万年肩こり腰痛持ちの私。

学生時代はスポーツ女子で毎日激しく体を動かしていました。ケガや筋肉痛も多く、湿布の消費量は兄弟も含め家族内で一番でした。整形外科に行けば見慣れた顔も多く、病院スタッフとも仲良くなっていて、年上の患者さんとは待合室で「今日は何?腰?女子は腰を大事にしなくちゃだめよ」と互いの痛みをお喋りのネタにしていました。

そんな私が社会人になり、会社勤めを始めてから毎日の運動はというと、自宅から駅までの徒歩25分と、階段の上り下りが多くても日に3回程度でした。高校生の頃から外反母趾になっていて「社会人=パンプス」が嫌でした。

25歳の頃から肩こりと腰痛を感じるようになり「筋力が落ちてきたなぁ。運動しないとなぁ。ジムにでも行きたいなぁ」と思ってはいたものの、その頃から主任になり、仕事量が増え、残業も増え通勤時間が片道2時間弱だった私は帰宅が午前様になることもあり「いつ運動すれば良いの!?」と自問自答する日々でした。

深夜の帰宅後は、明日の仕事の準備をしてから入浴し、お風呂上りに肩と腰に湿布を貼り、目覚ましを3つかけて消灯。

翌朝は5時に起床、洗顔、お化粧、湿布貼りが朝食前のルーティンでした。市販薬の方がすぐに手に入るので駅前のドラッグストアで湿布を買っていましたが、定期的になってからは「処方箋の方が安いかも」と頭の中でそろばんを弾くようになったほどでした。結局、仕事が忙しく、通院する時間が取れなくて市販薬のまま独身時代は過ぎていきました。

 

結婚後

学生時代からの付き合いの彼と28歳で結婚しましたが、その頃には私の両膝にも湿布が増えていました。えぇ、原因はパンプスと体重増加でした、トホホ。いつかのコマーシャルで見た「膝、腰、肩に・・・」そのまんまの私でした。

3.11の地震で、スカートとパンプスからパンツスタイルとスニーカーに履き替えた私の膝は、徐々に回復していき、膝の湿布は取れましたが、肩と腰の湿布は常に2枚ずつでした。

ところが、次にやってきたのは眼精疲労からくる首のコリでした。妊活に備えて主任の仕事をいつでも引き継げるようにパソコン作業が大幅に増えた私は、自宅でサービス残業もしていました。首にも湿布を貼らざるを得なくなってしまったのです。

 

いよいよ妊活

妊娠を意識し始めた頃に調べたのは「薬の妊婦への影響」でした。私は花粉症があったので、真っ先に耳鼻咽喉科で確認しました。「あなたは軽症だし強い薬は出していませんし、心配ありませんよ」と言われ、安堵しました。薬といえば、飲み薬と思い込んでいた私は、すでに皮膚の一部のようになっていた市販薬の湿布のことは忘れていました。

ですが、妊娠がわかる直前、部屋を片付けたついでに薬箱を整理していた際、出てくる出てくる各種湿布の箱。「処方箋の方がお安い?」なんて考える私です。ドラッグストアの陳列棚で、その時に一番安値の湿布を買っていたので、箱がカラフルに並ぶはずです。

そして、目に留まった注意事項はカタカナの羅列でした。「インドメタシンって大丈夫?」「~プロフェンは安心?」と急に心配になってきました。更に読み進めると「湿布を剥がした後2週間は、皮膚を紫外線に当てないでください」とありました。日頃から肌を露出することがなかった私は、何も気にしていませんでした。

そんな私がほどなく妊娠

「飲み薬のチェックは済んだけれど、湿布はどうなる?」と、すっかり「首、肩、腰」になっていた私はやや焦りました。妊婦健診で主治医と相談したところ「湿布は貼らないでおきましょう」と決定。

のち、2014年には厚生労働省が「ケトプロフェンのテープ剤を含む外皮用剤について妊娠後期の女性への使用を禁忌とする」と発表していました。赤ちゃんの心臓に影響(動脈管収縮)を与えることがあるそうです。妊婦の皆さん、ご注意ください。

私は結局妊娠初期で会社を退職しました。つわりがこの上なく酷かったことがきっかけですが、引継ぎ資料が完成していましたし、それ以上にパソコン画面とにらめっこは限界でした。それまで湿布を貼っていた首には保冷剤を、肩と腰は電子レンジで温めた蒸しタオルを当てることにしました。主人にもここぞとばかりマッサージをしてもらいました。

妊婦生活も中期に入ったころ「安定期だし、マタニティヨガに挑戦してみよう」となり、呼吸や姿勢を意識して整えてみました。

すると、妊婦生活後期になる前には、肩こりを感じなくなる日が増えて、腰痛も軽くなり(後期の胎児の体重増加に伴う腰痛は発生しました)想定以上に快適に過ごせました。

 

無事に我が子と対面

出産は無痛分娩を選びましたが、初産で緊張していたのだと思います。肩こりが発生。最後は腰がバラバラになりそうな痛みと出血と叫びと共に息子が出てきました。

退院後、3週間ほど義実家で上げ膳据え膳を楽しみ、寝不足と闘い、帰宅後は息子が眠る横でマタニティヨガを思い出しながら、体をほぐすことを続けていました。

息子の体重がお米を超え始めてからは、私の腰も痛みますので時々湿布を貼っています。粉ミルクベイビーなので直接息子に影響は出なかったです。

毎日激しい運動はできなくても、体をほぐすことは大事なのだと思います。

全ての妊婦さんが姿勢と呼吸を大事にして、妊婦生活を快適に過ごせますように。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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