2022年12月21日
帝王切開

帝王切開ママ 2人目妊娠はいつからOK?体験談で解説!

「2人目が欲しいけど、子宮の傷は大丈夫かな?」

「産後すぐに妊活を始めちゃダメ?」

帝王切開後の家族計画は、不安や疑問がたくさんありますよね。

多くの家庭で話し合われている「2人目どうする問題」。

帝王切開後の場合は少し注意も必要です。その理由はズバリ!子宮破裂のリスクがあるからです。

怖い響きではありますが、発生頻度は高いものではありません。しっかりと傷の回復を待ってからの妊娠であれば、十分リスクは下がります。

今回は、2人の帝王切開ママにお話を伺いました!

体験談をもとに、それぞれのケースから帝王切開後の2人目妊娠について、掘り下げてみたいと思います。

 

A子さんの場合「帝王切開後1年未満で妊娠。大丈夫?」

A子さんは緊急帝王切開で女の子を出産しました。母子ともに大きな問題はなく、予定通りに退院の日を迎えました。医師からは「おなかを切開しているので、次の妊娠は1年以上空けましょう」と指導があったそうです。

初めての育児に奮闘していたA子さん。母乳育児も順調で特に悩みは無いものの、産後の生理がなかなか来ないことは、少し心配だったそうです。

産後9カ月経っても生理が来なかったA子さん。排卵も起きていないと思っていたため避妊をせずにいたところ、2人目の妊娠が発覚。「1年空けて」との指導を思い出し、かなり戸惑ったそうです。

A子さんは「帝王切開から1年未満の妊娠でも無事に出産できるのかな・・・」と不安に思いながら診察を受けたところ、医師からは「もちろん1年空けた方がリスクは低くなるけれど、1年空けたから絶対大丈夫!ということではないし、1年未満でも問題なく出産しているケースはありますよ」といわれたそうです。

妊娠経過は慎重に観察が行われ、子宮の傷周辺に異常が無いかを健診の度にしっかり調べてもらったとのこと。妊娠経過は、いたって順調だったそうです。

そして、予定帝王切開の日。A子さんは無事に2人目の赤ちゃんを出産しました。妊娠発覚時からの不安を思い返すと、とにかく「無事に終わった・・・」との安堵感が強かったそうです。

A子さんのギモン「生理再開がまだだったのに・・・」

A子さんの場合、産後9カ月経っても生理が来なかったため、排卵が起きていないと思ったわけですが・・・

生理の有無に関わらず、排卵している可能性は十分考えられ、排卵している限りは妊娠の可能性があります。子宮の傷口が治るのには1年程度必要ですから、本来それまでは避妊が必要だったように思います。

A子さんのように母乳育児をしていると、生理の再開が少し遅めになります。それは、授乳時期にはプロラクチンというホルモンが多く分泌され、そのプロラクチンが排卵を抑える働きをするためです。

しかし、母乳が出ていてもプロラクチンは少しずつ減少していき、産後半年くらいからは生理が来ない状態でも排卵が始まる場合が多く、それより前から排卵が始まる場合もあります。リスクを避けるためにも、1年ほど避妊が必要な帝王切開ママは、産褥期を過ぎて性行為が出来るようになった時点から避妊が必要になります。

さて、A子さんは医師に「1年空けたから絶対大丈夫!ということではない」といわれたとのこと。次にご紹介するのは、まさに「1年空けた」のに、大丈夫とはいえなかった・・・というB子さんのケースです。

B子さんの場合「帝王切開後3年で回復してる・・・はず?」

B子さんは前置胎盤のため、予定帝王切開で男の子を出産しました。赤ちゃんは元気に生まれたものの、B子さんは悪露が長引く等のトラブルがあり、2日ほど入院が長引いたそうです。

そういった経験から「妊娠出産は一筋縄にはいかない!」と感じていたB子さん。退院してからも慎重に1年間の避妊をしていたそうですが、それはそれで心配があったそう。なぜなら、B子さんは出来るだけ早く妊娠したいという希望があったからです。

B子さんは家族とも相談し、2人目妊活を1年後から開始。そして2人目の赤ちゃんがやってきたのは3年後でした。B子さんは「少し時間はかかったけど、ここまでくれば子宮も回復したはず」と特に心配は無かったそうです。

