初めて出産する人は、
「陣痛はどんな痛みなのだろう」
「どれくらい続くのだろうか」
と不安な気持ちになりますよね。
出産の経過や陣痛の痛みの感じ方は人それぞれ。陣痛が始まってみないと分からないものです。
しかし陣痛の痛みや前兆を知っておくだけでも、不安な気持ちは軽減されるでしょう。
この記事では主に、以下のような内容を解説していきます。
・3種類の陣痛の痛み方
・陣痛が起こる3つの前兆
・陣痛から出産までの平均時間
この記事を読むと、陣痛に対する不安が軽くなり、前向きな気持ちで出産を迎えられるようになりますよ。
3種類の陣痛と痛みの特徴
じつは陣痛には、以下の3種類があります。
- 前駆陣痛
- 本陣痛
- 後陣痛
それぞれ痛む間隔や痛み方が異なります。違いを知ると症状が現れたときに落ち着いて対応できるようになりますよ。
順番に内容を解説していきます。
前駆陣痛
偽陣痛とも呼ばれることも。妊娠後期に感じるような、お腹の張りとは違い、お腹が硬くなって痛みを感じます。
子宮が収縮することで起こりますが、分娩に繋がらない場合もあり、長時間継続しません。分娩につながる本陣痛とは違って、安静にしていることで、時間経過に伴って治まります。出産が近づくと、身体が準備運動をするように、前駆陣痛が頻繁に起こることがあります。
また人によっては、前駆陣痛を感じることなく、本陣痛が起きる場合もあります。
前駆陣痛の痛みに関する特徴は、以下のとおりです。
痛みの強さ | 弱~中 |
痛む間隔 | 不規則
痛む間隔は一定で、継続しない |
痛みの感じ方 | 軽い生理痛
お腹の張り 子宮が締め付けられる、ねじれるような痛み 腰痛に似た痛み 下痢をしたときの痛み |
本陣痛
分娩に伴って起きる子宮の収縮です。
始まりは前駆陣痛のように不規則ですが、痛みの間隔が少しずつ規則的になり、間隔が短くなっていきます。
本陣痛の痛みの感じ方は人それぞれですが、子宮だけでなく骨盤も大きく動いて開くため、
・骨盤や腰が割れそうな痛み
・お尻の穴が、中からぐーっと押されるような痛み
と表現されることも多いです。
本陣痛が起きると子宮口が開き、赤ちゃんが下りてきて、出産となります。
本陣痛に関する痛みの特徴は、以下のとおりです。
痛みの強さ | 弱~中~強とだんだん強くなる |
痛みの間隔 | 規則的。10分間隔→5分間隔と次第に短くなる |
痛みの感じ方 | 子宮がギューッと強く収縮する痛み、ピーク時は腰・お尻など下半身全体に強い痛みを感じることも |
後陣痛
出産後に子宮が戻ろうとすること(子宮復古)で起きます。経産婦は後陣痛が強くなる傾向にあります。
痛みの感じ方は、生理痛のようだったり、本陣痛のような激痛だったり、チクチクと感じる痛みだったりと、個人差があります。
帝王切開の場合は、子宮の傷もあるので、後陣痛をより感じやすい場合も。
後陣痛は、産後1週間ほど続く場合もありますが、前駆陣痛や本陣痛とは違い、鎮痛剤で対応することが可能です。
痛みがつらい場合は医師へ相談してみましょう。
後陣痛の特徴を下記にまとめました。
痛みの強さ | 弱~強(人によって異なる) |
痛みの間隔 | 不規則 |
痛みの感じ方 | 生理痛、チクチクとした痛み、激痛など |
陣痛が起こる7つの前兆
出産予定日が近くなると、いつ陣痛が来るのかと不安な気持ちにもなりますよね。しかし、本陣痛が起こる前には、いくつかの前兆があります。前兆を把握することで、そろそろお産が始まりそうだなという、心の準備をすることができますので、いよいよ赤ちゃんに会える時が近づいているという前向きな気持ちになることができます。代表的な7つの前兆については、下記になります。
