妊娠後期に入ると、それまでよく眠れたのに、何だか熟睡できなくなった!とお感じの方も多いのでは?
この時期は、おなかが大きくなり、寝る姿勢が大変だったり、ホルモンの影響もあり、熟睡するのが難しくなるといわれています。
少しでも、ゆっくり安眠できるお手伝いができますよう、現在2児の子育て中の私がコラムを書かせていただきます。
安眠の環境を整える4つの方法
①適度に体を動かす
日中にご近所を散歩されるなど「歩かれる」のはいかがですか。
歩くことは、有酸素運動の代表といわれています。
有酸素運動とは、体に過度の負担をかけることなく、酸素をたっぷり取り入れながら一定時間以上続けて行う全身運動です。
歩くことで、血流がスムーズになり、脳を刺激し、自律神経のバランスも良くなってくるといわれています。
もちろん、その日の体調の確認をしっかりなさって、大丈夫そうでしたら、近所をお散歩してみたり、スーパーまで歩いたり、体を適度にほど良く動かせる機会を作りましょう。
ポイントは、「適度に」「ほど良く」というところです。
人によりますが、時間にすると10分から30分程度でしょうか。
たくさん運動してしまうと、刺激が強すぎてしまうかもしれませんので、負担があまりかからず「気持ち良いな」と思う程度の運動がお勧めです。
天候などで、外出が難しい日は、お家の中で軽い運動をしませんか。
YouTube等で、妊婦さん向けの簡単な運動をトライするのも良いかもしれません。
日中にほど良く体を動かすことができれば、自律神経も穏やかになり、気持ちの良い疲労感も得ることができて、安眠・熟睡のお役に立つかと思います。
②クラシック音楽
妊娠後期には、出産に対するご不安なども、出てくる時期です。
安眠の為には、和やか、リラックスな気持ちを大切にしたいですよね。
そこでお勧めは、気持ちをゆっくりすることのできる音楽を聴くということです。
私は、クラシック音楽が大好きで、胎教も兼ねて、リラックスに音楽を聴いていました。
「胎教も兼ねて」と申しましたが、妊娠5~7カ月の赤ちゃんは外の音が聴こえるようになり、妊娠8カ月になると、おなかの赤ちゃんは、聴覚がほぼ完成します。
お勧めの曲を下記に挙げさせていただきます。YouTubeなどで検索してみてください♪
<お勧めのピアノ曲>
ショパン「ノクターンOp.9-2」
リスト「愛の夢 第3番」
ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」
ラヴェル「水の戯れ」
ドビュッシー「月の光」
ドビュッシー「亜麻色の髪の乙女」
ドビュッシー「小組曲」
<お勧めのヴァイオリン曲>
マスネ「タイスの瞑想曲」
バッハ「G線上のアリア」
ベートーヴェン「スプリング・ソナタ」
<お勧めのチェロ曲>
エルガー「愛の挨拶」
バッハ「無伴奏チェロ組曲 第1番」
<お勧めの声楽曲>
ブラームス「ブラームスの子守歌」
グノー「アヴェ・マリア」
カッチーニ「アヴェ・マリア」
ヘンデル「オンブラ・マイ・フ」
③入浴
眠る3時間くらい前に入浴を・・・
ちょうど眠りにつける体温まで下がるのが、入浴後3時間といわれています。
ですので、眠る時間から計算したタイミングでお風呂に入ることができたら理想的です。
④抱き枕やタオルを活用
大きなおなかですと、なかなか寝返りも打てなかったり、寝る姿勢も難しいですね。
抱き枕などを使うと、姿勢が楽になったりする場合もあります。
足元にクッションやタオルを置くなどして、少し高さをつけると眠りやすかったりしますよ。
妊娠後期のママと赤ちゃんの様子について
もし、今、眠れないままお読みいただいていたら・・・
少しでもお体の様子がわかるよう、この時期の特徴について、まとめてみました。
・妊娠8カ月(28週から31週)
この時期はおなかが大きくなるため、足元が見えにくくなります。転ばないように気をつけて、ヒールのある靴はやめた方がベターですね。
また、子宮へ血液の量が多く流れることや大きくなった子宮に心臓や肺が押し上げることで、動悸や息切れが起こることがあります。
この時期、羊水の中を自由に動き回っていた赤ちゃんも次第に位置や姿勢が一定になり、聴覚がほぼ完成します。
また、骨格がほぼ完成し、筋肉や神経系の動きが活発になります。
・妊娠9カ月(32週から35週)
この時期に子宮はどんどん大きくなり、みぞおちのあたりまで達するので、胃が押し上げられてムカムカします。
また膀胱が圧迫されて頻尿になることもあります。おなかの重さで足への負担も増して、足がむくんだり、つったりもします。
また、赤ちゃんは皮下脂肪がつき、体つきが丸みを帯びてピンク色の肌になります。髪の毛が長くなり、爪が指先まで伸びてきます。
・妊娠10カ月(36週から39週)
この時期は、みぞおちの上くらいまであった子宮が下がり、胃が楽になってきます。不規則なおなかの張りなども、出産の兆候として出てくるかもしれません。
赤ちゃんは体が四頭身となり、内臓や神経系も成熟してきます。
骨盤内まで降りてきて、子宮の入り口に頭をつける姿勢をとり、生まれる準備もできています。
さいごに
私は、妊娠後期の時期に、胎動をとても感じていました。ベッドに入り、寝る頃になると、バンバン!とキックされていたのを思い出します。
夜型な赤ちゃんだな!いつ寝ているのかな?踊ってる?と考えている間にこちらの目も覚めてくるってことも何度となくありました。
そんな我が子も、今でもキック、お布団をキック!蹴とばしております(笑)
どうぞゆっくり安眠、熟睡できますように。
妊娠後期のお体を大切に、良い出産をお迎えください。
この記事の監修者

坂田陽子
経歴
葛飾赤十字産院、愛育病院、聖母病院でNICU(新生児集中治療室)や産婦人科に勤務し、延べ3000人以上の母児のケアを行う。
その後、都内の産婦人科病院や広尾にある愛育クリニックインターナショナルユニットで師長を経験。クリニックから委託され、大使館をはじめ、たくさんのご自宅に伺い授乳相談・育児相談を行う。
日本赤十字武蔵野短期大学(現 日本赤十字看護大学)
母子保健研修センター助産師学校 卒業
資格
助産師/看護師/国際認定ラクテーションコンサルタント/ピーターウォーカー認定ベビーマッサージ講師/オーソモレキュラー(分子整合栄養学)栄養カウンセラー