2022年1月27日
赤ちゃん

プール熱について解説します!

夏風邪の一種で、「プール熱」と呼ばれる咽頭結膜熱。感染力が強く、高熱、結膜炎、のどの痛みが特徴です。夏の季節に心配な病気ですね。詳しくご説明させていただきます。

プール熱とは?特徴は?

・アデノウイルスという名前のウイルスによる感染症です。
毎年、真夏から初秋にかけて、主に幼児から学童の間に流行します。夏に、プールの水が汚染されてうつることが多いことから「プール熱」ともよばれています。夏に多い病気とされていますが、最近は一年を通じてみられるようです。

・感染力が強く、患者さんが触れたタオル、机、ドアの取っ手などに触れることで感染しますので、家庭内で上の子が感染すると赤ちゃんにうつることもあります。

プール熱の潜伏期間、主な症状は?

・5~7日の潜伏期間の後に突然の高熱(39度くらい)が出ることがあります。
・のどが真っ赤に腫れて痛くなり、偽膜性扁桃炎(扁桃に白い分泌液がべっとりとついている扁桃)を起こすことがあります。
・目が真っ赤になって、白目やまぶたの裏側が赤くなり、結膜炎を起こします。

これらの、3つの症状が必ずあらわれるとは限らず、1つか2つの症状で終わることもあります。
また、アデノウイルス(※1)感染症と正確に診断するためには、のどのぬぐい液や、結膜(涙)を綿棒で採り、迅速診断キットでウイルスの有無を検査することが必要となります。

アデノウイルス(※1)
アデノウイルスには、50以上の型があります。ウイルスの型によって症状はさまざまです。基本的に、呼吸器に感染するウイルスですが、プール熱以外にも、流行性角結膜炎、かぜ、急性気管支炎、肺炎、急性胃腸炎(下痢、嘔吐)、急性出血性膀胱炎、髄膜炎、心筋炎などの病気を起こします。

プール熱の治療は?

・特効薬はありませんので、対症療法が基本となります。発熱に対しては解熱剤、目の充血に対しては点眼液が使われます。炎症を抑えるためのステロイド点眼薬や他の感染を防ぐために、抗生物質入りの点眼液が使われることもあります。眼科に掛け持ちで通院されなくても、小児科で処方してくださいます。

・熱は、2~3日続きますが、1週間くらいで回復します。

・脱水症状には気を付けて、口当たりのよい食事をしましょう(後述のホームケアをご参照ください)。

プール熱の感染力は?

・感染力が強いため、家庭内感染に気を付けましょう。
具体的には・・・タオルなどは、使い捨てのペーパータオルなどに代用すると良いです。洗面器や、お洗濯もできれば別にしましょう。ごきょうだいで、一緒に入浴するのは避けましょう。もちろんご家族の、手洗いやうがいも入念にお願いいたします。

・流行している情報があった場合は、プールに入らないようにしましょう。プールに入った場合は、シャワーを浴び、目を洗い、うがいをしましょう

・アデノウイルスは、病気がなおっても約4週間は便中や唾液に排出されます。しかし、感染力は1週間もすると著しく低下しますので、感染症法では「症状が消えた後、2日を過ぎたら登園・登校してもよい」としています。

プール熱・ご家庭でのホームケアは?

~水分補給のポイントは、「少量を何度でも」~

・熱があると、呼吸が早くなって、体から奪われる水分が多くなります。母乳やミルクを飲む量が少ない時は、少しずつ何度でも与えるようにしましょう。

水分補給・おすすめの食べ物

・湯冷まし
・麦茶
・赤ちゃん用飲料
・乳幼児用の経口補水液
・おもゆ、おかゆ
・おうどん
・とうふのすり流し
・野菜スープ

・繰り返しになりますが、水分は一度に沢山飲ませようとすると、吐いてしまうかもしれませんので、少量をこまめに何回かにわけましょう。
湯冷ましや、麦茶には、水1リットルに対して、塩2gを加えて、体の電解質を補うのもおすすめです。

・お食事も、熱いもの、酸っぱいもの、塩辛いものなどの刺激になる食品は避けましょう。野菜スープの他にも、コーンスープ、茶わん蒸し、プリン、アイスクリームなど、水分が多く、高カロリーで、口当たりの良いものが食べやすいです。水分補給同様、スプーンで少しずつ、ゆっくり口の中に入れましょう。

・以上のようなホームケアは、プール熱以外の病気における水分補給等にもご参考してくださいませ。

まとめ

赤ちゃんが、お熱やのどの痛みで苦しんでいる姿は、本当に心が張りさける思いになりますよね。筆者も、2児の子育てをしており、一番心配になるのは、そのような症状で苦しんでいる時です。
特に、今回のプール熱では、「水分補給」や「脱水症状」に気を付けなくてはなりませんので、「少しずつを何回も」をポイントになさってみてください。
赤ちゃんは、体が小さく、大人より水分の出入りが激しい為、私たちが考える以上に早く脱水症状になる可能性が大きいです。
そのような時は、①赤ちゃんの全身状態を観察、②体重減少がないか確認する、と良いです。
普段からお子さまの様子を観察し、体重を知ることなどが大事です。
母子手帳や、育児日記を使い、メモや文章で書き留めておくと、病気の時に役に立つことがあるかもしれません。

お子さまの健やかなご成長を、スタッフ一同よりお祈り申し上げます。

 

参考文献

北村享俊『すぐに引ける子どもの病気がわかる事典 小児科の専門医が、子どもの症状に応じて診断』成美堂出版、2004年8月10日

細谷亮太『0~6才 赤ちゃん・子ども病気百科』主婦の友社、2008年1月19日

宮下守『症状からすべてわかる 子どもの病気の不安に答える本』講談社、2010年09月01日

横田俊一郎『NHKすくすく子育て 育児ビギナーズブック(2)病気』NHK出版、2010年2月26日

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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