妊娠中は飛行機に乗っても大丈夫?2つのリスクや対処法も紹介

「妊娠中は飛行機に乗ってもよいのだろうか」と疑問に思っていませんか。

妊娠中は飛行機への搭乗禁止といったルールはありませんが、乗らないほうがよい期間は存在します。

また妊娠中の飛行機への搭乗では、リスクもあるのです。

この記事では、おもに以下の内容を解説していきます。

・妊娠中に飛行機への搭乗は12~28週が無難
・妊娠中に飛行機へ乗る2つのリスクと対処法
・胎児へ与える影響

この記事を読むと、妊娠中に飛行機へ搭乗してもよいか判断できるようになりますよ。

妊娠中の飛行機への搭乗は12~28週が無難

藤田医科大学 中部国際空港診療所によると、妊娠12週から28週頃までが飛行機への搭乗に適した期間とされています(※1)。

妊娠が安定し、流産のリスクも減るためです。

実際、妊娠2か月(妊娠週数8週前後)の妊婦さんが飛行機へ搭乗したところ、着陸時の減速による重力の影響でつわりを誘発し、吐き気を訴え座席で倒れたという事例がありました(※2)。

また国土交通省によって、出産予定日から28日以内(国際線は36日以内)については医師の許可が必要、と決められています(※3)。

各航空会社によって細かいルールは変わるため、利用前に確認しましょう。

 出典

(※1)藤田医科大学 中部国際空港診療所「健康アドバイス」

(※2)J-STAGE「航空機搭乗の妊娠に及ぼす影響」

(※3)国土交通省「航空機利用に関する質問」

妊娠中に飛行機に乗る2つのリスクと対処法

妊娠中の飛行機の利用では、大きく以下2つのリスクが懸念されます。

・エコノミー症候群
・吐き気や腹痛

順番に対処法とあわせて解説していきます。

リスク1:エコノミー症候群

長時間同じ姿勢で座ることで血流が悪くなり、肺血栓を引き起こします。

妊娠中は血液が固まりやすいうえ、機内が乾燥しているため、体の水分が蒸発しやすい環境が影響して血栓症が起きやすくなるのです。

対処法としては、以下4点があげられます。

対処法

詳細

機内で軽いストレッチ ・約30分に1回おこなう
・おなかを圧迫しないよう注意
・ふくらはぎを軽くマッサージ
・つま先を上下に動かす
・足首を回す
水分補給をこまめにする カフェインや炭酸飲料はNG
ゆったりとした服を着る 体を冷やさないように注意
着圧ソックスを履いておく 強すぎると血流が悪化するため注意

リスク2:吐き気や腹痛

基本的にはあまり心配はいりませんが、上空での気圧の変化の影響を受けて、吐き気や腹痛が誘発されることもあります。

対処法としては以下3点があげられます。

対処法

詳細

ゆったりとした服装 体を冷やさないように注意
マスクの着用 感染予防になる
通路側やトイレの近くの席を確保する 予約時に確保

飛行機への搭乗で放射線が胎児へ与える影響は?

飛行機に乗ると放射線を受けると聞いたことがあるのではないでしょうか。

妊婦が被ばくした場合、胎児へ悪影響を与える可能性があるといわれていますが「100ミリシーベルト以下」であれば問題ないのです(※4)。

ただし妊娠初期に100ミリシーベルトを超えた放射線を浴びると、流産の可能性があるといわれています(※5)。

たとえば、飛行機で東京〜ニューヨーク間の往復(約27時間)で、受ける放射線量は「0.19 ミリシーベルト」であるため、影響はないという理由がわかるでしょう(※6)。

もうひとつの基準として、日本人の年間平均被ばく線量は「5.98ミリシーベルト」といわれているため、100ミリシーベルトがいかに大きいかが伝わるのではないでしょうか(※7)。

また飛行機への搭乗前に受ける金属探知機検査でも、母児に障害を与える可能性はないといわれています(※8)。

どうしても心配な場合は、係員にその旨を伝えると、ほかの検査方法へ変えてくれます。

出典

(※4、5)環境省「確定的影響と時期特異性」

(※6、7)国立研究開発法人産業技術総合研究所「放射線を正しくはかる」

(※8)国土交通省「ご妊娠中のお客様の保安検査について」

妊娠中の飛行機搭乗で準備できる4つのこと

トラブルを回避するため、以下4点の準備を整えておきましょう。

1.医師に相談
2.移動は妊娠中期
3.ゆったりとした服装
4.母子手帳、保険証、緊急連絡先の持参

順番に紹介していきます。

準備1:かかりつけの医師に相談

妊娠中は予期せぬ事態が起きることもあります。

できるだけ早めに医師に相談し、妊娠の経過や体調を考慮して慎重に決めましょう。

目的地や帰省先の産婦人科も調べておくことをおすすめします。

準備2:移動は妊娠中期に

妊娠初期や後期はリスクが高く、各航空会社の規定もあります。

また、妊娠中期であっても安心だと断言することはできません。

リスクをよく考慮したうえで「おなかが張る」「出血がある」などの症状が見られるときは中止しましょう。

里帰り出産は、できれば33週頃、お仕事のある妊婦さんでも産休に入る34週頃には里帰りをした方がよいでしょう(※9)。

出典:(※9)独立行政法人国立病院機構 弘前総合医療センター「里帰り分娩を希望するみなさまへ」

準備3:ゆったりとした服装

エコノミークラス症候群や体調不良を避けるため、胸やおなか周り、足などを締めつけることのないゆったりとした服装を心掛けましょう。

スリッパなどに履き替えるのもよいでしょう。

また、冷え対策やマスクの着用も忘れずに。

また航空券の予約時は、通路側やトイレの近くなど、気軽に動ける席を指定しましょう。

準備4:母子手帳、保険証、緊急連絡先の持参

機内で体調が悪くなってしまったときのために必ず携帯し、すぐに取り出せる場所に用意しておきましょう。

おなかが目立たない場合は、マタニティマークなどのタグを見えるところにつけておくとよいでしょう。

まとめ

妊娠中の飛行機への搭乗は、母体や胎児の状態を考えると「12〜28週」の間で行うのが無難です

実際に飛行機を利用する際は、航空会社によって搭乗のルールが異なるため、事前に確認しておきましょう。

妊娠中の飛行機への搭乗では以下のようなリスクも考えられるため、対処法も把握しておくと安心です。

リスク

対処法

エコノミー症候群 ・機内で軽いストレッチ
・水分補給をこまめにする
・ゆったりとした服を着る
・着圧ソックスを履いておく
吐き気や腹痛 ・ゆったりとした服装
・マスクの着用
・通路側やトイレに近い席を確保

妊娠中はリスクや体調を考慮しながら、無理のない範囲で飛行機の利用を検討しましょう。

妊娠中の旅行についての注意点は、こちらの記事でも詳しくご紹介していますので、参考にしてくださいね。

妊婦さんの旅行OK?NG?おすすめ時期・行先・持ち物リスト

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この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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