- 破水
- おしるし
- 胎動が激しくなる
- 後期つわりが緩和する
- 腹痛や腰痛が強くなる
- 粘液栓が出る※
- おりものが増える
※粘液栓とは、子宮頸部にある粘液やおりものがゼリー状の塊になったもののこと
陣痛で病院に行くタイミングは?痛みの間隔と強さがポイント
陣痛がきて病院に行くタイミングは、痛みの間隔と強さを見極めるのがポイントです。
以下のような間隔で規則的な痛みがある場合は、病院へ連絡しましょう。
一般的には、規則的な痛みが
・初産婦:10分間隔
・経産婦:15分間隔
病院に行くタイミングは、前駆陣痛との見極めが難しいところです。
病院に行く必要がある本陣痛の特徴は、以下のとおり。
・痛みのくる間隔が規則的
・痛みのくる間隔がだんだん短くなってくる
・痛みがだんだん強くなってくる
痛みが始まったら
「痛みが持続する時間」
「痛みがおさまって、次の痛みがくるまでの時間」
をしっかり測っておきましょう。病院に連絡するときに助産師さんに聞かれる項目です。ストップウォッチで測るのもよいですが、陣痛チェッカーなどの無料アプリを利用するのも便利でおすすめですよ。
【要チェック】陣痛で病院へ行く前にやっておきたい3つのこと
陣痛が10~15分間隔の場合は、痛みが生理痛程度であるケースが多いです。
病院へ行く前に、以下の3つのことを済ませておきましょう。
1.破水をしていなければ入浴をする
出産を終えるまでに、半日以上かかる場合もあります。シャワーを浴びたり、入浴をしたりして、体を清潔にしておきましょう。ただし、熱いお湯での入浴、長時間の入浴は避けましょう。またお風呂は滑りやすいため、足元に気をつけることも忘れずに。
2.食事や睡眠を取り、体力を温存する
ストレスやエネルギー不足は、出産時の妨げになります。出産は、人によっては24時間以上の長時間を要します。疲れてしまうと、陣痛も弱くなり分娩時間が長くなってしまいますので、体力をしっかり維持することが大切になります。また、痛みを感じないタイミングで、よく休み、水分補給をこまめに行い、食事もとっておきましょう。
3.入院するための連絡先や荷物の最終確認
火元の管理、戸締りをしておきます。すぐに病院や家族へ連絡ができるように準備しておきましょう。スマホの充電も忘れずに。
入院時の荷物を再度確認し、入院後、家族に持ってきてもらう荷物は、わかりやすく知らせておきましょう。
【出産経験別】陣痛から出産までにかかる平均時間
陣痛が始まってから出産までにかかる時間は、以下のとおりです。
・初産婦:12~15時間
・経産婦:5~7時間
個人差があるため、目安として参考にしてくださいね。
陣痛がこないときは陣痛促進剤を使うケースも
陣痛促進剤は、子宮収縮を強めて、お産を促進するという効果があります。「陣痛誘発」と「陣痛促進」の2つの目的で使われます。前者は、陣痛が来る前に破水したり、大幅に予定日を過ぎてしまったとき、無痛分娩のときなどに使われます。後者は、陣痛が始まったものの、何らかの理由で陣痛が弱まってしまったときに陣痛を起こして、出産に至るようにします。
陣痛が怖い!出産前のリラックス法3選
陣痛は、今まで経験したことのない恐怖の痛みときいたことがあるけど…何かリラックスできる方法はないのでしょうか?
