出産の痛みが怖い?無痛で産むという選択も!

出産への不安はありますか?おなかの中の赤ちゃんの健康について気がかりなのはもちろんですが、妊娠中に「出産ってどれくらい痛いのだろう」と考えたことのない人はいないのではないでしょうか?

上の子を出産したのは無痛分娩を扱っていない病院でしたので「まぁ痛みは怖いけど大丈夫でしょう」と軽い考えでした。

初めての出産は促進剤を使っても丸2日陣痛に苦しみ続け、母子共に健康ではありましたが私の身体はボロボロ。痛みの記憶がトラウマになり出産後はもう絶対次はない!と固く決意したほどでした。

結局4年の間を開け昨年下の子を出産するに至りましたが、この時は無痛分娩の一択で上の子の時と病院を変えて無痛分娩で評判の良いところを探しました。

無痛分娩は痛みが抑えられる分、痛みによるパニックになることもなく落ち着いて出産ができ、体の回復も早いと言われています。

今回は無痛分娩を選択するにあたり考えておきたいことについてご紹介します。

◯分娩の種類

出産の方法として経腟分娩と帝王切開分娩があります。母子にリスクが生じる場合には経腟分娩ではなく帝王切開分娩が選択されますね。

経腟分娩の場合は自然分娩か麻酔を使った無痛分娩を選択することもできます。

無痛分娩は病院によりますが、ほとんどが硬膜外麻酔を用いるようです。

◯無痛分娩のリスク

まずはじめにどうしても気になるのが麻酔をすることへのリスクですよね。

お母さんの血圧が下がったり、ということなどが挙げられますが、これは帝王切開で使う麻酔のリスクと変わりません。

その他に考えられるリスクとしては、微弱陣痛になって分娩時間が長くなることにより赤ちゃんが産まれる際に吸引、鉗子を使う場合が増えること、陣痛促進剤を使う場合が増えることがあります。

しかしながら、硬膜外麻酔での無痛分娩では心拍が下がるといった赤ちゃんへの影響はまずないと言われています。

◯費用、病院の対応

これは病院によって様々なのですが、自然分娩にプラスして3〜15万円になります。

また病院により出産の日を事前に決める計画無痛分娩のみ行っているところ、24時間いつでも行っているところもありますので、ご自分の通う病院をよく調べる必要があります。

ちなみに私の通った病院では24時間対応でしたので、陣痛が自然にきて入院して・・・という流れを想像していたのですが、予定日を1週間過ぎた健診でも、まだ産まれそうになかったのでその場で「明日産みたいです!」とお願いをしました。

麻酔科医でもある担当の先生は快く受け入れてくださり、ちょうど空きがあったので翌日に計画無痛分娩となりました。

朝から入院し促進剤やバルーンを使って夕方に無事出産を終えることができました。

◯周りの理解

声を大にして言っておきたいのは、出産の方法などを選ぶ権利があるのはお母さん自身です!

上に挙げた事柄についての心配や「おなかを痛めないとお産ではない」という古い考えは未だにあります。旦那さんだけでなくご両親、義両親などお母さんに近い方々が無痛分娩に反対することは少なくありません。

実際私も上の子を産んだ直後に「もう次は絶対にない!もしあっても無痛にするから!」と夫に訴えると「え、無痛なんて大丈夫なの?痛みがあって自然に産むのが一番でしょう?」との返答が・・・

「じゃあ代わりに産んでみてよ」と実際に声に出して言ったかは覚えていませんが、あんなに痛みに苦しんでいる姿を見ていたのによく軽々しく言えるものだとどす黒い感情が勢いよく沸いてきたことを私は忘れません。

結局、下の子を出産するまでの4年間に考えを改めたのか、私の勢いに気圧されたのかはわかりませんが「無痛分娩で産むから」という意見に反対されることはありませんでした。

◯おわりに

自然分娩でも帝王切開分娩でも無痛分娩でも、赤ちゃんを無事に誕生させることに変わりはありません。お母さんはどの分娩方法でも命懸けです。

自然分娩と無痛分娩の両方を経験した上で、私は無痛分娩を選択して大正解だったと思っています。

長い陣痛に苦しむこともなく、落ち着いて出産に臨めること。体の負担が格段に少ないこと。それと同時に産後の回復が早いこと。

陣痛の間も痛みに邪魔されることなく赤ちゃんに会える瞬間を楽しみにすることができました。いざ産まれるという時も赤ちゃんの体が今出てきているという感覚もしっかりあり、とても愛おしい思い出として刻まれています。

出産に対する考え方は人それぞれです。無痛分娩も選択肢のひとつになればと思い、ご紹介させていただきました。お母さん自身で色々な方法を事前に調べて、自分に合ったスタイルを探してみてください。 ご出産を応援しています。

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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