2022年3月31日
赤ちゃん・子育て

お母さんを困らせる乳児期の夜泣き

坂田陽子

記事監修者:坂田陽子

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

夜泣きとは生後6ヶ月を過ぎたあたりの乳児に起きる夜中の原因がわからない泣きのことをいいます。

この夜泣きには大変個人差があり、一度も夜泣きをしたことのない赤ちゃんもいれば毎日夜泣きをして時には何時間も泣き止まない赤ちゃんもいます。

夜泣きの多い赤ちゃんの場合はお母さんの睡眠時間も少なくなったりご近所へ聞こえやしないかと心配になったりして困るのでなんとか解決したいですよね。

お母さんを悩ませる夜泣きですが、今回はできるだけ赤ちゃんとお母さんが安心して眠れる平和な夜になるような工夫を紹介します。

◯睡眠のメカニズム

大人が朝になると目が覚めて、夜になれば眠くなるという1日のリズムは体内のメラトニンというホルモンによるものです。

メラトニンは太陽の光を浴びることで分泌されます。

太陽を浴びてからメラトニンが分泌されるまで14時間〜16時間かかるので、朝に太陽を浴びるとちょうど夜眠くなるという仕組みです。

しかしお腹の中の赤ちゃんはずっと暗闇の中で過ごしていて、20〜30分毎に寝たり起きたりを繰り返す生活でした。

産まれてすぐの乳児は自分でメラトニンを作ることができません。

メラトニンは母乳に含まれるので少しずつ体内に入ってきますが、自分でメラトニンを作ることができるのは生後3〜4ヶ月になってからと言われています。

乳児期は1日のリズムを体に馴染ませるために一生懸命なのです。

また睡眠は浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)を繰り返しています。

大人はだいたい90分のサイクルで、そのうちの80%がノンレム睡眠です。

一方乳児では50分ほどのサイクルで、その半分が浅い眠りのレム睡眠だと言われています。

昼に起きて夜に寝るというリズムもできていない上に、眠りが浅いのですからちょっとした物音やおむつの不快感などで起きてしまうのも頷けます。

 

生後1ヶ月から4ヶ月の乳児ではまだ昼と夜のリズムが整っていません。

夜は授乳のタイミング以外でも寝たり起きたりを繰り返しているのでなかなか夜泣きの対策が難しいかもしれません。

生後4〜5ヶ月くらいになってくると次第に昼間に起きている時間も長くなり夜は寝る時間が長くなり1日のリズムが整ってきます。

授乳でもなくオムツでもない、原因不明の泣きが続いてくると『これはもしかして夜泣きかも』と感じ始めますね。

もし夜泣きが続いてどうにかしたいと思ったら以下の方法を試してみてください。

 

◯夜泣き対策

・リズムを整える

やはり夜泣きの対策としては乳児の睡眠リズムを整えてあげることです。

朝はカーテンを開け太陽の光を浴び、夜は寝る前に照明を蛍光灯から暖色系のものに変えると次第に眠くなります。

昼間はしっかり体を使って遊び疲れることが大切ですが、難しいことに興奮しすぎても夜泣きをする場合があります。

普段慣れない場所に行ったり知らない人と会ったりした日に夜泣きをしたというのはよくあることです。

お出かけをして興奮した日は夕方からのんびり静かに過ごすといいでしょう。

また、お昼寝が長かったり、夕方16時以降の遅い時間にお昼寝をしてしまったりするのも夜中の眠りが浅くなる原因になります。

1日のリズムがうまくいかずお昼寝が遅くなってしまいそうなときは思い切ってお風呂やご飯を早めて早めに寝かしつけてしまうのも方法の一つでしょう。

 

・就寝環境を整える

赤ちゃんの寝かしつけ後に家事や自分時間で活動するお母さんがほとんどだと思いますが、できるだけ赤ちゃんの部屋は真っ暗に静かにしてあげましょう。

乳児は目についたものをじっと見続けるという特徴があるため、常夜灯やエアコンの電源の光などちょっとしたものに目が奪われがちです。

また、室温や着ている服は適切ですか?

