2022年1月30日
赤ちゃん・子育て

産まれてから1年間で赤ちゃんはどのくらい成長するの?

この度は妊娠おめでとうございます。
子宮の中で最初に確認ができる胎芽の大きさは、妊娠5週目で約5〜15mmです。
こんなに小さくてもへその緒や臓器のもとは作られ始めています。
お母さんのおなかの中でのびのびと成長した赤ちゃん、産まれたときには身長が50㎝ほどまで成長しています。
おなかの中での約40週で急激な成長をするのはもちろんですが、産まれたてのふにゃふにゃの新生児から1歳になるまでの間にもびっくりするほど大きくなります。
今回は赤ちゃんが1年間でどのくらい成長するのかをまとめます。

◯1歳までの平均身長と平均体重

厚生労働省で行われている乳幼児身体発育調査の数値は以下の通りです。
出典:「乳幼児身体発育調査」(厚生労働省)

(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/73-22-01.pdf)

男の子の身長平均値(㎝)/女の子の 身長平均値(㎝)

出生時          48.7      48.3
生後1ヶ月〜2ヶ月未満   55.5      54.5
生後2ヶ月〜3ヶ月未満   59.0      57.8
生後3ヶ月〜4ヶ月未満   61.9      60.6
生後4ヶ月〜5ヶ月未満   64.3      62.9
生後5ヶ月〜6ヶ月未満   66.2      64.8
生後6ヶ月〜7ヶ月未満   67.9      66.4
生後7ヶ月〜8ヶ月未満   69.3      67.9
生後8ヶ月〜9ヶ月未満   70.6      69.1
生後9ヶ月〜10ヶ月未満   71.8      70.3
生後10ヶ月〜11ヶ月未満   72.9      71.3
生後11ヶ月〜12ヶ月未満   73.9      72.3

 

男の子の体重平均値(kg)/ 女の子の体重平均値(kg)

出生時          2.98      2.91
生後1ヶ月〜2ヶ月未満   4.78      4.46
生後2ヶ月〜3ヶ月未満   5.83      5.42
生後3ヶ月〜4ヶ月未満   6.63      6.16
生後4ヶ月〜5ヶ月未満   7.22      6.73
生後5ヶ月〜6ヶ月未満   7.67      7.17
生後6ヶ月〜7ヶ月未満   8.01      7.52
生後7ヶ月〜8ヶ月未満   8.30      7.79
生後8ヶ月〜9ヶ月未満   8.53      8.01
生後9ヶ月〜10ヶ月未満   8.73        8.2
生後10ヶ月〜11ヶ月未満   8.91       8.37
生後11ヶ月〜12ヶ月未満   9.09      8.54

 

平均値を示したものですので、男の子と女の子の違いや個人差もあるのであくまで目安ですが、赤ちゃんは約1年間で身長が約25㎝伸びて、体重が約6kgも増えます。特に新生児期の赤ちゃんは毎日25〜50gくらい増えていきます。

病院で行う赤ちゃんの1ヶ月健診では体重の増え方をチェックし、1日に25〜35gずつ増えていれば問題はありません。

さらに劇的な体重増加は生後3ヶ月くらいまで続きます。体重が増えなくて心配するお母さんがいる一方、体重増加が激しく赤ちゃんはムチムチパンパンで太り過ぎを心配するお母さんもいます。

しかし必ず体重と一緒に身長も増えていますので、ミルクを飲ませすぎていなければ気にしすぎることはありません。

◯首すわり

新生児の時はもちろん自分の力で頭を支えることができずグラグラしています。
成長するにしたがって、例えば布団の上でお母さんを目で追う際に首を自分で動かせるようになったりして首がすわってきます。
縦抱っこをしたときに頭の後ろに手を支えなくてもグラグラしない、仰向けに寝ている状態から手を引いて起こすと頭も遅れずについてくると首がすわっているといえます。
生後3〜4ヶ月の健診では首すわりの確認をします。
3ヶ月ではおよそ5割の赤ちゃんが、4ヶ月ではおよそ9割の赤ちゃんができるようになると言われています。