しかし、妊娠23週で子宮に薄い部分があると発覚。大きな病院へ転院することになりました。つまり、子宮破裂の恐れがあったのです。

子宮のMRI撮影など、検査をするために2泊の入院になったそうですが、その検査で子宮はそこまで危険な状態ではないことが分かり、自宅で過ごすことになったB子さん。入院は免れたものの、これで安心!というわけにはいきません。なぜなら、自宅には元気いっぱいに走り回る長男が・・・

育児と妊娠の継続はハラハラとヒヤヒヤの連続だったB子さんですが、何とか無事に予定帝王切開の日を迎え、2人目の赤ちゃんを出産しました。

B子さんのギモン「妊活を休んだ意味は?回復しなかったのはなぜ?」

B子さんはまず、2人目を妊娠するのに、ご自身の予想よりも時間がかかったことから、「産後は妊娠しやすいと聞いたこともあるし、1年間で妊娠を遠ざけてしまったのでは?」と思ったそうです。

B子さんの気持ちはわかりますが、「産後は妊娠しやすい」というのはちょっと違います。産後4カ月頃までは排卵を抑える働きをするプロラクチンが多く分泌されているため、妊娠しにくくなっています。その上、子宮の傷口が治るには1年程度が必要で、例え傷はくっついていても、他の部分よりも薄くなっています。そこが赤ちゃんによって引き伸ばされると、破裂のリスクが高まります。

妊娠の確率とリスクを考えると、1年間は妊活よりもしっかりと子宮の回復期間に充てるのが、無事に赤ちゃんに会うための近道ともいえるでしょう。

そして、3年経ってもなぜ回復していなかったのかというと、こればかりは個人差があるようです。A子さんのように1年未満でも子宮の傷が大きな問題に繋がらない人もいれば、B子さんのように3年経っても回復しきれない人もいます。一般的に、産後半年経過すると子宮は8割程度の強度に戻るといわれていますが、どのくらいの期間を要するか、どの程度の強度に戻るかは、個人差が大きいのです。予測することも難しいでしょう。

帝王切開後の子宮破裂の原因と確率

そもそもなぜ、帝王切開後は子宮破裂のリスクが高くなるのでしょうか。原因として、帝王切開既往妊婦の場合子宮筋を切開しているため、既往のない妊婦に比べて子宮破裂の頻度が高まることが挙げられます。特に陣痛などの強い子宮収縮が原因となり、分娩中に起こることが多いです。

また子宮破裂の確率については、帝王切開既往のある妊婦の0.2〜0.5%が発症すると言われています。

発展途上国を含むWHOの大規模データを使用した解析の結果においても、帝王切開既往のある妊婦の子宮破裂発症頻度は0.5%と報告がされています。

少ないとは言えませんが大多数の方は子宮破裂をすることなく出産ができると言えます。

帝王切開後の子宮破裂の死亡率

しかし万が一、子宮破裂が起きた場合の死亡率はどの程度になるのでしょうか。発症した場合、母体の死亡率は1%、胎児の死亡率は50%、または後遺症がのこる確率が高いと言われています。特に赤ちゃんへ大きな影響があることが分かります。

帝王切開後の子宮破裂の前兆や予防法はある?

それでは子宮破裂の前兆や予防する方法はあるのでしょうか。
子宮破裂の前兆として、下腹部や瘢痕部の圧痛や自発痛を感じる場合があります。妊娠末期以降、そのような普段とは違う痛みには注意して生活しましょう。また予防法としては、明確なエビデンスはありませんが、前回の分娩が帝王切開であった場合は、1年間程度間隔をあけて次回の妊娠をするように心がけましょう。

さいごに

2人の体験談に登場した赤ちゃんたちは、みんな元気に大きくなり、小学生になったとのことでした。とても嬉しい気持ちになりますね。

帝王切開後に2人目の妊娠を考える際には「リスクを避けるために1年程度は妊娠を避ける」ということ、そして「個人差があるため、何年経ったから大丈夫!といえるものではない」と知っておくことは、心の準備にもなるでしょう。

ぜひ、家族計画の参考にしてみてくださいね。

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▼さい帯血保管について、もっと詳しく

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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