夏は25度、冬は18〜20度が適切な温度です。

また乳児は基本的に暑がりなので大人より1枚少ないくらいの服装で良いのです。

寒い冬でもパジャマやスリーパーなどでもこもこになりすぎていないでしょうか。

 

・入眠儀式の工夫

乳児ですから産まれた時から寝かしつけにミルクやおっぱいを飲ませながらもしくは抱っこしながらという入眠儀式をしてきて当然なのですが、夜中に眠りが浅くなったときに『あれ、おっぱいを咥えていない!』『抱っこしてもらっていない!』と気づいて不安になり泣いてしまうことがあります。

月齢が進んできたら入眠儀式を変えることも夜泣き対策の一つになります。

授乳や抱っこはお母さんにとってとても強い味方なのですが、どこかのタイミングで1人で寝られるように頑張ってみましょう。

寝転びながらトントンする、手を握る、お気に入りも毛布を触る、決まった子守唄を流すなどを試し、しっくりくる方法を見つけます。

またそれに伴って夜間の断乳をしてみるのも効果的です。

乳児期でも生後6ヶ月以降になり夜に長い時間寝てくれるようになれば授乳によって水分や栄養を摂る必要はなくなります。

夜間断乳すると決めたら1週間は心を鬼にして泣いても授乳しないとこが成功のコツになります。

初日はなかなか泣き止みませんが、数日経つとおっぱいやミルクがもらえないとわかると次第に自分で寝付くようになっていきます。

 

・それでも夜泣きが続いたら

いろいろ試して頑張ってもダメなことは残念ながらあります。

そんなときはあえて一度起こしてしまう、周りの安全が確保できていれば泣き止むまでそのまま泣かせておくことも一つの方法です。

ここまでくるとお母さんの精神的にもかなり負担があると思います。

あまりにもひどい夜泣きが続く場合は漢方薬を処方してくれる病院もあるので、お母さんも泣いている赤ちゃん本人も辛いようであれば相談してみてください。

 

◯終わりに

ここまで睡眠のメカニズムや対策についてご紹介しましたが、夜泣きについては本当に個人差が大きいものです。

筆者も子どもが2人いるのですが、上の息子は乳児の頃から本当に敏感でそもそも寝つきも悪く自分の寝返りや家事のちょっとした物音などでよく夜泣きをしました。

一度泣き出すと大音量でなかなか泣き止まず、あやしているこちらが泣いてしまうような夜を何度も越えてきました。

2歳頃まで夜中に何度か起きて泣くことがありましたが、6歳になった現在ではたまに目が覚めてちゃんと私がそばにいるか確認することもありますがほとんど一晩中静かに寝られるようになりました。

それに比べてもうすぐ2歳になる下の娘はたまに寝言のように泣くことはありますが一度も夜泣きというようなものはありません。

同じお腹から出てきたのに本当に不思議なものです。

 

息子の夜泣きが辛かったからこそ同じ悩みを持つお母さんの苦労がよくわかります。

対策を全部したけどダメだという時は何がいけなかったのだろう、自分の対応が悪いのだろうかと自分を責めたり情報に囚われ過ぎてしまったりするかもしれません。

そんな時はこの子はもうしょうがない、これが個性だと納得してしまう方が楽かもしれません。

なるべくお母さんがストレスにならないよう、また睡眠時間をとれるように家族に協力してもらうことも大切です。

成長するといつかは夜泣きが終わる日がきます、赤ちゃんとお母さんが一緒に安眠できる夜がくることを祈っています。

 

 

 

参考HP

グーン

https://www.elleair.jp/goo-n/mama/03/page5

東洋経済

https://toyokeizai.net/articles/-/393661

生馬医院

https://www.ikomaiin.com/index.php?夜泣き

エデュケアポイント

https://point-g.rakuten.co.jp/educare/articles/2019/baby_put_sreep/

 

 

 

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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