられる感覚を作り、自己肯定感に大きく影響していくとされています。
特に生まれてから3カ月は愛着形成の基礎であり、重要な時期なのです。

新生児期から乳幼児期にかけての愛着形成

月齢ごとに愛着形成には段階があります。今回は3つに分けてご紹介していきます。

①誕生~3カ月

新生児は不快感だけに反応します。
最初の3カ月に何度となく繰り返される抱擁、授乳、おむつ替え、入浴などの行動により、不快感が取り除かれ、安心感と安全感を体得します。この体験を通して、匂いや声など母親の温もりを感じて覚えていきます。そして、これらが愛着の基礎となります。初めのうちは反応が少ない赤ちゃんですが、泣いたら抱っこされるといった体験を積み重ねていくことが大切なのです。

②3カ月〜2歳

母と子の双方向の働きかけで、愛着が確実に形成されていきます。
1歳頃までの乳児に最も重要な発達課題は基本的信頼の獲得です。お母さん(養育者)に愛情と信頼を寄せることです。これがパーソナリティ形成の基礎となります。
生後3カ月から2歳頃までの乳幼児は母親の保護と愛情を求めて、泣く、笑う、抱きつく、後追いするなどの愛着行動を盛んに行います。このように自分に向けられた愛着行動やその対応で安心した乳児の様子によって、母親も子供への愛着を深めていきます。

③3歳以上

母親との身体的接触が減る一方で、意思や感情のやりとりが可能になり、母と子が協調して行動できるようになります。今までの愛された記憶から自尊心を持って1人で何かするようになっていきます。3歳までの母親との愛着関係の中から、言葉やコミュニケーション能力、共感性など、生きていくために大切な能力を獲得することができます。
5歳までが自然に愛着を結ぶことができる時期です。

まとめ

新生児の特徴や成長、アタッチメントの重要性についてご紹介してきました。
生まれて間もない弱い存在を「生かしていく」ために育児を頑張るお母さんたち。日々、一生懸命にやっていることは目の前にいる赤ちゃんの「これからの土台」を確実に作っています。
そして、それは同時にお母さん自身の土台でもあるのです。初めてなら少し上手くいかないことがあるのは当たり前。不安なのも当たり前です。お母さんも赤ちゃんと一緒に毎日少しずつ成長していくのです。新生児にだって伝わっていますよ。たくさん抱っこして、お母さんの声で話しかけてみてください。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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