2022年3月31日
赤ちゃん・子育て

うちの子大丈夫?乳児の健康状態とママに伝えたいこと。

新生児から乳児の期間、ママは我が子の成長に一喜一憂する時期です。

目が見えていなかった赤ちゃんが、次第に目でものを追うようになり、物をつかんでいろいろなおもちゃで遊べるようになる。

赤ちゃんの成長は喜びに満ちた驚きの連続です。それと同時に順調に進まない時には大きな不安材料ともなります。

今回は、特に不安の大きい乳児期の成長と健康状態、そして我が子の成長に最も大きな影響をもたらすママのことについてもお話していきます。

<新生児から乳児へ。大きな変化>

 

生まれたばかりの新生児はぼんやりとした視界の中、寝返りをうつこともなく1日のほとんどを眠って過ごします。昼夜の区別はなく、1〜3時間おきの授乳。全身を使って泣くことも、全身運動のひとつです。

まだはっきりとした反応がない新生児ですが、外の世界に慣れていくために日々すごいスピードで成長しています。

ママにとっては、産後の疲れもある中、慎重に寄り添わなければいけない時期で、とても大変だと思います。母乳の量は足りているだろうか、ちゃんと体重は増えているだろうか。

初めての育児なら尚更、不安なことばかりです。

そしてその心配事をすぐに相談できる人の方が少ないのではないでしょうか。

そんな時に心強いのが乳幼児健診です。

 

<気がかりを解決するチャンス!乳幼児健診とは?>

 

乳幼児健診は、乳児・幼児の発育・発達と健康状態を確認して、病気や異常の早期発見につなげる大切な機会です。我が子が順調に成長しているのか確認できるのと同時に、日々の育児の不安について質問し、解消できる機会でもあります。

義務化されているのは1歳6か月児健診と3歳児健診だけですが、ほとんどの自治体で3~4か月児健診が実施されており、9~10か月児健診も多くの自治体で行われています。

また多くの方が、出産した医療機関で1か月健診を受けています。

健診には、自治体が費用を負担してくれる公的健診と、自費で負担する自費健診があります。公的健診の中には、市の保健センターなど指定の場所で受ける集団健診と個別の病院で受ける個別健診があります。

 

この乳幼児健診では、それぞれの月齢で標準的な成長の目安となるチェック項目があります。我が子の成長が順調かどうか、セルフチェックする基準にもなるのではないでしょうか。

 

<1か月健診>

 

1か月健診は出産された産院で受けている方が多い健診です。そして出産後、赤ちゃんとの初めての外出という人がほとんどです。

先天性の病気の発見と、発育状態を見るのが大きな目的ですが、赤ちゃんだけでなくママの状態を診ることも大事な目的です。

おっぱいやミルクのこと、ママ自身のことも、不安があれば遠慮せず相談しましょう!

聞きたいことがたくさんある時は予めメモしておいてもいいですね。

 

<3〜4か月健診>

 

3か月を過ぎてから5か月になるまでに受けるのが3〜4か月健診です。

首がしっかり座ってきているか、が最大のチェックポイントです。とはいえ、この時期の赤ちゃんは少しの受診時期の差で成長に差が出るため、神経質になる必要はありません。

ほかにも、聴覚や視覚の発達や全身の健康状態、あやして笑うかといった反応を見て、発達の状態を確認していきます。

多くの自治体で、集団健診で行われます。この健診と合わせ、離乳食指導が行われることも多いようです。

 

<6〜7か月健診>

 

寝返りやおすわりなどを見て運動機能の発達をチェックしていきます。また顔にかかったタオルを自分で取るかどうかをみて視覚と運動神経の連携なども確認します。おもちゃに興味を示す様子などから心の発達についても確認することができます。この頃には人見知りが始まっていることも多く、医師や看護師に泣いてしまうことも。

 

<9〜10か月健診>

 

ハイハイで動きまわる子が増える中、早い子ではつかまり立ち・あんよが始まるなど、個人差が出て心配事も多くなる時期です。

この健診では、できるかできないかではなく、体の動かし方や機能について確認することで体全体の発達具合をみていきます。パラシュート反射と呼ばれる大切な反射の確認もします。頭から倒れそうな状況で手が出るかを確認しており、この反射は転んだ時に顔や頭を守る大切な動きです。

 

<ところで、ママの健康状態は大丈夫ですか?>

 

新生児・乳児を育てる産後1年は、ママにとって非常に過酷な時期でもあります。

出産による体の負担、会陰切開や帝王切開の傷、育児のプレッシャー、授乳による睡眠不足。

産後は一時的に女性ホルモンの分泌が低下し、閉経前の更年期症状と同じようなうつ気分に陥ることも。

訳もなく涙が出てくる、イライラが止まらない、などもよくあることです。

そのような「マタニティブルー」と呼ばれる状態は、産後3日目〜10日目に現れるケースが多いようです。

このような状況の時は、迷わずS O Sを。

赤ちゃんが可愛いと思えなかったり、赤ちゃんにさわれなかったり、そもそも何もしたくないため家事も育児もできなくなってしまう場合がよくあるのです。それは赤ちゃんの健康状態にダイレクトに影響を及ぼすことに加え、ママ自身も自分を責めてしまうことに繋がるため悪循環が生まれてしまいます。

しかしこれは、ママ自身の人格の問題ではありません。出産前に心が健康な状態だったママでも起こりうる体の変化によるものなのです。

育児に慣れて余裕が出れば自然と解消する一過性のケースが多いですし、産後3〜4ヶ月経ってホルモンの分泌が戻れば、自然と軽快するものと認識してみてください。

この時大切なのは、1人で抱え込まずに周囲に助けを求めること、そして充分に休むことです。

 

<まとめ>

乳児期は一人一人の成長に差がある時期でもあり、ママにとっては非常に不安が強い時期でもあります。

マタニティブルーに限らず、ママの心の健康状態は、赤ちゃんの発達・健康状態と同様に注意しなければいけません。

特に出産後3か月の間は外出もままならず、誰かに相談する機会が難しい時期です。

母子の健康状態を確認するために、各自治体で巡回して面談等を行っているところも多くあります。

もしご自身が、実は辛くて悩まれている状態、または健康状態に不安があるならば、1人で抱え込まずにまずは相談してみましょう。

周囲に頼れる人がいないと悩むより、本当のことを誰かに伝えていただきたいと思います。

旦那さんやご家族、友人、病院の先生や助産師・看護師・保健師、誰でもいいのです。

まずは誰かに伝えることです。

そのタイミングのひとつとしても、乳幼児健診は良い機会になるのではないかとか思います。

 

 

※参照

くわしいから安心!赤ちゃん育児  西東社

30代40代ママのこころ・からだケア  ジャパンマシニスト社

 

 

この記事の監修者

坂田陽子

経歴

葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。

日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業

資格

助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー

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