2021年12月10日
赤ちゃん・子育て

新生児の体調管理

はじめに

ご出産おめでとうございます!赤ちゃんとの新生活は、いかがですか?産後の疲れは、出ていらっしゃいませんか?かわいい天使のような赤ちゃんの寝顔を見ると、元気でスクスク育ってほしい!と、何より願うものかと思います。
産院では、赤ちゃんの様子をチェックしてもらえましたが、自宅に戻ってからは、どのように赤ちゃんの体調を管理したら良いのでしょうか?
今回は新生児の体調管理について、お伝えしたいと思います。

新生児の体調を知る5つのポイント

①おっぱい、ミルクの飲み具合はどうか?

産院での授乳間隔や授乳量、ミルクの量や回数を参考にして、ご自宅でも大まかに把握できると良いですね。育児日記やメモ等を活用して、記録してみるのがお勧めです。
ただ、新生児期は、まだまだ授乳、ミルクのリズムがどのようなものか測りにくいものかもしれません。というのも、生後間もない赤ちゃんの胃の容量はとても小さく、一度にたくさんの量は飲めませんし、ママのおっぱいも吸われることで徐々に安定してくる過程にあるからです。この時期は赤ちゃんのペースに合わせて、欲しがるだけ授乳、ミルクを与え、更に記録することで、量が減った、増えたなどの変化が把握しやすくなるかと思います。

②スヤスヤ寝ているか?

新生児は眠りが浅いため、昼夜の区別なく2~3時間おきに目を覚まして、おっぱいやミルクを飲んでまた眠る・・・を繰り返します。おむつが不快な場合や暑かったり寒かったりする場合も、泣いて、目を覚まして訴えます。スヤスヤ寝ている間は不快なことがなく、満たされている状態かと思います。

③おしっこ、うんちの回数は?

おしっこは1日10回前後、うんちは1日1~8回します。授乳日記に回数を記載しておくと、変化があったときに、直ぐに気がつくかもしれません。母乳やミルクが足りているかの目安にもなります。
おむつかぶれを予防するために、小まめにおむつ替えをしましょう。なお、おしりが赤くなっているときは、強く拭かずに弱いシャワーで洗い流すのも効果的です。

④ご機嫌はどうか?

赤ちゃんは、おなかの中から聞いていたママ、パパの声が大好きです。積極的に話しかけて、抱っこやスキンシップをすると、赤ちゃんも心地よく感じるはずです。新生児期は、まだまだ声を出して笑うことはできませんが「新生児微笑」といって微笑みが見える時もあり、赤ちゃんがまさに天使と感じる瞬間ですね!

⑤体重はどうか?

生後2~3日くらいまでにいったん体重が減少します。これは、生理的体重減少と呼ばれるものです。その後は増加していきます。具体的には、新生児の体重は「生後1カ月で1kgの増加」が望ましいとされています。1日に平均すると約30gの増加ということになりますが、日によっておっぱいの飲み具合やおしっこの出方が違いますので、1週間単位で見て1日あたりの増加を計算すると良いかもしれません。

ちなみに、体重計についてですが、産院にあるベビースケールは購入のほか、レンタルすることも可能ですし、大人用の体重計では自分の体重を引いて、だいたいの赤ちゃんの体重を量ることができます。

1カ月健診で新生児の健康状態を確認する

1カ月健診が産後はじめての赤ちゃんとの外出になる方もいらっしゃるかもしれません。赤ちゃんの体重、身長などの測定はもちろん、おへその状態、心音に雑音がないか等を確認します。日頃、赤ちゃんの体調で気になる点、不安な点を助産師さんや医師に相談できるチャンスでもあります。母子健康手帳に予め質問を書いておくこともできますので、活用しましょう。

ママの体調も大切に

・心配なことがあったら、産院へ連絡しましょう

産後の体は自律神経が変化したり、ホルモンの急激な変化がおきます。無理せず、心配なことがあれば、まず家族に話してみたり、産院へ連絡したり、産後健診まで我慢せずに何かアクションをとりましょう!

・家族、周囲の方に頼りましょう

産後疲れの中、夜間の授乳、おっぱいやミルクを飲み終えた直後なのに、また泣いている!など、特に初めてのお子さんでしたら、生活が激変してしまったと感じた方もいらっしゃるかもしれません。
私も、長男の時は、こんなに忙しくて眠った気がしない1カ月になるとは思ってもいなかったので、最初は赤ちゃんと一緒に泣いていました。(今では良い思い出です)

そんな時、何より救われたのは、家族の支えでした。泣いているときは、母に抱っこを代わってもらったり、食事を作ってもらったり、夫に沐浴も担当してもらいました。みんなで赤ちゃんのお世話をすることは、きっとご家族にとっても素敵な思い出になることかと思います!
赤ちゃんがスヤスヤ寝ている間は、ママも隣で休んだりして、新生児期の間は、特に無理なく身体を大切にお過ごしください。

◆参考

松永正訓『子どもの危険な病気のサインが分かる本』講談社
『赤ちゃんの病気 新百科』(株)ベネッセコーポレーション
『赤ちゃん・子ども病気百科』主婦の友社
松峯寿美『やさしく知る 産前・産後ケア』高橋書店

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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