◯笑う

特に新生児期の赤ちゃんが寝ているときに、目を閉じたままニコッと笑ったように見えることがあります。これを「新生児微笑」と言います。楽しいから笑っているのではなく筋肉の収縮によって起こりますが、大人が「かわいい」と思い赤ちゃんに興味と愛情を感じてもらうために備わっている能力であるとも言われています。

生後1〜2ヶ月になると、大人がニコッとしたりぬいぐるや人形を見せると笑顔を見せてくれたりすることがあり、これを「社会的微笑」と言います。周囲の人やものからの働きかけに反応して見せる笑顔のことです。
生後3〜4ヶ月になると、大人があやすと「キャッキャ」と声を出して笑うことも増えてくるのであやしがいがあり、ますます赤ちゃんが可愛くてたまらなくなるでしょう。

◯寝返り

今まで仰向けに寝ていることしかできなかった赤ちゃんにとって寝返りは大きな変化です。
毎日一緒にいるお母さんにとっても、いつ寝返りをするのかは楽しみになっていることと思います。
首がすわって、腰が発達してくると自分で腰をひねって寝返りをうてるようになります。
一般的には生後4〜6ヶ月の間と言われますが、個人差がとても大きいので早かったり遅かったりしても、そこまで心配せずその子の成長を見守ってあげましょう。

またある日突然できるようになり、連続で寝返りをうつと意外なところまで移動してしまいます。赤ちゃんのいる周りにぶつかって危険なものはないか、誤飲してしまいそうなものはないか必ず確認しましょう。

◯おすわり

生後6〜7ヶ月になると、まず大人が赤ちゃんを抱えて座らせてあげると両手を前についた状態でしばらくキープできるようになってきます。おすわりができると視界も変わり、両手も使えるので遊びに変化がでます。
初めのうちはなんだか不安定ですが、生後10ヶ月くらいまで成長すると背筋良く1人で座ることができるようになります。腰のすわりがまだの状態で無理に練習をさせるのは体の負担になりますので、赤ちゃんの成長をみながら試してみてください。

また初めのうちはもちろんのこと、おすわりが安定してきたと思った時期でさえ、ちょっと目を話した隙にコロンと転がってしまうことが本当によくあります。できるだけおすわりの練習をしている時は目を離さないであげましょう。

◯ずりばい、ハイハイ

生後5ヶ月頃からずりばいといって、うつ伏せのまま手のひらや足の裏で床を押して進みだします。
前述のおすわりの前からずりばいをはじめる赤ちゃんもいます。その後、上半身を自分の力で支えて手のひらと足の膝をつかうハイハイへと移行します。
赤ちゃんの前進したい気持ちで上達していくので、赤ちゃんの好きなおもちゃなどを目の前から少し離したところに置いて、やる気を高めるのも良いでしょう。

◯つかまり立ち、つたい歩き

10〜12ヶ月頃までにはつかまり立ちが始まります。
ハイハイなどで足の筋肉が発達してくるとできるようになります。大人が赤ちゃんの脇を持って足を床に近づけると足を突っ走って立とうとしたり、どこかにつかまると1人で立つことができたりすると、そのうち自分で進みたくなってつたい歩きが始まります。

さらに1人で立ち上がってバランスがとれるようになると、一歩ずつ足を前に出して歩き始めることができます。

◯おわりに

首もグラグラで弱々しく思える新生児のお世話は大変で、毎日毎日昼夜問わず、抱っこに授乳にと長い修行のように感じることもあります。ところがそれから1年の間に寝返りをうてるようになり、笑ったり、座ったり、食べたり、話したり、立ったりと本当にできることがたくさん増えてきます。

まわりと比べて早い遅いと赤ちゃんの成長は気になりますが、今回ご紹介した成長の過程はあくまでも目安です。

1ヶ月健診、3〜4ヶ月健診、9〜10ヶ月健診など定期的に病院での健診もあるので、極端な成長の遅れなどが気になるようであればそこで相談してみましょう。早い遅いはあれど確実に赤ちゃんは成長しています、心配しすぎず目の前の赤ちゃんができるようになったことを1つ1つ喜んでどうぞ育児を楽しんでください。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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