2022年3月31日
乳児

乳児期にかかりやすい病気

赤ちゃんとの生活は、いかがですか?昨日よりも表情が豊かになった、一口多く食べれるようになった、と日々もしくは時間単位でも変化に富んでいますよね!そんなご成長を感じる一方で、突然の病気に驚くこともあるかと思います。いざというときに、慌てないように、乳児期の赤ちゃんがかかりやすい病気についてご説明いたします。

はじめに

乳児期の赤ちゃんの病気は様々なものがあります。また症状も、「熱が出た」「発疹が出た」「下痢や嘔吐した」などがあげられます。どのような病気か分からない段階で、さまざまな症状が、一つもしくはそれ以上起きることもあるので、ママ・パパは、普段とどのような点が違うか、お子さまを良く観察することが必要になります。この観察が、最初の医療ケアを選択する重要な判断になります。なぜなら、普段の様子と比較して、明らかに様子が異なるという場合は、緊急性があるかもしれませんので、救急車や、休日・夜間でも受診の必要が出てきます。一方で、熱があるけれど、機嫌が良かったり、水分がとれる・食欲があったりする場合は、緊急性は低く、日中のかかりつけ医の受診を選択することになるかと思います。ある医師が、「ママとパパが最初のお医者さんである」とおっしゃっていたのが印象的ですが、観察の中から、異変を感じたり、いつもと何かが違う、という体調の変化に気が付いたりすることがまず大切になってくるかと思います。

 

乳児期の赤ちゃんのかかりやすい病気~熱編~

 

・特発性発疹

 

突然39度の高熱がでます。高熱のわりに、赤ちゃんの機嫌はさほど悪くなくて、せきやくしゃみなどの風邪症状はほとんどみられません。原因となるのは、「ヒトヘルペスウイルスの6型と7型」です。熱は3~4日で下がり、それと同時くらいに赤い発疹がおなかのあたりを中心にできて、全身に広がります。発疹は、痛みやかゆみもなく、3~4日で自然と消えていきます。生まれて初めての病気が、この病気であることもよくあります。比較的元気に過ごせることも多い病気と言われますが、熱性けいれんや、まれに脳炎の合併症を起こすこともあるので、全身状態をよく観察することが必要です。

 

・かぜ症候群

 

のどの痛み、鼻水、くしゃみ、37度~38度の熱、下痢や嘔吐の症状が出ることもあります。原因となるのが、ほとんどウイルスで、その数は400種類以上と言われています。冬の風邪の代表格である、「RSウイルス」は、90%以上のこどもが2歳位までに一度は感染するといわれています。大人が感染しても普通の鼻かぜ程度で済みますが、一歳未満の赤ちゃんが感染すると、細気管支炎(※1)などを起こし重症化しやすいので注意が必要です。他方で、夏の風邪の代表格は、「ヘルパンギーナ」です。原因は、エンテロウイルス属の、主にコクサッキーウイルスによっておこる病気です。感染力が強く、38度から39度の高熱、のどの奥に水泡ができます。夏風邪と言われるものには、他にも俗にプール熱と呼ばれる「咽頭結膜熱」があります。高熱に伴い、結膜炎の症状が出る事もあり、のどの痛みや下痢嘔吐の症状が出ることもあります。

夏風邪は、冬の風邪に比べると、鼻水や咳の症状があまり見られず、下痢・嘔吐・発疹が現れる事が多く、熱がでると高熱になるのが特徴です。

 

※1気管支の一番奥で「肺胞」の直前の、気管支が枝分かれした「細気管支」という部分に炎症が起きる事

 

乳児期の赤ちゃんのかかりやすい病気~発疹編~

 

・手足口病

 

夏風邪の一つで、手のひらや、足、口の中などに小さな水泡ができます。原因は、エンテロウイルス属の、主にコクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどです。水泡は、指の付け根やひざ頭、ひじ、おしりなどにできることもあります。手足にできる水泡は、かゆみや痛みが少ないのですが、口の中にできる水泡は、破れて潰瘍になり痛むこともあります。病気は一週間ほどで治りますが、ごくまれに合併症として無菌性髄膜炎を起こすこともあります。熱が上がって、吐くような症状があるときは、直ぐに受診しましょう。お口の中が痛むときは、刺激の少ない、のどごしの良いものを食べれるとよいですね。

 

・溶連菌感染症

 

急にのどが赤く腫れて、痛みがでます。溶連菌(A群β溶血性連鎖球菌)が、のどの粘膜に感染して起こります。39度前後の高熱が出る場合もありますが、ほとんど熱が出ない場合もあります。軽いかゆみを伴う、赤くて細かい発疹が首や胸のあたりから、全身に広がることがあります。発症から、2~3日経つと、舌の表面が腫れ、赤いブツブツができて、いちご舌と呼ばれる赤い舌になる事もあります。細菌性の病気なので、抗生物質を服用し治療します。重度の尿路感染症などの合併症を防ぐためにも、10日ほど薬を飲むことが大切です。のどが痛いときは、刺激物をさけて、のどごしの良いお食事でホームケアをしましょう。

 

乳児期の赤ちゃんのかかりやすい病気~下痢・嘔吐編~

 

・ウイルス性胃腸炎

 

ノロ・・ロタなどのウイルスが、主に口から胃腸に入り、熱が出て、下痢や嘔吐の症状がでます。流行するのは、冬場が多いのも特徴です。中でも、ノロウィルスは、感染力が強く、少量でも感染します。また、ロタウイルスは、米のとぎ汁のような白っぽい便が出るので「白色性便性下痢症」とも呼ばれています。激しい嘔吐・下痢が続くので、脱水症状やけいれんを起こしやすいので、全身症状をよく観察しましょう。脱水症状が急に進行することもあるので、注意が必要です。

 

おわりに

乳児期の赤ちゃんのかかりやすい病気をいくつかご紹介しました。今回ご説明しきれなかった他の病気においても、冒頭にも触れましたように、赤ちゃんの様子は、普段からよくご観察なさって、異変に早く気づくことができれば、対応も早くなります。その分、赤ちゃんも早く元気を取り戻すことができます。普段の、平熱・オムツを変える回数、食欲、ご機嫌など、何気ない日常が貴重な情報源ともなります。まさに、ママ・パパは、「赤ちゃんをみる最初のお医者さん」です。

お子さまの健やかなご成長を、心よりお祈り申し上げます。

 

 

参考文献

「赤ちゃんの病気 新百科」 (株)ベネッセコーポレーション発行

「赤ちゃん・子ども病気百科」 主婦の友社発行

「NHKすくすく子育て育児ビギナーズブック②病気」NHK出版

 

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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