・呼吸法の練習
・お気に入りのアロマをハンカチに染み込ませて持っておく
・家族(夫や親など)にサポートしてもらう(腰をさすってもらうなど)
【体験談】私の陣痛の始まり~出産まで
ここからは私が2回経験した、陣痛~出産までの体験談をご紹介します。
・陣痛の始まり方
・前駆陣痛や本陣痛の痛みの感じ方
・病院に行ったタイミング
・子宮口の開きと、痛みの間隔と強さ
・出産までにかかった時間
などを詳しく紹介しています。
出産の過程は人それぞれですが、ひとつの体験談として参考にしてくださいね。
お産の始まり、規則的な陣痛に気づいてからの痛みと間隔
妊娠37週に入ると正期産と呼ばれ、もう陣痛がいつ来てもおかしくありません。私は産婦人科の母親教室で「初産婦さんは、痛みが10分間隔になったら電話してください」と言われました。
一人目のときは前駆陣痛を感じず、10分間隔の陣痛に気がつき慌てて病院に電話しました。病院に到着し、駐車場から病院へ歩く頃には、もう休み休みにしか歩けませんでした。
対照的に二人目のときは、「これがみんなの言っている前駆陣痛か」と予定日の10日ほど前から感じました。しかし規則的な痛みではなく夜中だけ痛みのある状態でした。
痛みが夜間に3日続きましたが、3日目の朝に規則的な痛みになっていると感じ、病院に連絡。そのときはまだ15分ほどの間隔で、普通に歩けていたことを覚えています。しかし一人目を予定日より早く出産していたことや、切迫気味であったことから、入院の準備をして早めにきてくださいと言われました。病院に着いても、まだまだそれほど痛みも強くなく、やはり10~15分間隔で「重い生理痛?」と感じる程度でした。一度帰宅するパターンでは・・・と焦りましたが、子宮口も3cmほど開いていたようで、そのまま入院しました。
いよいよ本格的な陣痛との闘い
私の経験ですが、お産が進むにつれ、痛みの間隔や陣痛が続く時間は刻々と変化していきます。
子宮口の開きが3cmくらいのときは、陣痛と陣痛の間隔が10分ほどでした。陣痛の続く時間も30秒ほどで、まだ助産師さんと会話できる余裕がありました。第一子の時は夜中の12時に病院に駆け込んだこともあり、陣痛と陣痛の間にウトウト眠ってしまっていました。
子宮口の開きが3~8cmになってくると、少しずつ痛む間隔も短くなり5~6分ほどに。痛みもどんどん強くなって来るのを感じました。このときは、陣痛の長さも1分ほどになっていたと思います。
子宮口が8~10cmにもなると、もう余裕がありません。陣痛の間隔が2、3分になり、痛みの継続時間も長くなっていたため、痛みが落ち着いたかと思うと、すぐに次の痛みのピークがやってきます。助産師さんがまたあとで見にきますねと言って部屋を出ていき、しばらく痛みに耐えました。「もう1時間くらい頑張ったのではないか」とふと時計を見たとき、ほんの10分しか経っておらず、絶望したことはいまでもはっきり覚えています。
ここまでの時間がとても長く感じました。この痛みはいつまで続くのだろうと不安になりつつも、必死に痛みに耐えました。
破水してからは、ゴールが見えてきます。ほっとするのと同時にいままでとは違った痛みに襲われます。一人目のときは破水してからスムーズに出産できたのですが、二人目のときは破水してから、なかなか赤ちゃんが下がらず、骨盤が軋むような感覚に襲われました。それでも私の場合は、ありがたいことに二人とも病院に到着してから、5~6時間ほどで出産できました。
出産のとき「やっておけばよかった」と後悔したこと
一つ後悔しているのが、第一子出産のときに睡眠不足のまま、お産に突入してしまったことです。胎動やおなかの張りで、なかなか眠ることができず、陣痛も真夜中にきてしまいました。
陣痛と眠気の間をさまよい、時にはそれが原因で陣痛が遠のいてしまうことも。先生や助産師さんから「ちゃんと寝ておけば、もう少しスムーズに産めたよ」と言われる始末でした。
陣痛を乗り切るためには、睡眠をしっかりとり、気持ちもリラックスして、お産に臨めるとよいですね。
出産を経て感じること
私は数年前に、第二子を立ち会いなしで出産しています。
私の場合、突然一人でということになったのですが、不安と同時にやるしかないと腹を括った記憶があります。
家族の立ち会いがなく、とても心細かったです。しかし陣痛で苦しむなか、助産師さんが私の手を握って「赤ちゃんもがんばってるよ」と励ましてくれました。
「そっか、私一人じゃなかった」と何とか踏ん張り、頑張ることができました。助産師さんには本当に感謝です。
これから出産されるというママもきっと大丈夫です。先生や助産師さんがついていてくれますし、おなかの赤ちゃんも一緒に頑張ってくれていますよ。ぜひ素敵な出産を迎えてくださいね。
まとめ
陣痛への不安・恐怖は、ご予定日が近づくと増していくお気持ちがあると思います。この記事でお伝えした、前兆や体験談などを知ると、より出産のイメージができて、不安なお気持ちが軽減できたのではないでしょうか。お腹の中の赤ちゃんも、きっとママ・パパに会えるのを楽しみにしているはずです。どうぞ、前向きな気持ちで出産をお迎えください。赤ちゃんに会えた瞬間に、今までの不安やご苦労は一瞬で飛んでいきますよ!
どうか良いご出産のときをお迎えください。
チャンスは出産時の一度きり。赤ちゃんの将来の安心に備えるさい帯血保管とは
うまれてくる赤ちゃんのために、赤ちゃんがおなかにいる今しか準備できないことがあるのをご存知ですか?
それが「さい帯血保管」です。
さい帯血とは、お母さんと赤ちゃんをつないでいるへその緒を流れる赤ちゃん自身の血液のことです。この血液には体のさまざまな種類の組織の元になる「幹細胞」と呼ばれる貴重な細胞が多く含まれており、これが神経や骨、筋肉などの細胞になったり、障害が起きている場所の炎症を鎮めるはたらきがあることが分かっています。
現在十分な治療方法のない脳性麻痺等の中枢神経系疾患や、自己免疫疾患、自閉症スペクトラム障害等に対する再生医療・細胞治療での利用の可能性が注目されています。
このさい帯血は、赤ちゃんやご家族の万が一の備えとして長期にわたって保管することができます。さい帯血を採取できるのは、出産時のわずか数分間です。採血と聞くと、痛いイメージがありますが、さい帯血の採取はママや赤ちゃんに痛みはなく安全に行うことができます。
民間さい帯血バンクなら、赤ちゃん・家族のために保管できる
さい帯血バンクには、「公的バンク」と「民間バンク」の2種類があり、公的バンクでは、さい帯血を第三者の治療のために寄付・保管されます。
一方民間バンクでは、赤ちゃん自身やそのご家族の将来のために保管します。治療法が確立されていない病気に備える保険として利用できるのが、この民間さい帯血バンクです。
ステムセル研究所にさい帯血を保管する方の多くは、高品質で安全に保管できるという点に注目してくださっています。
ステムセル研究所が選ばれる理由
・民間さい帯血バンクとして国内マーケットシェア約99%
・世界基準の品質と安全性の指標とされるAABB認証を取得
・ISO9001認証とプライバシーマークを取得
・国内最大級の細胞保管施設
・厚生労働省(関東信越厚生局)より特定細胞加工物製造許可を取得
・2021年6月東京証券取引所に株式を上場
詳しい資料やご契約書類のお取り寄せは資料請求フォームをご利用ください。
さい帯血を保管した人の声
■出産の時だけのチャンスだから(愛知県 美祐ちゃん)
■さい帯血が本当の希望になりました(東京都 M・Y様)
※ほかの保管者のから声はこちら
さい帯血保管は、赤ちゃんへの「愛」のプレゼント。
心も体も出産に向けた準備をしながら、赤ちゃんに会えるまでのもう少しの期間、ぜひ幸せな気持ちで過ごしてくださいね。
▼さい帯血保管について、もっと詳しく
この記事の監修者
坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー