陣痛を経験したことのない人にとって、陣痛ってどんな感じなんだろう、陣痛来たらどうしたらいいんだろうと、初めて陣痛を経験する人にとって本当に未知の世界です。
陣痛の起こり方は個人差があるものの、初めて経験する陣痛について、どんな感じだったのか様々な体験談を耳にしておくことはとても参考になると思います。
これはまもなく5歳になる息子を出産した際の、私の陣痛体験記です。
陣痛に備えての準備
①入院バッグ、陣痛バッグの用意
入院するにあたって、入院する際に必要なもの、陣痛が来た時に病院で必要なものをそれぞれ分けて用意しておきます。入院バッグと陣痛バッグを一つにまとめてしまうと、陣痛でもがいている時にバッグの中に何がどこにあって、必要なものがすぐに取れなくなってしまうので、入院バッグと陣痛バッグは必ず分けておきます。
<陣痛バッグに入れておいたもの>
・ストロー付きキャップ:100円ショップにあるペットボトルにつけることができる、ストロー付きのキャップ。長期戦になった場合、横になったまま飲み物が飲めるように、ペットボトルのお茶と一緒に準備
・予備のストロー
・軽食:手軽に口にできるように、カロリーメイトやゼリードリンクを用意
・ペットボトルの飲み物
・汗拭きタオル
・バスタオル:自家用車やタクシーで移動になった場合、破水したときに備えて座席に敷く用に用意
・おまもり
②やるべきことの書き出し
陣痛が起きたらどのような段取りにするか、紙に書き留めておいて一目瞭然にしておきました。
例えば、朝陣痛がきたら誰に病院に連れて行ってもらうのか、お昼に来たら、夜中にきたらなど、やるべきこと、連絡する先などを明記しておくと、いざとなった時に慌てなくて済みます。
③陣痛タクシーの登録
地域によって異なりますが、陣痛タクシーが利用できるのであれば、あらかじめ登録する必要があることが多いので、登録を済ませておくとよいと思います。
④陣痛アプリの登録
陣痛アプリがあれば、陣痛が来た時にストップウォッチのように開始した時、おさまった時にボタンを押すだけで間隔が図れ、時間の記録できて便利です。
様々な無料の陣痛アプリがありますが、私が使ったのはカラダノートの『陣痛きたかも』というアプリでした。いざ陣痛が来た時に慌てないように、アプリを入れるだけでなく、どんな感じか事前に使ってみていた方がいいと思います。
ついに陣痛!!!
予定日4日前の最後の健診日。
内診したところ、赤ちゃんが全然降りてきている気配がないとのこと。予定日の金曜までに生まれなかったら、赤ちゃんが大きくなりすぎて降りてこれないのかもしれないので、もう一度金曜日に健診と言われ、私は少しでも赤ちゃんが降りてきて来るように、その日の帰り道は車での迎えをお願いせず、歩いて帰りました。
帰宅してから、ネットで陣痛が来るジンクスをひたすら調べて、片っ端から試しました。
私が試したジンクスは
バランスボール
バランスボールに座って運動しました。運動と言っても、ただバランスボールに座って、上下に弾むだけ。転倒しないように、バランスボールを使用する際は必ず何かに捕まることをお勧めします。
ツボ押し
次の3つのツボを押しました。
合谷(手の親指と人差し指の間にあるツボ)
山陰交(足のくるぶしから指4本分のところにあるツボ)
内関(手首から指3本分のところにあるツボ)
ハーブティー
「ラズベリーリーフティー」を飲むといいと聞き、ちょうど1つティーパックがあったので飲みました。
一度に全部試みたので、実際どれが陣痛に効いたのかは不明です。
これらを試した晩、10時過ぎくらいにお風呂に入ろうとした時あたりから、生理痛のようなどことなくお腹が痛いような感じが…。特に痛みを気にすることなく、お風呂に入り0時近くに就寝。1時30分くらいに悶絶するような痛みで目が覚めた。就寝前のどことなく痛い生理痛とは明らかに違う、お腹を下した時の痛みの3倍くらいの痛み。すぐに陣痛アプリを立ち上げて間隔を図ると15分くらい。初産は10分を切ってから病院に連絡と聞いていたので、痛みの波に耐えながら間隔が短くなるのをひたすら待つ。寝ている夫を起こすか迷いつつ、お産がどれくらい長期戦になるか、どんな感じになるかわからないので、ギリギリまで寝せておこうと思い、とりあえず一人で陣痛に耐える。痛みが引いた時点でトイレへ。そこで少量の出血を確認し、これが「おしるし」か~と改めて陣痛が来ているんだと確信。トイレから戻り、アプリで間隔を見ると10分どころか6分になってる!慌てて夫を起こし、病院に連絡。すぐに病院に来るように電話口で言われ、出発する準備。入院セットは用意していたものの、まさか夜中に陣痛が来ると想定しておらず、着ていくものを決めてなくて何を着て行ったらいいのか妙に焦った。
2時過ぎくらいに病院に到着すると、すぐに術着に着替えをして分娩台へ。てっきり別室で腰をさすってもらいながら待機するものだと思っていたので、分娩台に案内されて驚いた。
子宮口がどれくらい開いていたのかは不明だったけど、先生が来て「あー、これは1時間くらいで生まれるよ」とひと言。ここで痛みはお腹を下した時の痛みの5倍くらい。本気で陣痛ではなく便意なんじゃないかと思うほどでした。とりあえず言われるがまま、お腹に力を入れて!と促されるも、妊婦生活中お腹に力を入れてはいけないと言われていたので、お腹に力を入れるという感覚が久々過ぎてどんな感じかわからず、なかなか思うように力を入れられない。寄せては返す波のように、陣痛の波が襲ってきては遠のいて、襲っては遠のいての繰り返し。波が遠のいた時の休息中、あの痛みがまたやってくるという恐怖は何とも言えず。結局、助産師さんに上からお腹を押してもらったりしながら、分娩時間は2時間半と初産にしてはスピード出産だったようでした。もっと感動して涙が出るものだと思っていたけど、実際は疲れ果て過ぎて、「やっと終わった…。この子を責任もって育てないといけないな」というのが正直な感想でした。
陣痛中に助産師さんから言われたこと
「赤ちゃんはもっと頑張ってるんだから、お母さんも頑張らないと!」
陣痛中、赤ちゃんは自分の頭の骨を重ね合わせながら、狭い狭い産道を通って苦しい思いをして生まれてくると言われています。
陣痛の痛みはなにものにも代えがたい痛みですが、同じように頑張って生まれてこようとしている赤ちゃんがいることを頭に置いて、一緒に痛みを乗り越えられるといいですね。
この記事の監修者

坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー